外国法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 05:09 UTC 版)
「サンドラ・デイ・オコナー」の記事における「外国法」の解説
オコナーは、アメリカにおける司法判断において外国法を引用することを強く支持した。2003年10月28日に南部国際法研究センター(Southern Center for International Studies)で彼女が行ったスピーチは有名である。 この世界で我々が与える印象は重要なものであり、歴史に足跡を残すものです。現在、「法的関係の国際化」が論じられており、これはアメリカの裁判所でも現実に起こっていることですが、この傾向は今後も強化されるべきであります。勿論、これは、裁判所がその機関としての内国性を放棄すべきだという意味ではありません。しかし、他の国や国際的コミュニティが達した結論は、形式的には我々の判断にあたり強制力を持つものではありませんが、時によってはアメリカの裁判所でも参考にすべき先例として扱うべきであります。これは、「国際的法治主義(trans judicialism)」とでも呼べるものです。 このスピーチの中で、彼女は、2003年のアトキンス対バージニア事件(Atkins v. Virginia, 536 U.S. 304 (2003))に触れた。この事件において、オコナーを含む多数意見は、知的障害者の処刑を違憲としたが、その根拠の一部としてヨーロッパにおける死刑の廃止を引用していた。 このスピーチのように、外国の法律や判決に依拠するという立場に対しては保守派からの批判がある。2004年5月には、アメリカの独立を再確認する決議と称する、強制力のない決議が 連邦下院を通過した。同決議によると、「外国の法律や判例、または外国政府の表明する意見は、それらがアメリカの憲法や法律の意味するところを決定するにあたって関係がある場合を除いて、アメリカの法律判断の根拠となるべきではない。」 オコナーは、中東の国、バーレーンの憲法の次の規定を引用したことがある。「裁判官の判断に優先する権力はなく、いかなる場合にも裁判手続に対する干渉があってはならない。」さらに、オコナーは、「法の支配という考え方の進化発達を醸成することは全ての者の利益になる。」として、アメリカのロー・スクール、高校、大学はこうした考え方を教えるべきだと主張している。これに批判的な者は、そうした考え方は合衆国憲法に反するもので、法の支配ではなく、人の支配を重んじるものだとしている。 しかし、オコナーは、引退後も、裁判官の独立の問題に関する会議を組織し、スピーチを続けている。
※この「外国法」の解説は、「サンドラ・デイ・オコナー」の解説の一部です。
「外国法」を含む「サンドラ・デイ・オコナー」の記事については、「サンドラ・デイ・オコナー」の概要を参照ください。
「外国法」の例文・使い方・用例・文例
- 外国法のページへのリンク