パーリ経典に登場する六師とその思想とは? わかりやすく解説

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パーリ経典に登場する六師とその思想

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/17 02:19 UTC 版)

六師外道」の記事における「パーリ経典に登場する六師とその思想」の解説

プーラナ・カッサパPurana Kassapa那(不迦葉)) - 無道徳論道徳否定論:殺人盗み虚言などの悪行も悪をなしたことにはならず祭祀布施修養真実を語ること、感官制御ヨーガ)、自制などのいかなる善行積んでも善をなしたことにならず、善悪いずれの報い存在しないとした。釈迦同時代人で、奴隷の子であったという。 パクダ・カッチャーヤナPakudha Kaccayana 迦羅迦旃延) - 要素集合説、七要素説:人は地・水・火・風四元素と、苦・楽および命(霊魂)の七つ要素集合により構成されていると考え霊魂独立性認めない。七要素作られるものでも他を作るものでもなく、不変不動で、互いに影響はない。よって世の中には、殺すものも殺されるものもなく、聞くものも聞かれるものもなく、知るものも知らしめるものも存在しない宇宙あるいは人間多元要素集合構成されているという積集説(アーランバ・ヴァーダ)、唯物論的思考先駆アジタ・ケーサカンバリン(Ajita Kesakambalin 阿耆多翅舎欽婆羅) - 唯物論感覚論快楽主義プーラナ・カッサパのような道徳否定論者思想には、程度の差はあれ、ウパニシャッド説かれるアートマン否定し霊魂身体の不可分年子霊魂非存在主張する唯物論的な思考があるが、ケーサカンバリンはそうした唯物論者の代表である。人間地・水・火・風四元素から成り、各元素独立して実在し死によって人間構成していた四元素は各元素集合へと戻り、ゆえに人間は死ぬと空無となり霊魂も何も残らない来世もなく、善の報いも悪の報いもなく、よって宗教道徳不要である。現世快楽享楽のみを説くこのような思想ローカーヤタ順世派)、チャールヴァーカ(Carvaka、ブリハスパティを祖とする)と呼ぶが、その先駆的な例。 マッカリ・ゴーサーラMakkhali Gosala 末迦舎利) - アージーヴィカ教(邪命外道呼ばれた)。運命決定論宿命論):パクダ・カッチャーヤナの七要素虚空得・失生・死加え生きているものはこの一二要素から構成されるとした。得以下の六要素は、それぞれの作用原理化したのである一切生き物輪廻生存続けるが、輪廻から抜け出せないものも、そこから解脱するものも、すべて無因無縁であり、自己の意志による行い何一つない。一切はあらかじめ決定されており、定められた期間は流転する運命である。八四〇大劫という計り知れない年月果て苦しみ終焉達するまで、どのような修行をしても解脱することはできない。よって、道徳否定し宗教無用とする考え含まれるサンジャヤ・ベーラッティプッタSanjaya Belatthiputta 刪闍耶毘羅胝子) - 懐疑論不可知論真理あるがままに認識し説明することは不可能であるとする不可知論である。問い確答せず、つかみどころのない議論行った抜け出すことの困難な形而上学的な難問議論することの意義を問う判断中止エポケー)の態度表明といえるマハーヴィーラニガンタ・ナータプッタ Nigantha Nataputta 尼乾陀若提子本名ヴァルダマーナ) - ジャイナ教開祖相対主義苦行主義要素実在説。:サンジャヤの懐疑論実践役に立たないことを反省し知識の問題に関して相対主義不定主義)の立場取り一方的な判断排した。宇宙世界と非世界からなり世界霊魂ジーヴァ)・物質(プドガラ)・運動の条件ダルマ)・静止条件(アダルマ)・虚空アーカーシャ)の五実体または時間カーラ)を加えた六実からなるとする。宇宙はこれらの実体から構成され太古よりあるとして、創造神想定しない。霊魂永遠不滅実体であり、行為主体として行為果報を受けるため、家を離れて乞食苦行の生活を行って業の汚れ離れ、本来の霊魂が持つ上昇性を取り戻し世界脱してその頂上にある非世界目指し生きながら涅槃達することを目指す全ての邪悪避け浄化し祝福せよ。

※この「パーリ経典に登場する六師とその思想」の解説は、「六師外道」の解説の一部です。
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