九巻までのあらすじ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 06:17 UTC 版)
「蜘蛛ですが、なにか?」の記事における「九巻までのあらすじ」の解説
並列意思の暴走から一年後、まだ幼児であるソフィアも含め、一行は鍛錬を重ねながら魔族領への旅程を進めていく。風龍たちの支配する荒野に通りがかった一行は、人類の愚かさによって崩壊した旧文明の決戦兵器「Gフリート」とそれが内蔵する無数の機械兵器群を偶然から起動させてしまう。隕石を牽引して星に落着させる「Gメテオ」や起爆したが最後大陸ごと吹き飛ばす威力を持つ「GMA爆弾」の脅威が迫る中、アリエルは旧知の仲であり、事態の深刻さを知る旧文明の住人でもあったダスティンやギュリエディストディエスに協力を呼びかける。 過程で手を取り合えても、最終目的の相違を考えれば呉越同舟の三陣営が打算抜きの尽力を行う中で、全陣営から信頼できない巨悪と見なされているポティマスが拠出する戦力と情報を加え、「私」たちはポティマス相手に不信感を募らせながらも共にGフリート内部へと突入する。なんとかGフリートの無力化に成功し、ついでに恥知らずな裏切りを行ったポティマスのことも無力化し、共闘を経てアリエルとの間に確かな絆を築いた「私」だったが――。 起動しようとするGMA爆弾をとっさに取り込んだことで、「私」は爆弾が内包する莫大なエネルギーを自分のものにすることに成功した。これによって「私」は休眠期間を経て神へと至る進化「神化」を果たし、姿も完全な人型へと変化を遂げた。なお、この際に事あるごとに「私」に対してスマホ越しに介入の手を伸ばしてきた管理者「邪神D」から正式に「白織」という真名をもって命名される。しかし、システムに依存しない存在になったはいいが、同時にその恩恵も受けられなくなった白織は持ち前の虚弱体質を抱えながら一行の庇護を受けながら魔族領への旅を再開する羽目になった。 白織が力を取り戻す糸口さえ掴めないままに二年以上が経過し、一行は人族国家屈指の強国「レングザンド帝国」領内にして魔族領との境界地帯にして天然の要害である「魔の山脈」の麓にまで辿り着く。そこにA級冒険者「ゴトー」を含む冒険者たちが特異な進化を遂げたオーガに返り討ちに遭ったという報が飛び込んでくる。特異オーガの正体、それは転生後に手にしたささやかな幸福をすべて奪われ、「憤怒」に任せて行き場のない殺戮を周囲に振りまく転生者「ラース(笹島京也)」だった。 遡れば迷宮内で「私」と遭遇し、彼女の報復によって立場を失った帝国の召喚士「ブイリムス」がラースの逆襲によって魔の山脈で命を落とした。時同じくして、頻発するようになった児童誘拐事件の捜査に帝国軍の精鋭が動き出す。また、当時その場にブイリムスと居合わせた縁もあり、現地に訪れた人類最強の魔法使いロナントも特異オーガの討伐に乗り出そうとしていた。 そういった個人や組織の事情や特異オーガの危険性は知ってか知らずか、ソフィアがエルフによってあわや拉致されるという危機に陥る。事態を引き起こしたのは転生者のひとりであり、前世ではクラスの担任教師を務めていた「フィリメス・ハァイフェナス(岡崎香奈美)」だった。転生直後から現地の父であるポティマスと交渉し、エルフという種族のバックアップを得ていたフィリメスは幼児期から教え子たちの保護活動を行っていたのだ。 同じく実利を兼ねて手元に転生者を確保していた神言教も、転生者に対して注視の姿勢を崩さない。一行の保護者役であるアリエルが薄々裏事情を察しながら沈黙を保ち、各陣営がラースを巡って暗闘を繰り広げる中、一同は山越えを敢行する。 しかし、登山の最中に白織たち一行は討伐隊や神言教暗部の攻撃を辛くも逃れ「鬼人」へと進化したラースと交戦する羽目になった。その上雪山という地形も悪く、雪崩によって分断されるというハプニングに見舞われる一行であった。再度来襲してきたラース相手にソフィアはいままでの鍛錬もあって一対一で食い下がるも、彼女のピンチに合わせて咄嗟に蜘蛛糸を出すことに成功した白織によって救われる。この場は氷河の崩落にひとり巻き込まれて戦線からラースが脱落した形となり、勝負はからくも水入りとなった。 晴れて魔族領に到着した一行が目の当たりにしたのは人族と極めて似通った街並みと人々、そして魔族の重鎮である辺境伯「アーグナー・ライセップ」の出迎えだった。長く続いた戦乱によって減った人口が回復せず、疲弊が激しい魔族という種自体の未来を案じエルフとのホットラインも有するアーグナーと、目的のためにあえて憎まれ役を演じて反抗分子をあぶりだそうとするアリエルの腹の探り合いがはじまる中、白織は魔王城直下の公爵邸居候の身となりようやく一息つくのだった。
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