国防軍の成立とは? わかりやすく解説

国防軍の成立

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 01:52 UTC 版)

ナチス・ドイツの軍事」の記事における「国防軍の成立」の解説

英独海軍協定英語版)」および「ラインラント進駐」も参照 1935年2月26日には陸軍総司令部(OKH)、海軍総司令部(OKM)(ドイツ語版)、空軍総司令部(OKL)(ドイツ語版)が設置され陸軍・海軍空軍三軍編成確立された。3月16日には徴兵制施行宣言されヴェルサイユ条約での軍備制限条項破棄事実上宣言された。同時に国軍ドイツ語: Reichswehr)は国防軍ドイツ語: Wehrmacht)に改称された。また、5月には国防省ドイツ語版)(ドイツ語: Reichswehrministerium)も「戦争省(Reichskriegsministerium)」と改称されている。7月1日には兵務局参謀本部改称したヒトラー再軍備規模を「海軍イギリス35%、陸軍フランス対等空軍イギリス対等」と指定し陸軍空軍軍事予算大半振り向け1935年軍備予算822300ライヒスマルクのうち、陸軍40ライヒスマルク空軍33ライヒスマルク設備資材1億6300ライヒスマルク)、海軍は7億6000ライヒスマルク軍事予算の一割弱の配分であった再軍備の際に決定され平時陸軍規模12軍団36師団と、50万人規模であったこうした動き連合国反発し英仏伊はストレーザ戦線呼ばれる連合行って反発したが、これは強力なものではなかった。イギリスと強い連携をもつべきと考えていたヒトラー特使ヨアヒム・フォン・リッベントロップイギリス派遣し6月18日英独海軍協定英語版)を締結した。これはイギリスヴェルサイユ条約超えたドイツの再武装公認したということであり、フランスをはじめとした各国大きな衝撃与えたフランスソ連小協商協調する東方ロカルノ」の構築に動くが、その結果はかばかしくなく、二国間条約である仏ソ相互援助条約英語版)の締結とどまった。またイタリア第二次エチオピア戦争開始によってストレーザ戦線から離脱し、「ベルリン=ローマ枢軸」と呼ばれるドイツとの連携模索し始めたヒトラーこの様子を見てヴェルサイユ条約によって非武装地帯とされ、前年まで連合軍駐屯していたラインラントへの進駐考えようになった1936年3月7日、仏ソ相互援助条約締結口実としてドイツ軍ライン川越え非武装地帯への進駐果たした。この時期ドイツ軍極めて弱体であり、ヒトラー危険な賭であると認識していたが、連合国は動かなかった。またドイツ7月から始まったスペイン内戦に「義勇兵」として空軍部隊コンドル軍団戦車部隊派遣し大きな戦果経験獲得した。ただしヒトラーフランスイタリア対立煽るために内戦継続希望しフランコ圧勝望んではいなかった。 一方で国防軍軍備拡大構想していた。8月1日にはフリードリヒ・フロム兵器局長がドイツ軍動員計画8月計画」をブロンベルク国防相提出した。この計画書では1940年段階平時兵力83万人、3個の機甲師団を持つ陸軍編成し有事動員兵力462万人という極めて大規模な要求であった。この大規模な人員増加により、以前から軍に属していた軍保守派影響力低下しつつあった。ナチス政権獲得時の陸軍現役将校4000人ほどであったが、1937年には25000人に達していた。彼らはナチズム影響強く受けており、旧来の幹部権威通じにくくなっていた。しかし国防軍側は兵役間中党活動禁止する方針継続し退役兵士構成される国家社会主義兵士連盟設立反対し、これを中止させるなどナチ党影響力増大阻む動き行っていた。 またこれらの軍拡支え軍事中心経済運営経済過熱招き食糧原料の輸入困難になった。原料逼迫工業能率下げ軍備拡大テンポ目に見え低下したヒャルマル・シャハト経済相軍事支出抑制主張したが、さらなる軍備拡大臨んだヒトラーシャハト解任し、9月9日ニュルンベルク党大会ゲーリング責任者とする「四カ年計画」を始動させた。四カ年計画においては各軍物資自給化が要請され、また短期債によるさらなる軍備拡大が行われるなど、軍事的色彩の濃いものであったヒトラー8月秘密覚書の中で「4年以内戦争ができる体制」を作る記している。しかし戦時経済体制構築は困難を極め資源イデオロギーなどの障壁によって十分な成果得られなかった。

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