三角縁神獣鏡とは? わかりやすく解説

さんかくぶち‐しんじゅうきょう〔‐シンジウキヤウ〕【三角縁神獣鏡】

読み方:さんかくぶちしんじゅうきょう

縁の断面三角形をなす神獣鏡4世紀古墳から出土。魏(ぎ)の皇帝卑弥呼(ひみこ)に授けた鏡とする説、中国技術者日本作ったとする説がある。


三角縁神獣鏡 (さんかくぶちしんじゅうきょう)

青銅せいどう]で作られ鏡の中で、ふちの断面三角形のようになっているものを言います日本作られたものと中国作られたものの2通りがあるのですが、中国ではこの鏡は見つかっていません。邪馬台国やまたいこく]の女王卑弥呼[ひみこ]が魏[ぎ]の国に使い送ってそのときもらった鏡という説もあります


三角縁神獣鏡

読み方:サンカクブチシンジュウキョウ(sankakubuchishinjuukyou), サンカクエンシンジュウキョウ(sankakuenshinjuukyou)

神獣鏡のうちで、鏡縁を厚く作ったために、縁の断面三角形になっている鏡。


三角縁神獣鏡

主名称: 三角縁神獣鏡
指定番号 431
枝番 00
指定年月日 1987.06.06(昭和62.06.06)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 考古資料
ト書 鳥取県西伯郡会見町普段一号出土
員数 1面
時代区分 古墳
年代
検索年代
解説文:  白銅製。円鈕【えんちゆう】を中心に鋸歯文圏【きよしもんけん】をともなう有節孤文座【ゆうせつこもんざ】を置き、内区主文様は捩文座【ねじもんざ】に連孤文の乳【にゆう】四箇配し、各乳間神像獣形交互に表わす外方には「惟念比□(意)有文章賣者老寿為候王上有在中央」の銘帯と、唐草文帯、櫛歯文帯が、外区には鋸歯文帯、複波文帯、鋸歯文帯が順次めぐる。
 本鏡は、いわゆる唐草文二神鏡で、図像神像獣形求心的配し西王母せいおうぼ】・東王父とうおうふ】の区別明確にした、この鏡式基本形をよく伝えたのである同形の鏡に阿為【あい】神社鏡(大阪府)、造山【つくりやま】三号古墳出土鏡(島根県)が知られるが、これらは既に銘帯省略され全体に便化した様相呈し、本鏡の図様が三角縁神獣鏡の原型つらなるのであることを良く示している。
 一部破損があるが、細部にまできわめて明確な鋳成をなす。古墳時代前期中心とした古墳副葬品に、各種の三角縁神獣鏡の占め割合はきめて大きいが、本鏡はその基準となる一鏡式であり、その学術的価値きわめて高い。

三角縁神獣鏡

重要文化財のほかの用語一覧
考古資料:  三彩壺  三彩釉骨壺  三角縁神獣鏡  三角縁神獣鏡  三重県宝塚1号墳出土品  三重県斎宮跡出土品  三重県縄生廃寺塔心礎納置品

三角縁神獣鏡

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/28 02:49 UTC 版)

三角縁神獣鏡(さんかくえんしんじゅうきょう[1][2]、さんかくぶちしんじゅうきょう[3][4])は、銅鏡の形式の一種で、縁部の断面形状が三角形状となった大型神獣鏡


注釈

  1. ^ 2014年に中国洛陽から三角縁神獣鏡が出土したという報告があったが出土状況が明らかでなく、中国製説の根拠となっていない[24]
  2. ^ 近畿を中心に三角縁神獣鏡が出土することに関連する
  3. ^ 小林行雄が1985年に作成した同笵鏡分有図の同笵鏡番号に準拠し、この分有図にないものは*とした。
  4. ^ 小林の命名に従ったが、竜虎鏡は盤龍鏡に変更した。
  5. ^ 判別が不可能な文字は*とした
  6. ^ 都道府県名・出土遺跡の順で表記
  7. ^ 東京国立博物館所蔵の銅鏡の名称・出土地の特定は同博物館考古展示室の展示リスト[42]及び東京国立博物館 画像検索[43]による。

