祖父江の虫送り
名称: | 祖父江の虫送り |
ふりがな: | そふえのむしおくり |
種別1: | 風俗習慣 |
保護団体名: | 島本新田虫送り保存会 |
選択年月日: | 1991.02.02(平成3.02.02) |
都道府県(列記): | 愛知県 |
市区町村(列記): | 稲沢市島本 |
代表都道府県: | 愛知県 |
備考: | 所在地が同一都道府県内のもの(このデータは種別1から移行しています) |
解説文: | 稲作を基本にしてきた我が国の農村において、稲の病害虫が大きな関心事であったことは言うまでもない。かつては、ウンカやヨコバイなどの害虫の大発生が大飢饉までも引き起こし、多くの人々の生命をも奪う大きな被害となった。 科学的な駆除方法が開発されていなかった時代に、病害虫の害は総じて蝗(いなむし)の害ととらえられ、これが非業の死をとげた者の怨霊によってひき起こされるものとも考えられていたために、このような怨霊を鎮めまつり、村境に送る呪術をもって、この被害を免れようとした。これが年中行事として定着したものが、虫送りの行事として各地に伝えられてきた。科学的知識の普及や、農薬の発達などによって、虫送りの伝承は、極めて稀になっているのが現状である。 西日本の一帯では、源平の戦で知られる武将齋藤別当実盛の怨霊が、虫害をもたらすものと伝えて、その姿を藁人形などに作り、村境まで鉦太鼓で送り出す行事が広く行われてきたが、愛知県の尾張地方はその分布の東のはずれに位置している。その中でわずかに伝統を保っている祖父江町島本新田の虫送り行事(ムシマツリともいう)は、七月の初旬に行われ、麦がらを材料に馬に乗った実盛人形を作り、夕方、松明の火をかざしながら田圃をめぐって送るものである。我が国の伝統的な虫送り行事の典型的なものの一つであり、記録作成等の措置を講ずるものである。 |
風俗習慣のほかの用語一覧
生産・生業: | 田植に関する習俗 白山麓の焼畑習俗 知多木綿の紡織習俗 祖父江の虫送り 神津島のかつお釣り行事 種子島のまるきぶねの製作習俗 種子島宝満神社のお田植祭 |
- 祖父江の虫送りのページへのリンク