中部地方・東海地方・北陸地方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 21:07 UTC 版)
「虫送り」の記事における「中部地方・東海地方・北陸地方」の解説
新潟県の虫送り 善願の虫送り(ぜんがのむしおくり) 新潟県五泉市赤海地区に伝わる。五泉市指定無形民俗文化財(2015年〈平成27年〉7月23日指定)。 下田の虫送り(しただのむしおくり) 新潟県三条市旧下田地区(旧・南蒲原郡下田村)に伝わる。 個別の例:飯田の虫送り - 三条市飯田(旧・南蒲原郡下田村飯田)。 個別の例:荒沢の虫送り - 三条市荒沢(旧・南蒲原郡下田村荒沢)。 富山県の虫送り 床鍋の虫送り(とこなべのむしおくり、別名:虫送り 大松明火祭り) 富山県氷見市床鍋(1896年〈明治29年〉以前の氷見郡速川村床鍋、1889年〈明治22年〉以前の射水郡床鍋村。江戸時代における越中国射水郡床鍋村、幕藩体制下の加賀藩知行越中床鍋村)に伝わる。約130年前(2017年時点)に始まり、一時途絶えたが、1990年(平成2年)に復活した。現在は新暦6月中旬に行われる。幣帛を立てて竹と藁を主材に作られた直径約1メートル・長さ約8メートルの円筒形の大松明に村外れで火を点けた後、山道や畦道を曳き廻し、鉦や太鼓を打ち鳴らしながら「泥虫どろむしほーい、泥虫ほい」の囃子文句と共に練り歩き、最後に大松明を(現在は1992年〈平成4年〉に廃校した旧床鍋小学校跡のグラウンドに)立て、一気に燃え上がる炎で稲虫を追い払う。2004年(平成16年)に富山県教育委員会主催で選定された「とやまの祭り百選」の選定物件の一つ(選定名称:床鍋の虫送り)。 除蝗祭(じょこうさい) 富山県南砺市利賀村百瀬(旧・礪波郡利賀村百瀬)に伝わる。[54] 石川県の虫送り 横江の虫送り 石川県白山市横江町(旧・石川郡横江村。江戸時代における加賀国石川郡横江村、幕藩体制下の加賀藩知行加州横江村)に、江戸時代より伝わる。白山市指定無形民俗文化財(1964年〈昭和39年〉11月1日指定)。起源については、加州郡代(郡奉行)に願い出たという江戸時代の史料等が残っている程度で、いつごろ始められたかなどは不明。新暦時代において以前は毎年7月21日の夜に行われてきたが、現在7月の海の日の前日に行われている。起点であるなど、関連社として宇佐八幡神社(横江町1に所在)が大きな役割を果たす。横江の虫送りは、伝承の古さと規模の大きさも特徴といえる。 なお、日本各地と同様、現・白山市域でも山麓部から平野部まで農村で古くから広く行われていたが、農薬が普及するに連れてほとんどの集落で廃れ、今では極わずかな集落でしか見ることができない。 福井県の虫送り 虫おくり - 福井県鯖江市莇生田町に伝わる。鯖江市指定無形民俗文化財(2006年〈平成18年〉3月31日指定)。 長野県の虫送り 犬石の虫送り行事(いぬいしのむしおくりぎょうじ、別名:虫追い、さねもりさん) 長野県長野市篠ノ井有旅うたび犬石区一円(江戸時代における信濃国更級郡有旅村犬石一円、幕藩体制下の信州松代藩知行有旅村犬石一円)に、江戸時代より伝わる。長野市選択無形民俗文化財(1983年〈昭和58年〉3月16日指定)。麦藁で作った樽形の神輿を担ぐ素朴な虫送り行事の典型。今では毎年の新暦7月31日の夜に行われている。虫送りの際は「菜ア虫送れ、乞食虫送れ」と大声で唱えながら地域を廻る。 東横田の虫送り行事(ひがしよこたのむしおくりぎょうじ) 長野県長野市篠ノ井横田東横田区一円(江戸時代における信濃国更級郡横田村一円、幕藩体制下の信州松代藩知行横田村一円)に、江戸時代より伝わる。長野市選択無形民俗文化財(2016年〈平成28年〉3月8日指定)。今では毎年の新暦8月の第1日曜日の朝から夜にかけて地域の子供達が行う地域行事として存続している。虫送りを地域に触れ歩く際は「なのむしおくれ」と唱えて廻る。 先達の虫送り(せんだつのむしおくり) 長野県諏訪郡富士見町先達(江戸時代における信濃国諏訪郡先達村、幕藩体制下の信州諏訪藩知行先達村)に、江戸時代より伝わる。富士見町指定無形民俗文化財(2010年〈平成22年〉1月20日指定)。虫送りの際は「送れ 送れ 稲虫送れ」と大声で囃子唄を唄いながら地域を廻る。 cf. 日吉の御鍬祭り(ひよしのおくわまつり) 長野県下伊那郡阿南町和合日吉に、江戸時代前期より伝わる。五穀豊穣と虫送りの性格の強い祭り。江戸時代前期の寛保2年(1742年)に始められたとされる。長野県指定無形民俗文化財。古くは旧暦3月14日に行われていたが、現在は新暦4月29日に行われる。 岐阜県の虫送り 虫送り 岐阜県美濃市で存続している虫送りは、美濃市指定無形民俗文化財になっている。行政府の定める公式名称や総称は確認できない。 虫送り - 美濃市上野地区に伝わる。美濃市指定無形民俗文化財。 虫送り - 美濃市御手洗地区に伝わる。美濃市指定無形民俗文化財。 愛知県の虫送り 尾張の虫送り行事(おわりのむしおくりぎょうじ) 行政府の定義するところでは、尾張で存続している虫送りの総称。常滑市矢田と稲沢市祖父江町に残っており、1984年(昭和59年)に「尾張の虫送り行事」の名称で愛知県指定無形民俗文化財に指定されている。加えて後者は1991年(平成3年)に国の選択無形民俗文化財に選択されている。 矢田の虫送り行事(やたのむしおくりぎょうじ) 愛知県常滑市矢田(旧・知多郡矢田村)に伝わる。愛知県指定無形民俗文化財で、指定名称は「尾張の虫送り行事(矢田)」。矢田における虫送り行事は、実盛人形とフウフの鳥を奉じる「おんか送り(うんか送り)」と松明行列を行う「虫送り」という2つの行事で構成される。前者は田植え後間もない6月下旬に、後者は7月初旬に行われる。関連社は八幡神社。 祖父江の虫送り(そぶえのむしおくり) 愛知県稲沢市祖父江町(旧・中島郡祖父江町)に伝わる。愛知県指定無形民俗文化財(1984年〈昭和59年〉指定)、国の選択無形民俗文化財(1991年〈平成3年〉2月2日選択)。 虫送り 愛知県犬山市城東地区に伝わる。当地域には五穀豊穣と虫を封じる神社として有名な虫鹿神社があり、係る行事はこの社と関連する。 蝗除祭(こうじょさい) 愛知県犬山市五郎丸に伝わる。疫病祓いと虫送りを行う。関連社は五郎丸神明社。藁細工人形に提灯を付けて町内を巡行する。 三重県の虫送り 虫送り - 三重県四日市市富田(旧・朝明郡富田村)に伝わる。 除虫祭(じょちゅうさい) - 三重県四日市市の八王子町と小林町(旧・三重郡八王子村など)に伝わる。
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