小矢部川とは? わかりやすく解説

小矢部川

万葉ふるさと共生する小矢部川
小矢部川の源流は、富山・石川県境にある大門山(だいんもんざん:標高1,572m)です。山峡の地を離れ砺波平野出た小矢部川は、東側位置する庄川扇状地扇端西側にある山々との間を曲がりくねり、数々支川合流しながら高岡市西側貫流し日本海流れます。その長さは68km、流域面積は667km2です。

万葉のふるさとと共生する小矢部川
万葉ふるさと共生する小矢部川

河川概要
水系小矢部川水系
河川名小矢部川
幹川流路延長68km
流域面積 667km2
流域内人30万人
流域関係都県富山県、石川県

小矢部川流域図
○拡大図
1.小矢部川の歴史
"小矢部川は明治末期まで庄川支川であり、河口付近庄川合流していたため、小矢部川に洪水被害もたらしていました
明治時代から大正時代にかけては、庄川改修工事事業あわせて分水路開削が行われ、庄川分離したことで庄川流水による破堤による水害なくなりました。"

万葉の歌人家持」が詠んだ悠久流れ

大伴家持の像
大伴家持の像
小矢部川の名前は、小矢部市の上流に小矢部というがあったことに由来し、「万葉集」に詠まれている射水川は、小矢部川であると言われています。

朝床(あさどこ)に 聞(き)けばはるけし 射水川(いみずがわ) 朝漕(あさこ)ぎしつつ うたふ舟人(ふなびと)


奈良時代に、越中の国国守(こくしゅ)(現在の知事大伴家持(おおとものやかもち)が詠んだ歌です。射水川とは、庄川合流していた小矢部川のことで、当時は今よりも水の量が多く流れゆったりしていたため、むかしから、舟の往来盛んだった考えられます。家持は、越中の自然や人々愛し、「万葉集」に多くの歌を残しました
庄川旧河道図
庄川旧河道
小矢部川は、古くから明治末期まで、河口付近庄川合流していました江戸時代地図によると、庄川扇状地扇頂付近から、幾筋もの庄川分流砺波平野流下し、その流末は、小矢部川に注いでいましたこのため庄川洪水影響多大に受けていました

松川除
松川
戦国時代には、庄川洪水分流流れ込み、小矢部川に大きな被害もたらしたので、洪水被害少なくするため、寛文10年(1670年)から加賀藩が、庄川扇状地扇頂付近弁財天付近)で、庄川分流せき止めるための堤防工事行い分流庄川から分離されました。この工事によって、砺波射水平野新田開発一段と進みました。このときつくった堤防松川除(川除(かわよけ):当時堤防の事を川除呼んだ。)と呼ばれてます。
2.地域の中の小矢部川
"小矢部川中流域は、小矢部市福岡町市街地近接した小矢部川の河川敷利用したさまざまなイベント開催され多くの人に利用され親しまれています。
小矢部川の河口には、重要な国際港「伏木富山港」が開かれ日本海側でも有数工業地帯となってます。"

地域社会とのつながり

小矢部川の源流は、富山県石川県県境にある大門山(だいもんざん)です。川は標高1,572mのこの山から富山県西端にある山々沿って流れ日本海注ぎます富山県の川はほとんどが高い山から流れ下る流れ速い川(急流河川)ですが、小矢部川は川の長さの約70%が平野流れているので、県内ではめずらしい緩やかな川(緩流河川になってます。

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 縄ヶ池の水芭蕉
縄ヶ池水芭蕉
小矢部川上流域は、石川県付近に医王山県立自然公園指定されており、城端縄ヶ池においてはきれいな水がある場所に咲くミズバショウ群生地となってます。標高1,000m以下の低地における群生地珍しく富山県天然記念物指定されるほど自然が豊かな地域です。

小矢部川中流域は、小矢部市福岡町市街地近接した小矢部川の河川敷利用したさまざまなイベント開催してます。花菖蒲まつり(小矢部川河川公園)、津沢花火大会つかみどり大会(湯道丸(ゆどうまる)川親水公園)などで利用され親しまれています。
花菖蒲まつり(小矢部川河川公園) 鯉のつかみどり大会(湯道丸川親水公園)
花菖蒲まつり(小矢部川河川公園)つかみどり大会(湯道丸川親水公園)
3.小矢部川の自然環境
"大きく蛇行し富山県内の一級河川では唯一の緩流河川です。
植生は、下流域では直立する河岸が続くためまとまった植生見られませんが、上流は、両岸比較安定し高水敷ヤナギヨシ等が見られます。
魚類は、県内河川中でも魚種の多い川で、タカハヤオイカワウグイイトヨトミヨ生息してます。
昆虫類は、ハッチョウトンボタガメ、クロムラサキ、トヤマオサムシ等が河川敷及びその周辺生息してます。 "

小矢部川源流付近は、地形がかなり急峻で、流路急勾配各所小規模砂防堰堤施工されています。一方下流域庄川運んだ砂礫からなる扇状地であり、小矢部川は、この扇状地形成とともに西側山麓押しやられ、扇端付近に沿って大きく蛇行し富山県内の一級河川では唯一の緩流河川です。

蛇行する小矢部川


植生は、河口から城光寺橋付近までの区間直立する河岸が続くため、まとまった植生見られません。これより上流両岸比較安定した河川敷をもち、ヤナギヨシ等の自然性の高い植生見られます。
小矢部川の高水敷
■小矢部川の高水敷
魚類は、小矢部川は県内河川中でも魚種の多い河川であり、最上流の刀利ダム上流付近には、ウグイカジカ生息多くまた、タカハヤオイカワ各区間にみられ、イワナアジメドジョウ生息してます。小矢部大堰下流では、ウグイオイカワ等、この川筋で最も多く種類生息してます。中・下流部にはオイカワウグイ等ののほか、貴重種であるイトヨトミヨ生息してます。
昆虫類貴重種としては、ハッチョウトンボタガメ、クロムラサキ、ヒゲブトグンバイ、トヤマオサムシ等が、河川敷及びその周辺生息してます。
4.小矢部川の主な災害

発生発生原因被災市町村被害状況
昭和28年9月 台風13号
流出家屋5棟
民家破損47
浸水家屋9,186
昭和39年7月梅雨前線高岡市
小杉町
小矢部市
蛎波市
新湊市
福光町
井波町
床上浸水556
床下浸水2,584
昭和49年7月梅雨前線高岡市
福岡町
福野町
城端町
床上浸水11
床下浸水170
平成2年9月台風19号高岡市床下浸水29
平成10年9月台風7号高岡市床下浸水32棟、床上浸水1棟

(注:この情報2008年2月現在のものです)




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