中御茶屋とは? わかりやすく解説

中御茶屋

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 16:24 UTC 版)

修学院離宮」の記事における「中御茶屋」の解説

後水尾上皇の第8皇女光子(てるこ)内親王のために1668年寛文8年造営され宮(あけのみや)御所前身である。この地にはそれ以前上皇の第1皇女である梅宮出家して円照寺という尼寺構えていたが、上皇離宮建設意思聞いて奈良八島の地へ移っていた。御所上皇死後林丘寺りんきゅうじ)という寺に改められた。1885年明治18年)、楽只軒(らくしけん)と客殿を含む、林丘寺境内約半分宮内省返還され修学院離宮一部となった。なお、林丘寺門跡尼寺として今も存続している。楽只軒は前述御所一部で、1668年寛文8年)頃の造営である。書院造客殿は、1677年延宝5年造営され東福門院後水尾天皇女御徳川2代将軍秀忠娘)の女院御所の奥対面所移築したのである客殿一ノ間のは、桂離宮醍醐寺三宝院醍醐とともに天下三棚」の一として知られる。他に表門中門瓦葺総門(もと林丘寺総門であった)がある。 楽只軒 - 瓦葺、杮庇の建物。軒名は『詩経』の「楽只君子万寿無期」によるもの後水尾院命名である。ほぼ正方形平面で、南面東面板縁設ける。主たる部屋東側の「一の間」とその西、建物中心部位置する二の間である。一の間は6畳北側に床(とこ)を設け、床壁貼付と、その西の壁貼付の絵は狩野探信の「吉野山図」である。二の間は8畳で、西面南寄りの壁貼付絵は作者未詳の「竜田川紅葉図」である。一の間・二の間境の長押上の「楽只軒」の額は後水尾院の筆になる。一の間の南には3畳の入側、二の間の南には4畳の入側がある。このほか、建物西側に5畳間と2畳間、北側6畳間、5畳間、納戸(2畳)がある。 客殿 - 楽只軒の南東接して建つ。東福門院女院御所対面所移築したのである。楽只軒より客殿の方が若干高い地盤上に建っており、楽只軒南東板縁客殿入側の間は矩折に位置する2つ階段結ばれている。階段は楽只軒側が4段客殿側が3段で、段差一定の高さでない、特異な階段である。建物入母屋造杮葺とし、南面西面1間幅の入側畳縁)があり、その周囲板縁めぐらす西側の南が「一の間」、その東が「二の間」、その北が「三の間」で、一の間の北には仏間御内仏の間)がある。一の間は12畳で、北側西寄りに床(とこ)、その東に幅1間半の設ける。は5板を高さを違えて設置したなびく様に似ることから「」と称され桂離宮醍醐寺三宝院醍醐とともに天下三名の一とされる下方地袋には友禅染張り場の風景を描く。その上に細長い三角がある。地袋小襖の引手羽子板形、三角の小襖の引手ぶりぶり玩具一種)形である。床壁の腰貼り群青と金箔の菱形交互に並べた幾何学文で、襖の腰貼りも同様である。床、、襖を通して金泥描きその上に和歌・漢詩水墨画色紙貼り交ぜている。和歌親王公家漢詩五山僧の筆になるものである室内長押には七宝釘隠14個がある。二の間は10畳で、狩野永敬四季絵がある。襖の引手尾長丸紋のデザインとし、長押には七宝竹葉釘隠8個がある。南側畳縁杉戸には一の間側に鯉と鮒、二の間側に大を描く。これらのの絵には画面全体を覆うように漁網網目描き込まれ網目ところどころほつれている様子描写されている。伝承では、このたちが夜な夜な絵から抜け出して庭の池で泳ぐため、漁網描き加えたという。他に10畳の「三の間」と6畳の「仏間」があるが、後者女院御所当地移築したに付け加えたのである仏壇上方欄間は波の文様下向き表したもので、「逆波欄間」という。仏間北側には鉤の手板縁榑縁)を設けるが、その手摺の意匠斜めの直線数本組み合わせた独特のもので、「網干の手摺」と称される西面入側北端、楽只軒に通じ階段との境の杉戸には祇園祭放下鉾岩戸山描き、これらの裏面には2枚続き祇園祭船鉾を描く。

※この「中御茶屋」の解説は、「修学院離宮」の解説の一部です。
「中御茶屋」を含む「修学院離宮」の記事については、「修学院離宮」の概要を参照ください。

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