三極特許庁における特許要件の比較とは? わかりやすく解説

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(参考)三極特許庁における特許要件の比較

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/13 15:16 UTC 版)

ソフトウェア特許」の記事における「(参考)三極特許庁における特許要件の比較」の解説

欧州特許条約(EPC) 日本国特許法 米国特許法(35 U.S.C) 第52特許することができる発明 (1)欧州特許は、産業上利用することができ、新規でありかつ進歩性有する発明に対して付与される(2)次のものは特に(1)にいう発明とはみなされない。 ・・・(c)精神的な行為遊戯又は業務遂行のための計画法則及び方法並びにコンピュータ・プログラム 第2条 (定義)この法律で「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想創作のうち高度のものをいう。第29条 (特許要件産業上利用することができる発明をした者は、次に掲げ発明除き、その発明について特許を受けることができる。 第100条 定義前後の関係からみて他の意味用いられる場合除いて本法においては(a)発明」とは、発明又は発見をいう。(b)方法」とは、方法技巧又は工程をいい、既知方法機械製品組成物又は材料新用途を含む。 第101特許される発明 新規かつ有用な方法機械製品若しくは組成物、又はそれらについての新規かつ有用な改良発明又は発見した者は、本法定め条件及び要件に従って、それに対して特許を受けることができる。 条文上は、三極発明の定義まちまちであり、国際的に統一がとれていないように見える。しかし、以下に示されるように、審査基準における「特許要件(patentability)」の考え方には、本質的な差は見あたらないともとれる。(1)発明抽象的でなく、具体的で技術的であること、(2)実施例具体的に記載されていること、といった要件が必要とされるその意味から、実質的には、コンピュータにおける技術的構成明示すること(例えば、特定のハードウェア関連する構成や、データ構造アルゴリズムからなる具体的なソフトウェアの構成等)が必要とされる欧州特許庁審査ガイドライン Part C, Chapter IV, 2.3.6コンピュータプログラムは「コンピュータ利用発明」の形態とっているが、この表現は、コンピュータコンピュータネットワーク若しくはその他のプログラム可能な従来装置を含むクレームであってクレームされた発明中の一見して新規発明が、1つ又は複数プログラムによって実現されるものをカバーすることを意図している。・・・ここで特許可能性考慮するときに基本となるものは、原則としてその他の主題場合と同じである。第52(2)掲げリスト中にはコンピュータ用プログラム」が含まれているとはいえクレームされた主題技術的性質含んでいれば、第52(2)又は(3)規定による特許除外対象とはならない。・・・ コンピュータプログラムが、コンピュータ作動させているときに、そのような通常の物理的効果超えた更なる技術的効果もたらす能力有していれば、クレーム態様がそれ自体であるか又はデータ搬送体の記録としてであるかにかかわらず特許除外対象とはならない。この更なる技術的効果先行技術中で知られていてもよい。コンピュータプログラム技術的性質貸与する更なる技術的効果は、例えば、プログラム影響下にある工業的処理の制御物理的存在を示す処理データ、又はコンピュータ自体若しくはその周辺機器内部機能の中であって例えば、ある処理の効率性保安性、要求されるコンピュータ資源管理通信リンクでのデータ送信レートなどに影響与えることができるものの中に見ることができる。結果としてプログラム自体として、データ搬送体中記録として、又は信号形態としてクレームされているコンピュータプログラムは、そのプログラムが、コンピュータ作動させているときに、プログラムコンピュータとの間に存する通常の物理的対話構造超えた更なる技術的効果もたらす能力有していれば、第52(1)意味する範囲内発明とみなすことができる。このようなクレームは、特に第84条、第83条、第54条及び第56並びに後述する4.5で示すEPCすべての要件満たせ特許付与されるこのようなクレームはプログラムリストを記載すべきでないが、プログラム作動中に実行することを意図している処理が特許性を有していることを確約するすべての特徴を定義すべきである日本国 特許・実用新案審査基準VII第1章 2.2.2 2.2.1 基本的な考え方 ソフトウェア関連発明が「自然法則を利用した技術的思想創作」となる基本的考え方以下のとおり(1)ソフトウェアによる情報処理が、ハードウェア資源用いて具体的に実現されている」場合当該ソフトウェアは「自然法則を利用した技術的思想創作」である。(「3. 事例」の事例2-12-5 参照)(説明) 「ソフトウェアによる情報処理ハードウェア資源用いて具体的に実現されている」とは、ソフトウェアコンピュータ読み込まれることにより、ソフトウェアハードウェア資源とが協働し具体手段によって、使用目的応じた情報演算又は加工実現することにより、使用目的応じた特有の情報処理装置機械)又はその動作方法構築されることをいう。そして、上記使用目的応じた特有の情報処理装置機械)又はその動作方法は「自然法則を利用した技術的思想創作ということができるから、「ソフトウェアによる情報処理が、ハードウェア資源用いて具体的に実現されている」場合には、当該ソフトウェアは「自然法則を利用した技術的思想創作」である。 参考:「自然法則を利用した技術的思想創作」であるためには、請求項係る発明一定の目的達成できる具体的なものでなければならない。(「技術一定の目的達成するための具体手段であって実際に利用できるもので、…客観性を持つものである。」 平成9 年(行ケ)第206 号(東京高判平成11年5月26日判決言渡) 米国特許商標庁 審査官審査手続手引書 第2106章A.発明中に示される実施例参酌請求項記載され発明は、全体として実施様態がきちんと記載されている必要がある。すなわち、それは、有用(useful)で、具体的(concrete)、かつ触知できる(tangible)結果をもたらさなければならない。(State Street, 149 F.3d at 1373, 47 USPQ2d at 1601-02.) ・・・したがって全体技術開示には、請求項裏付ける実施様態にその根拠含まれていなければならない。・・・B.特許要件満たす発明類型1発明対象 明らかに特許要件満たさない(請求項記載される)コンピュータ関連発明類型は、磁気のような自然現象や、抽象的なアイディア、または自然法則そのもの等のように、「説明的(descriptive)な構成要素からなるのである抽象的なアイディア特許対象にはならない(Warmerdam, 33 F.3d at 1360, 31 USPQ2d at 1759, or the mere manipulation of abstract ideas, Schrader, 22 F.3d at 292-93, 30 USPQ2d at 1457-58)。説明的な構成要素とは、「機能的に記載され構成要素もしくは「非機能的に記載され構成要素」のどちらか特徴づけられる。ここで、「機能的に記載され構成要素」とは、コンピュータ構成要素として使われるときに、機能性与えデータ構造コンピュータプログラムからなるのである。(「データ構造」とは、特定のデータ操作実現するように構成されるデータ要素間の物理的もしくは論理的な関連性のことである。 .(新IEEE電気電子標準用語辞書 第5版(1993)から).「非機能的に記載され構成要素」は、音楽文学作品、及びデータ編集単なるデータ配列等であるが、これらに限定されるものではない。本質的に、これらの「説明的な構成要素」は、特許要件満たさない。(Warmerdam, 33 F.3d at 1360, 31 USPQ2d at 1759.) 機能的記載構成要素が、コンピュータ読み書き可能媒体上に存在する場合、それが構造的機能的に媒体相互に関連性があり、具体的な技術適用によってその機能的な構成要素機能実現可能な場合については、ほぼ特許要件満たす。(略)非機能的に記載され構成要素コンピュータ読み書き可能媒体上に存在する場合は、実施要件満たすのに必要な必須機能性を欠くことから、特許要件満たさない

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