国家指導とは? わかりやすく解説

国家指導

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/06 08:52 UTC 版)

ジェファーソン・デイヴィス」の記事における「国家指導」の解説

1862年6月戦争激化する中で主要戦線一つである北バージニア戦線総司令官ジョセフ・E・ジョンストン大将負傷する事態発生した時、恐らく人事面で最も成功した決断となるロバート・E・リー大将北バージニア軍抜擢する決断下したそれまで大きな役割与えられていなかったリー将軍北軍に対して大きな軍事的功績上げ戦局大きく覆す勝利を得た気難しく周囲閣僚高官達を信任しなかったデイヴィスはしばし独断戦争政策取り決めたが、リー将軍提案に関して信頼寄せ、これを容認する事が多かった1862年12月デイヴィスは自ら西部戦線前線視察して、兵の閲兵を行うなど前線士気を鼓舞する為に労を払った。彼は連合国国家資源国力の面でそもそも合衆国大きく差を付けられている事を理解しており、連合国合衆国から対外的な独立維持するには危険な攻勢には転じず、徹底して戦略的防御徹し続ける事が唯一の方策であると結論していた。デイヴィスこうした持久主義連合国軍基本路線となり、特に輸送路の要である首都リッチモンド防衛には全力を注がねばならない考えていた。しかし南軍優勢に転じて合衆国政府動揺広がるのを目の当たりにすると、次第デイヴィス首都ワシントン占領による講和という短期決戦論に傾き始め、軍による攻勢計画承認する決断下した。そして攻勢計画戦力に勝る北軍前に頓挫して、アンティータムの戦いゲティスバーグの戦い破局迎え結果となった1863年8月リー将軍二度亘る攻勢作戦失敗から退任を自ら申し出たが、デイヴィスリー慰留する事に努めた歴史学者達の幾人かは、デイヴィス人事面で実力有無より自身信頼するか否か決断下した事と戦時下での経済拡充最初から放棄していた事を適切な国家指導ではなかったと指摘している。戦争後期までデイヴィス連合国大統領が軍の最高指揮官兼ねる事を必要視し、効率面から連合軍最高司令官職を創設すべきとする意見却下し続けた1865年1月31日になって漸くデイヴィス信任するリー将軍連合軍最高司令官任命したが、余りにも遅すぎる決断であった。またデイヴィス持久戦備えて或いは郷土防衛色合いが強い南軍結束失わないように、南部連合国領土出来る限り失わない配慮をしたが、これはデイヴィス自身理解していた連合国乏し資源を更に分散させる事と同義であった。更に当初持久路線支持する論者からは最終的にリー将軍説き伏せられる形で攻勢計画転じ、軍の短期決戦論を抑えられなかったと批判される傾向にある。 恣意的な人事について米墨戦争以来盟友であるブラクストン・ブラッグ将軍を、重要な会戦失策犯して司令官たちの信頼失っているにも関わらず交代させることを却下している。逆に実績があるものの反りが合わなかったジョセフ・ジョンストン将軍更迭してジョン・ベル・フッド将軍テネシー軍司令官任命している。後にフッドアトランタ失陥テネシー軍壊滅という失態犯し、後に再任されたジョンストン将軍は「ウィリアム・シャーマン将軍率い北軍撃破せよ」との命令対し打撃受けた自軍では「シャーマン悩ます程度の事しかできない」と返答している。 内政面ではデイヴィスは自らも退役将官という事もあり兵士士官への閲兵激励労を厭わない一方国民向けて熱心な演説を行う事は余りなかった。戦争通じて高まりつつあった連合国国民としての一体感国家主義的な雰囲気を、デイヴィス有効に活用する事をしなかった。デイヴィス民衆奮い立たせる様な演説を得意とせず、代わりに運命に従って死に向かうように諭す事が多かったデイヴィス二度亘る前線へ閲兵除けば派手な示威行為を殆ど行わずリッチモンドでの実務情熱傾けていた。新聞などの報道機関未発達で、地方では十分に首都における大統領動向広める事ができず、戦局悪化するにつれて大統領へ不信感根付かせることになった。また国内戦時経済日に日に悪化していき、1863年4月には首都大規模な食糧暴動発生している。デイヴィス気難しさ最も近い立場である筈の副大統領アレクサンダー・スティーヴンズとの口論まで生み出した独立心旺盛さから南部連合加わった各州政治家達との協議も、柔和さ欠けデイヴィスとの論争暗礁に乗り上げることが多かった

※この「国家指導」の解説は、「ジェファーソン・デイヴィス」の解説の一部です。
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