岸本館長下における近代化の取り組みとは? わかりやすく解説

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岸本館長下における近代化の取り組み

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/10 01:08 UTC 版)

東京大学総合図書館」の記事における「岸本館長下における近代化の取り組み」の解説

建設当時最新鋭設備取り入れて造られ図書館であったが、開館から30年近く経った昭和30年代には(学内各部局図書館なども含めてあらゆる問題顕在化していた。この頃第17代茅誠司総長依頼受けて1960年昭和35年4月図書館長に就任したのが、当時文学部教授務めていた岸本英夫である。岸本館長就任にあたって親交のあったチャールズ・B・ファーズ当時ロックフェラー財団極東関係人文・社会科学緊急援助担当官戦前には東京帝国大学への留学経験もあった)に相談して図書館徹底的な改革決意し総長に対して図書館改革へのバックアップ求めた就任後6月にはロックフェラー財団において図書館改善のための調査費等約1,000万円寄附決定され岸本館長7月から9月まで、また幹部職員3人が11月から12月にかけて渡米しアメリカ先進的な大学図書館視察した9月28日臨時調査室設置されて、同年中は中央図書館のみならず各部局図書館含めて東大図書館全体に関する調査進められた。翌1961年昭和46年2月3月には、アメリカからキーズ・D・メトカフ英語版)(ハーバード大学図書館英語版)で18年館長務め在任中に同大学の全学図書館機構再建成功していた)を招聘して、助言得た5月までに改善計画案が完成し6月評議会承認された。 図書館改革は、「もはや、図書しまっておく場所ではない、図書をひろく、効果的に読ませる利用させるような働きをする」近代的大学図書館実現し、「全学教授学生研究者のすべてが、全学すべての図書を、たやすく利用できるように」するといった目的意識基づいていて、計画の焦点として岸本は「全学総合図書目録130万枚(ユニオンカタログ)の作成」「東大機構としての附属図書館体制確立、および部局図書館連絡調整」「指定制度強化」「総合図書館中央図書館新名称)の近代的改装」の4項目を挙げている。ここではその内中央図書館総合図書館)に関連する事項取り上げる。 ユニオンカタログについて、当時東京大学は、10学部14附置研究所250冊の蔵書有していたが、これら全て対象とした目録存在しなかった。中央図書館には自館および8学部教養学部農学部以外)の蔵書カバーするカード目録存在していたが、全学所蔵され図書に対してカバー率は半分程度であった全学所蔵されている図書総合的な利用をはかるために、全学総合目録作成必須であった。この作業は各図書室カード目録の状態調査から始まり次いで教養学部農学部および各附置研究所目録カード70万枚撮影が行われ、撮影されフィルムボストンゼロックス社に送られカード複製された。このカード加筆修正行った上で全学総合目録として整備され総合図書館設置された。カード目録機能OPAC移動した現在、更新行われていないものの、全学総合目録引き続き大階段下に設置されている。 総合図書館建物改装は、「モニュメントとしての性格強く表現している」図書館を、「利用者本位機能的な近代的な図書館つくりかえる」ことに主眼をおいて取り組まれた。大きな動きとして、利用者一般に対す施設1階下ろしたことが挙げられる図書館3階を主階として造られていて、閲覧室出納台など、利用者対す施設専ら3階集約されていたため、利用者入館するとまず大階段3階まで上がらなければならなかった。1階入口両脇には記念室新聞雑誌閲覧室設けられていたが、前者賓客迎え一室として用いられていて、利用者には開放されていなかった。そのため1階利用者利用できる空間は、ほぼ新聞雑誌室のみであった。この状況改善するため、まず書庫通ず出納台を1階大階段裏に移し天井の高い新聞雑誌閲覧室には中2階を設けて学生閲覧室とし、1階参考室充て従来開放されていなかった記念室は自由閲覧室として利用者開放されることとなった当初予定では記念室にも中2階を設け予定があったが、これは実現しなかった。ほか、3階北側一般閲覧室一部書架設置し開架閲覧室とし、4階は下階からの吹き抜け塞いで専門閲覧室としてのアジアセンター、外国法資料センター閲覧個室設置地階改装行って書庫収容冊数増加を図るなど、館内全体わたって根本的な改修が行われた。 岸本館長就任以前から癌との闘病行っていたが、11月15日外国法文献センター開設出席後は自宅療養となり、12月8日東大病院入院した後、翌1964年昭和39年1月25日黒色腫のため死去した2月6日には総合図書館で超宗教による附属図書館葬が営まれ正面大階段上った先の3階ホール祭壇設置された。図書館界や大学文部省関係者のほか、岸本専門としていた宗教学関係者、さらに学生など1,500人が参列した

※この「岸本館長下における近代化の取り組み」の解説は、「東京大学総合図書館」の解説の一部です。
「岸本館長下における近代化の取り組み」を含む「東京大学総合図書館」の記事については、「東京大学総合図書館」の概要を参照ください。

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