学術・広報映画作品
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/09 08:06 UTC 版)
藤沢薬品が企画した学術・広報映画作品のうち、以下に列挙する作品については、現在、『科学映像館』に於いて無料公開されている《一部、他社との共同企画作品も存在する》。 『アレルギー』 1970年、ヨネ・プロダクション。カラー・24分。パドヴァ大学国際科学教育映画祭ブロンズ牛頭賞(1971年)。日本医師会推薦。 体内に侵入した異物に反応する細胞免疫および液性免疫の働きを見ると共に、この免疫反応が時に生体を障害するアレルギーに転ずる機序について検証。進藤宙二・東京大学名誉教授および大島良雄・東京大学医学部教授の監修、日本アレルギー協会の後援の下で製作。解説役(ナレーター)は城達也。 『脳と潰瘍』 1971年、ヨネ・プロダクション。カラー・22分。ベルリン医学映画祭グランプリ・ゴールドメダル(1973年)ほか。文部省選定、日本医師会および優秀映画鑑賞会推薦。増田正典(京都府立医科大学)監修。解説役(ナレーター)は城達也。 『セファメジン』 1971年、ヨネ・プロダクション。カラー・20分。 1945年にイタリアで発見された「セファロスポリウム」と称するカビから抗生物質をつくり出す為の研究を1960年に日本で初めて藤沢薬品に於いて着手、製作前年(1970年)に日本初のセファロスポリン系抗生物質「セファメジン」を生み出すに至るまでのプロセスを紹介。当該映画作品の開始から約2分25秒後のところで登場する「フジサワ薬品 富士工場」に於いて抗生物質「セファメジン」が開発された《「フジサワ薬品 富士工場」は、その後「静岡フジサワ」、「アステラス静岡」、「アステラス・ファーマ・テック富士工場」等を経て、2017年10月1日より「日医工 静岡工場」として存在する》。 『感染』 1972年、ヨネ・プロダクション。カラー・19分。 黄色ブドウ球菌を例にとって感染による体内の反応などを観察すると共に、抗生物質・セファロスポリンの同菌への作用の観察も行っている。上田泰(東京慈恵会医科大学)監修。一柳慧が音楽を手がけ、城達也が解説役(ナレーター)を務めている。 『免疫を探る』 1979年、ヨネ・プロダクション。カラー・30分。 免疫の機構に焦点を当てて製作。当該作品では、細胞性免疫の中でリンパ球の果たしている役割を顕微鏡撮影によって追究したり、また「細胞融合」によってリンパ球の機能を拡大した新しいリンパ球と呼ぶべき細胞が誕生しつつある姿を観察したりしている。 『命と血管』 1981年、ヨネ・プロダクション。カラー・27分。 血管を形作る内皮細胞と平骨筋細胞は、内外からの刺激に反応して血管の流れを調節する一方、リポ・タンパクの粒子LDL(コレステロール)を取り込む。この粒子は血管を支えるのに必要な因子である一方で、血管を傷める原因にもなるといわれる。当該作品では、ストレスなどの刺激に反応する血管の様子と、LDLと血管の関わりについて観察を試みている。 『THE BONE』 1982年、ヨネ・プロダクション。カラー・17分。帝人医薬(現・帝人ファーマ)との共同企画。 骨の形成と破壊を繰り返す代謝の有様を観察。折茂肇(東京大学医学部)他3名の監修。一柳慧が音楽を手がけ、小林恭治がナレーターを務めた。 『THE BONE II』 1986年、ヨネ・プロダクション。カラー・21分。帝人医薬(現・帝人ファーマ)との共同企画。第4回メディキナーレ国際医学科学映画祭秀作賞・優秀撮影賞ほか。 前出『THE BONE』が骨自体の様子を観察することが主眼だったのに対し、当該作品では生体内に於ける骨の役割についてより広く示されている。折茂肇(東京大学医学部)他1名の監修、前出『THE BONE』と同じく、一柳慧が音楽を手がけ、小林恭治がナレーターを務めている。 なお、当該作品には色合い調整を経てHD化されたバージョンが別に存在する《内容は同一》。 『潰瘍の成因と治療-シメチジンの役割-』 1983年、ヨネ・プロダクション。カラー・25分。スミスクライン(現/グラクソ・スミスクライン)との共同企画。日本医師会推薦。 胃酸分泌を抑える働きをするシメチジンの、その様子を具体的に観察。長尾房大(東京慈恵会医科大学)他2名の監修。『鉄腕アトム』で使用された効果音を手がけたこと等で知られる音響デザイナーの大野松雄が音楽を担い、小林恭治がナレーターを務めた。 『動脈硬化~カルシウムとのかかわり』 1989年、ヨネ・プロダクション。カラー・17分。 動脈硬化の病巣のもととなる平滑筋細胞の素性とカルシウムイオンの関係について観察。折茂肇(東京大学医学部)監修。城達也がナレーターを務めた。 なお、当該作品には英語版(題名『Calcium and Arterial Wall』)が存在する。
※この「学術・広報映画作品」の解説は、「藤沢薬品工業」の解説の一部です。
「学術・広報映画作品」を含む「藤沢薬品工業」の記事については、「藤沢薬品工業」の概要を参照ください。
- 学術広報映画作品のページへのリンク