こんじゃくものがたりしゅう〔コンジヤクものがたりシフ〕【今昔物語集】
今昔物語集
読み方:コンジャクモノガタリシュウ(konjakumonogatarishuu)
こんじゃくものがたりしゅう 【今昔物語集】
今昔物語集
主名称: | 今昔物語集 |
指定番号: | 273 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 1996.06.27(平成8.06.27) |
国宝重文区分: | 国宝 |
部門・種別: | 書跡・典籍 |
ト書: | |
員数: | 9冊 |
時代区分: | 平安 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 『今昔物語集』はわが国最大の説話集で、その成立は十二世紀前半と考えられている。 この京都大学図書館所蔵になる鈴鹿本は、現存『今昔物語集』諸写本の祖本として著明な古写本で、巻第二・五・七・九・十・十二・十七・廿七・廿九の九巻分を存する。体裁は大判の袋綴冊子本で、近年の修理になる新補朽葉表紙を付している。原表紙は料紙共紙で外題はなく、本文料紙は楮紙に天単罫の押界を施している。各冊首に「今昔物語集巻第『幾』」と首題を掲げ、一字下げに部立を記し、ついで各標目を一行(巻十七は二段)に書すが、この「今昔物語集」の書名は本書によってのみ確定できるものである。本文は「今昔」で始まり、半葉一一行、行およそ二八字前後に「トナム語リ伝ヘタルトヤ」の形で統一された宣名書の片仮名交り文で、片仮名は小字で右寄せまたは割書し、文中には黒仮名点、声点が付されている。書写奥書はないが、その大判の体裁や料紙、書風等よりみて、鎌倉時代中期の書写本と認められる。 本書の本朝部諸本の一部には、後筆で「総六丸」の披見識語があり、うち巻第廿七には「一見畢、南井房内総六丸、此比春日大社開門尤以目出タシ」云々とみえている。この識語は『大乗院日記目録』文安三年(一四四六)七月条の記事に一致し、『経覚私要鈔』宝徳三年(一四五一)七月四日条にみる今昔の貸借記事と相まって、本書の南都での伝来を考えるうえに注目される。 |
今昔物語集
今昔物語集
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/06 16:32 UTC 版)
『今昔物語集』(こんじゃくものがたりしゅう)とは、平安時代末期に成立したと見られる説話集である。全31巻。ただし8巻・18巻・21巻は欠けている。 『今昔物語集』という名前は、各説話の全てが「今ハ昔」という書き出しから始まっている事に由来する便宜的な通称である。
注釈
出典
- ^ 大乗院経覚の日記『経覚私要鈔』宝徳元(1449年)年七月四日の条「四日、霽、夕立、今昔物語七帖返遣貞兼僧正畢、…」
- ^ 『修験の道 三国伝記の世界』、pp.8-21 では成立年台は1130年-1150年と推定している。
- ^ 小田寛貴、中村俊夫、古川路明「『今昔物語集』「鈴鹿本」の加速器質量分析法による14C年代測定」『名古屋大学加速器質量分析計業績報告書』6、pp. 99-117、1995年3月
- ^ 『修験の道 三国伝記の世界』第一編「今昔物語」の世界、池上洵一、1999年、以文社、pp.8-21
- ^ 今昔物語集 文化遺産オンライン
- ^ 小田寛貴、中村俊夫、古川路明「『今昔物語集』「鈴鹿本」の加速器質量分析法による14C年代測定」『名古屋大学加速器質量分析計業績報告書』6、pp. 102-103、1995年3月
- ^ 『修験の道 三国伝記の世界』、pp.12-13
- ^ 『週刊朝日』2023年4月14日号、162-165頁。
- ^ 河合隼雄『対話する生と死』(潮出版社、1992年/新版・だいわ文庫、2006年2月)
- 1 今昔物語集とは
- 2 今昔物語集の概要
- 3 影響・評価
- 4 参考文献
- 5 外部リンク
今昔物語集
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 07:11 UTC 版)
『今昔物語集』巻第三十一には、近江国栗太郡に柞(ハハソ)の巨樹があったとの伝説が記述されている。その幹回りは500尋(900メートル前後)にもなり、朝日の影は丹波国をさし、夕陽の影は伊勢国にさした。その木はあまりに大きく、栗太郡はおろか、志賀・甲賀の三郡の百姓は田畑を作ることさえできなかった。そのことを天皇に訴えたところ、願いが聞き入れられ、遣いにより、巨樹は切り倒され、田畑を耕すことができるようになり、豊穣を得ることができた。今(物語集成立の時代)でも、その郡にはその時の子孫がいるという。この伝説は後世でも類型派生しており、室町時代成立の『三国伝記』では、ハハソから栗の木へと変わり、郡名由来譚となっている(最後に切り倒される)。いずれも「大開発(開拓)の時代」に生じた伝説とされる。
※この「今昔物語集」の解説は、「巨樹」の解説の一部です。
「今昔物語集」を含む「巨樹」の記事については、「巨樹」の概要を参照ください。
- 今昔物語集のページへのリンク