三極鉱石とは? わかりやすく解説

三極鉱石

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/03/13 15:34 UTC 版)

内田秀男」の記事における「三極鉱石」の解説

一般にトランジスタ発明は、実用化つながった1948年ベル研究所よるものがよく知られている(トランジスタ#歴史参照)。しかし、内田により、「三極鉱石」による増幅作用発見が、それ以前に既になされていた、という話が伝えられている。 『初歩トランジスターラジオ研究』(1958年版 pp. 4-61967年版 pp. 6-7によれば同書著者杉本おなじく当時NHK技研)のところへ1948年正月内田訪れ鉱石通常鉱石ラジオ鉱石には、針を1本だけ接触させて使用する)に2本針を立てると増幅作用があることを発見し1Vの入力3Vになることを確かめたが、発表しようとしたところ「鉱石増幅するはずはない、君は頭が変になったのではないか」と(1958年版には発言者については書かれていない1967年版には「ある人から」とだけある)言われた、と述べたという。発明原文ママ)は1947年の秋ごろのことで、杉本半信半疑ながらも、自信があるなら早く実物発表するとよい、と激励した、という。 1947年当時内田鉱石増幅作用多大な関心寄せていたことを確認できる資料もあり、「砿石とその受信機」には、もし鉱石検波以外も真空管同様のことができれば技術的革命起きる、真空管以前から鉱石による増幅研究され努力続いており、最近ではRadio Craft1947年4月号に放射能を使う鉱石増幅素子アイディア発表されている、今後真空管同様な鉱石による素子が可能か不可能かは断言できない、といった記述が「まえおき」にある(なお、「鉱石とは」という節に鉱石負性抵抗ヒステリシス特性周波数特性といった興味深い特性記述はあるが、増幅に関する記述はない。また、半導体によるエレクトロニクス革命予見は珍しいものではなかった)。1954年にはゲルマニウムダイオードトランジスタ改造する記事発表している。 誠文堂新光社の『おとなの工作読本11号記事などには、GHQ検閲により内田によるトランジスタ発明雑誌発表差し止められた、アメリカでの研究先行して発表されないようにという工作ではなかったか、などという記述がある。同記事は無署名であり、誠文堂新光社文責があると思われる。但し、同様の記述は他の資料でも確認される。 なお、『電子立国日本の自叙伝第2回トランジスタ誕生」において、アメリカでトランジスタ開発されたと聞いた多く日本の研究者追試試みたが、高純度ゲルマニウム入手する手段がなく困難を極め、高純度単結晶を得るための装置自作から始めた、というエピソードが多い。このことから、仮に内田による発見知られていても、実用化つながったかどうか疑問である。 なお、先行して特許申請或いは雑誌発表していれば少なくともベル特許成立を防ぐ事は可能だった、といったようなタラレバ論は後を断たない

※この「三極鉱石」の解説は、「内田秀男」の解説の一部です。
「三極鉱石」を含む「内田秀男」の記事については、「内田秀男」の概要を参照ください。

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