兵器・設定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/12 06:39 UTC 版)
「ナイトウォッチ三部作」の記事における「兵器・設定」の解説
ナイトウォッチ (Night Watch) 人類が作り上げた最強の超光速戦闘機。別名<夜を視るもの>。 「相剋渦動励振原理」に基づく「時空切断航法」によって光速の約5000倍のスピードでの航行が可能(船体そのものは光速の70%程で、時間そのものを7000倍に加速している)。機体の内部に進むにつれて時間の流れを変化させる技術(時空切断航法)を採用し、「コア」と呼ばれる操縦者は超光速の稼動にも対応可能となっている。 外観は基本的に骨格標本のつぎはぎのようで、骨細工のような姿。全長は260mほど。武装はヌル爆雷、界面バスター、亜空間ブラスター、強重力子メギド、エグゼ粒子弾などで威力はいずれの武器も原水爆の数千兆倍以上であり、数発で太陽系サイズの星系ならば容易に消滅させる。他に空間消滅させる攻撃や、亜空間への転移攻撃なども可能。また、半径777億7777万7777kmの空間認識能力や瞬時に機体を修復する機能を有する。 コアと呼ばれる直接の搭乗者の他に、もう一人スタビライザー(精神安定装置)と呼ばれる人間が存在しており、基本的にシステム上は二人組となる。また、軽量機であるトワイライトクラスや、初期型にはデザインの異なる人型も存在している。極めて強力な戦闘能力を誇る兵器でありながら、有人のシステムを採用された背景は、人類全体のフランケンシュタインコンプレックスの顕在化の結果であった。 なお、『冥王と獣のダンス』(電撃文庫)において枢機軍によって使用されていた旧時代の遺物である自動生産・プラントプルートゥは、虚空牙に敗れ、地上に墜落したナイトウォッチの一機である。これによればナイトウォッチにはサブシステムとして、移住惑星を開拓するための自己生産機能が搭載されていたことが判明している。本来恒星間戦闘と移動を行う機体であるため、エネルギー量は尋常ではなく、一機で地上の生産を数千年は余裕で賄うことが可能であった。 名称の由来はジェイムズ・イングリス著の『夜のオデッセイ』の原題"Night Watch"から。 虚空牙(こくうが) 「天敵」と人類が定義付けた存在。100m程の光の巨人の姿を取っている。戦闘能力はナイトウォッチを軽くあしらえる程であり、工藤兵吾が現れるまでは事実上、人類には互角以上に戦えた例は存在しなかった(マイロー・スタースクレイパーは特殊存在であるため除外する)。 その正体は不明であるが、ヒトが持つ「心」にのみ興味を持ち行動を起こしている。本人達によれば「神=全能者」ではない(「心」の存在意義への疑問を内包しているため)とのこと。しかし、相克渦動励振原理によって不可能であると証明されている、時間の超越や逆行も容易に行っており、基本的にあらゆる事象を起こせる様子。 人型を取っているのは人類が敵愾心を失わず、かつ敵として認識し易いようにとの配慮である。初期の襲来では人類側からのコミュニケーションはことごとく無視しており、また2000億人程にまで膨れ上がっていた人類を、数年で3億人以下にまで減らした。ただし彼らに殺害したという感覚、概念は存在しておらず、虚空牙自身はただ興味を持って人間を弄っただけだった。その後は、人類がギリギリのところで生き延びれるようにと、戦闘においても決して壊滅しないように手心を加えたり、「人類の守護神」マイロー・スタースクレイパーを人類に送り込んだり、と様々な便宜を計っていた。人類側からは「天敵」として共通認識されているが、実際には虚空牙にとって人類はそういった比較対象にすらなっていないのが実情であり、そのことに気付いている人間はほとんどいない。 『ブギーポップシリーズ』や『ソウルドロップシリーズ』(祥伝社)においても彼らの送り込んだ存在は登場しており、各々の作品においてヒトの心を知るための行動を見せている。 ジャイロサイブレータ(多層次元集積演算機) 人類を運び、超光速で航行しているカプセル船のコアシステム。恒星間の観測記録と軌道修正計算をしている。また舞台となる「世界」を過去のサンプルから読み出し、再現しているシステムでもある。 カプセルボート980の最上位制御システムであり、人類史上最も長期間に渡って連続稼動している機械の一つ。月や様々なコロニーに存在しており、『ぼくらは虚空に夜と視る』に登場したものは5000年以上もの間稼動し続けている。 『ヴァルプルギスの後悔』(電撃文庫)に登場した魔女ヴァルプルギスによれば、ジャイロサイブレータの高度な演算能力であれば、ヒトの魂にも近い何かに近づいており、"サイレンの海"に訪れることも可能かも知れないと語られていた。
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