三彩壺
主名称: | 三彩壺 |
指定番号: | 453 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 1989.06.12(平成1.06.12) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 考古資料 |
ト書: | 伝岡山県出土 |
員数: | 1合 |
時代区分: | 奈良 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 本遺品の出土地等の詳細は明らかでないが、箱書【はこがき】には「此壺ハ明治三十七年ノ頃作州津山附ニ於テ鑛山試掘ノ際、古墳ヨリ掘出シタル」と記され、同時出土に陶棺【とうかん】・金鐶【きんかん】・銀鐶【ぎんかん】・勾玉【くがたま】があったという。現在これらの出土品は見当らないが、釉【ゆう】の剥離や銀化状況は、本遺品が出土品であることを示し、また、岡山県地方を中心とした陶棺の分布状況等から推して、この地方出土の可能性は高い。 薬壺形【やつこがた】の三彩壺で、奈良三彩【ならさんさい】と称されるものである。被蓋【かぶせぶた】造りで、肩部の張った丸味のある胴に、裾広がりの高台【こうだい】が付き、口縁は直立する。高台は端面【たんめん】の中央に細く凹部を巡らし、口縁の上端部は少し内傾し、その内端はわずかに膨らむ。 蓋は口縁端が丸味をもち、上面はわずかに甲盛【こうも】りを立てて、中央に宝珠鈕【ほうじゆちゆう】がつく。 施釉【せゆう】は身・蓋ともに緑を基調に、白・褐色を斑点状に配し、各所に釉の垂れ下がりもみられる。また、身・蓋の内面全体と身の底面には白色釉【はくしよくゆう】が施されている。胎土【たいど】は卵殻色【らんかくしよく】で、器の内面の全体、外面の白色釉下などに轆轤痕【ろくろこん】を認めることができる。 宝珠鈕の一部を欠くが、全体をよく保ち、施釉も蓋上面の一部に剥離・劣化があるが、全体に保存状態も極めて良好である。 本遺品のような完全な保存状況の遺品は極めて少なく、奈良三彩としては貴重な存在である。奈良時代から盛行した鉛釉陶器【えんゆうとうき】の実態をみるうえに欠かせない遺品として学術的価値は高く、わが国陶磁史上にも卓越した存在である。 |
- 三彩壺のページへのリンク