三恵の大ケヤキとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 文化 > 国指定文化財等データベース > 三恵の大ケヤキの意味・解説 

三恵の大ケヤキ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/04 03:50 UTC 版)

三恵の大ケヤキ(2011年7月撮影)
支柱に支えられている(2011年7月撮影)

三恵の大ケヤキ(みつえのおおケヤキ)は、山梨県南アルプス市寺部にある推定樹齢1000年超のケヤキ巨木である。国の天然記念物に指定されている。

解説

甲府盆地の西部、釜無川右岸の河岸段丘上、御勅使川扇状地東南端の標高約275メートルに位置しており、現在では周囲を住宅地と果樹園に囲まれている。三恵とは、この付近のかつての村名(三恵村)である[1]

古くから名木として知られており、江戸時代後期に編纂された地誌である『甲斐国志』にも記載されている[2]1926年大正15年)には、「五つの枝を出し…畑の中に独立した樹であるが、遠くから眺めると林のように繁茂し…」と、当時の山梨県教育委員会史蹟名勝天然記念物調査報告書第2輯に記載されているように、離れた場所から小山の如く見える威容を誇っていた[1]1928年昭和3年)11月30日に「三恵の大欅」の名称で国の天然記念物に指定。1957年(昭和32年)7月31日に指定名称が変更され、「欅」の表記がカタカナの「ケヤキ」となった[3]

威容を誇った三恵の大ケヤキも、老木によく見られるように幹に空洞が生じ、1959年(昭和34年)8月の台風や、落雷による火災などの被害を受けたことにより[1]、現在では主幹の中央部が裂けて2本に分かれたように見えるが、根元を良く見れば1本の巨大な樹木であることが分かる。

1974年(昭和49年)に測定されたデータ[4]によれば、根回り16m、目通り幹囲14.65m、樹高21m、枝張り東方11m、西方5m、南方10.5m、北方16mと、大きく枝が四方に広がる巨樹である[1]1996年平成8年)には地元の有志により「三恵の大ケヤキ保存会」が発足し[2]、土壌改良、腐朽防止、支柱の設置などの取り組みが行われ、2011年7月現在では樹勢は旺盛である。

2019年、令和元年東日本台風(台風19号)の影響で一本が折れる[5]

三恵の
大ケヤキ
三恵の大ケヤキの位置

脚注・出典

  1. ^ a b c d 加藤陸奥雄他編 『日本の天然記念物』、講談社 p.452、p.454 ISBN 4-06-180589-4
  2. ^ a b 社団法人山梨林業研究会編 『山梨の巨樹・名木100選』 山梨日日新聞社 pp.28-29 ISBN 4-89710-851-9
  3. ^ 文化庁国指定文化財等データベース 三恵の大ケヤキ
  4. ^ 秋山樹好 『山梨県巨樹名木誌』 1974年
  5. ^ 台風19号 樹齢1000年、国天然記念物のケヤキ折れる 山梨”. 2019年10月15日閲覧。

参考文献

関連項目

外部リンク

座標: 北緯35度37分18.2秒 東経138度29分38.7秒 / 北緯35.621722度 東経138.494083度 / 35.621722; 138.494083



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「三恵の大ケヤキ」の関連用語

三恵の大ケヤキのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



三恵の大ケヤキのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
文化庁文化庁
Copyright (c) 1997-2025 The Agency for Cultural Affairs, All Rights Reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの三恵の大ケヤキ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS