緊急援助
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/03/31 06:24 UTC 版)
バムの建造物の崩壊前(上)・崩壊後(下) 緊急援助は、人為的かそうでないかを問わず、不測の事態などによって重大な危機が迫っている、もしくは迫ることが予測される物件に対して適用される。たとえば、バムの大地震で主要建造物のほとんどが崩壊したバムとその文化的景観(イラン、2004年登録)の場合、緊急援助として5万ドルが拠出された。また、構成資産の主要部分が2010年に焼失してしまい危機遺産リストに加えられたウガンダのカスビのブガンダ歴代国王の墓(2001年登録)、2010年の大地震で被害を受けたハイチ唯一の世界遺産シタデル、サン=スーシ城、ラミエール国立歴史公園(1982年登録)などでも緊急援助が適用されているほか、1999年以降、国内の世界遺産がすべて危機遺産になっているコンゴ民主共和国の世界遺産に対しては、個別にも全体にもたびたび緊急援助が行われている。緊急援助は当該国の申請を踏まえて拠出されるが、先進国からの申請はほとんど見られない。 なお、財政規模が限られる中では緊急援助に当てられる額にも限度があるため、ターリバーンによって破壊されたバーミヤン渓谷の文化的景観と古代遺跡群(アフガニスタン、2003年登録)のように大規模な修復が必要になる場合、緊急援助に加え、国際的な救済キャンペーンを展開し、広く協力を募る場合もある。
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