大正中期の世界
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 01:36 UTC 版)
大正中期。帝国陸軍では奇才・綾小路博士の指揮の下鋼鉄天使計画と呼ばれる人造人間兵器の開発計画が始動していた。しかし、博士は自らの研究成果が戦争に使われ、鋼鉄天使たちが人殺しの兵器となる事に耐えられず、自ら事故死を装い開発中の鋼鉄天使2体と共に失踪してしまう。 一方、日本最強と言われる陰陽師の家系に育つ神維仲人は、その家名ゆえに同級生たちからいじめられていた。ある時、仲人はその一環として幽霊屋敷の肝試しに無理矢理引っ張り込まれる。しかし、廃墟と思っていたそこは綾小路博士の隠れ家であった。仲人はそこで呪符にまみれた怪しい機械と、その中に眠る少女・くるみを見つける。 それを前後に屋敷が激震し、その拍子に仲人は倒れてきたくるみにキスをしてしまう。強力な潜在能力を持つ術者が口づけを媒介として鋼鉄天使に呪力を吹き込む時、鋼鉄天使は術者をマスターと認め、これを守護する。かくて、くるみは仲人を主人とする鋼鉄天使として起動した。 屋敷を襲ったのは、陸軍で綾小路博士の部下であった天城博士だった。彼女は綾小路博士失踪後に鋼鉄天使計画を推進していたが、その完成を果たす事ができず、綾小路博士を必要としていた。屋敷にいた綾小路博士と共に逃げる仲人とくるみ。一方で天城博士は屋敷の破壊跡から起動されなかった鋼鉄天使弐号機・サキと、いまだ鋼鉄天使に組み込まれていなかった鋼鉄天使の心臓回路、感情生成型パワーアクセラレーターであるエンゼルハートを2つ見つける。 陸軍と天城博士は高名な科学者ブランドー博士に協力を依頼。サキを起動させくるみにぶつける。しかし、そのドサクサをついて綾小路博士はブランドー博士にさらわれる。ブランドー博士は、実は綾小路博士のライバル、ワルスキー博士の変装だった。そしてワルスキーは軍からくすねた2つのエンゼルハートを使い、自らの研究成果である人造生命術師ミハエルを主人とした鋼鉄天使カリンカを創り上げる。 綾小路博士を助けるために天城博士と仲人は軍をバックアップとした共闘を開始した。が、2つのエンゼルハートを持つカリンカは出力だけではくるみやサキの二倍の力を持つ。サキは倒されくるみも手が出ず、あわやピンチと思われたその時、既にくるみを姉と慕っていたサキは自らのエンゼルハートをくるみに移植するよう申し出る。サキはくるみの願いを叶えるため。くるみは仲人を護るため。二人の想いは奇跡を起こし、エンゼルハートの力によって融合する。 かくてカリンカを退けたくるみとサキの2人。ワルスキーの居城に乗り込む。しかし、綾小路博士は依然、行方不明のまま。それどころか、加賀とよばれる謎の鋼鉄天使まで登場する。カリンカは結局、仲人たちの預かりになったものの、事態は想像を絶する方向へと動いていく。 実は鋼鉄天使計画の技術は、謎の組織アカデミーの手によって各国に流布されていたものだった。加賀はアカデミー直属の鋼鉄天使だった。そして、そのアカデミーは各国にて発展した鋼鉄天使の技術をぶつけ合い切磋琢磨させる場として鋼鉄ファイトを提案。ファイトに優勝した国に、さらなる技術を与えると約束した。 日本ではこれに海軍が名乗りを上げた。神維家と勢力を二分する陰陽師家系・神宮寺家が海軍と協力して創り上げた鋼鉄天使・葵。紆余曲折の末に、くるみたちは彼女と協力してファイトの勝ち抜きを目指すと思いきや、仲人大事のくるみたちと、戦いの嫌いな仲人はそんなことなどお構いなしに日々を過ごす。ところが、どうしてもくるみたちの愛の力を求める者たちがいた。加賀をはじめとするアカデミーである。アカデミーは仲人に綾小路博士の行方を自分たちが握っている事を伝え、鋼鉄ファイトへの参戦を要求してきた。仲人は天城博士の綾小路博士への思いを慮り、参戦を決意する。 過熱していく鋼鉄ファイト。ところが、その最中、謎の悪意ある存在がファイトを脅かす。魔属。アカデミーは彼らをそう呼んだ。そしてアカデミー中枢までたどり着いた仲人たちは、そこで綾小路博士に再会する。そして綾小路博士は、アカデミーを指揮していたのが彼であること、仲人たちと共にいた綾小路博士は、日本に鋼鉄天使技術を供与するために自ら作り上げた別人格であったこと、そして自らが未来人であり、遠い未来に人類を滅ぼす魔属に対抗するため、歴史を変えるためにこの時代にやってきたことを明らかにした。 アカデミーを襲う魔属。くるみたちは必死に抵抗する。しかし、その核となる人物が仲人である事に気付いた魔属は、仲人に死に至る呪いを打ち込み、自分は時の扉を開いて遥かな未来へと逃亡する。仲人が助かるには、自分たちも未来へ行くしかない。そう聞かされたくるみたちは仲人と共に魔属を追って時の扉の中へと飛び込んでいった。
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