出典

  1. ^ a b 所蔵資料詳細/三角縁神獣鏡 - 宮内庁”. www.kunaicho.go.jp. 2016年9月15日閲覧。
  2. ^ 三角縁神獣鏡 文化遺産オンライン”. bunka.nii.ac.jp. 2016年9月15日閲覧。
  3. ^ "神獣鏡". 国史大辞典. 吉川弘文館.
  4. ^ "三角縁神獣鏡". 日本大百科全書(ニッポニカ). 小学館.
  5. ^ 西川寿勝「三角縁神獣鏡と卑弥呼の鏡」『日本考古学』第6巻第8号、1999年、87-99頁、doi:10.11215/nihonkokogaku1994.6.8_87 
  6. ^ "三角縁神獣鏡". ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典. コトバンクより2018年10月15日閲覧
  7. ^ 下垣仁志 2010, pp. 262–266.
  8. ^ 樋口隆康 1992, pp. 243–244.
  9. ^ a b 下垣仁志 2010, pp. 11–14.
  10. ^ 富岡謙蔵 1920, pp. 346–347.
  11. ^ a b 下垣仁志 2010, pp. 1–8.
  12. ^ 森浩一 2015, pp. 208–212.
  13. ^ 下垣仁志 2010, p. 94.
  14. ^ 下垣仁志 2010, p. 30.
  15. ^ 下垣仁志 2010, pp. 14–15.
  16. ^ a b 下垣仁志 2010, pp. 15–17.
  17. ^ 下垣仁志 2010, pp. 28–29.
  18. ^ a b 辻田淳一郎 2020, pp. 155–158.
  19. ^ 下垣仁志 2010, pp. 17–19.
  20. ^ a b c 下垣仁志 2010, pp. 20–25.
  21. ^ 下垣仁志 2010, pp. 25–26.
  22. ^ 下垣仁志 2010, pp. 26–28.
  23. ^ 下垣仁志 2010, pp. 19–20.
  24. ^ a b c d e 辻田淳一郎 2020, pp. 148–155.
  25. ^ 辻田淳一郎 2020, pp. 158–159.
  26. ^ 辻田淳一郎 2020, pp. 159–160.
  27. ^ 福山敏男 1987, pp. 121.
  28. ^ 富岡謙蔵 1916, pp. 120.
  29. ^ 田中琢 1985, p. 60.
  30. ^ 馬淵久夫 1996.
  31. ^ a b 王仲殊 1981, pp. 346–358.
  32. ^ 王仲殊 1987, pp. 265–271.
  33. ^ 古田武彦 2016, pp. 262–263.
  34. ^ 新井宏 2007.
  35. ^ 森浩一 1978, pp. 51–95.
  36. ^ 森浩一 2015, pp. 204–207.
  37. ^ 森博達 2003, pp. 32–39.
  38. ^ 下垣仁志 2010, pp. 30–34.
  39. ^ 下垣仁志 2010, pp. 217–227.
  40. ^ 鈴木勉 2016, pp. 26–27.
  41. ^ 下垣仁志 2010, pp. 417–535.
  42. ^ 東京国立博物館 - 展示 日本の考古・特別展(平成館) 政治的社会の成熟―宝器の創出― 作品リスト”. www.tnm.jp. 2017年10月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年12月15日閲覧。
  43. ^ 画像検索 - 東京国立博物館”. webarchives.tnm.jp. 2018年12月15日閲覧。
  44. ^ a b 今塩屋穀行「宮崎県高鍋町所在の持田古墳群 その形成過程と評価をめぐって」『宮崎県文化講座研究紀要』37ဦ、宮崎県立図書館、2010年、47-65頁、CRID 1522543655217461888 
  45. ^ "持田古墳群". 日本大百科全書(ニッポニカ). コトバンクより2018年10月23日閲覧
  46. ^ みやざき文化財情報「持田古墳群」”. 2018年10月23日閲覧。



「三角縁神獣鏡」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「三角縁神獣鏡」の関連用語

三角縁神獣鏡のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



三角縁神獣鏡のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
防府市教育委員会防府市教育委員会
Copyright 2024,Hofu Virtual Site Museum,Japan
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
文化庁文化庁
Copyright (c) 1997-2024 The Agency for Cultural Affairs, All Rights Reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの三角縁神獣鏡 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS