ソルヴェイグの歌とは? わかりやすく解説

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ソルベイグのうた【ソルベイグの歌】

読み方:そるべいぐのうた

原題、(ノルウェー)Solveigs sangグリーグ管弦楽曲。「ペールギュント」第4組曲の第3曲。イ短調


ソルヴェイグの歌

作者水上寛裕

収載図書ソルヴェイグの歌―片隅小さな人生訪ねて
出版社AA出版
刊行年月1988.11


ペール・ギュント (グリーグ)

(ソルヴェイグの歌 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/10 18:14 UTC 版)

ペール・ギュント』(Peer Gynt作品23 は、エドヴァルド・グリーグの代表作の一つで、ヘンリック・イプセンの戯曲『ペール・ギュント』のために作曲した劇付随音楽管弦楽のための組曲が2つ編まれており(作品46と作品55)、それらが有名である。また他にもグリーグ自身の編曲で何曲かがピアノ独奏曲やピアノ伴奏の歌曲に編曲されている。高名な劇付随音楽の中では珍しく、劇そのものの初演のための作曲である。

作曲の経緯

イプセンからグリーグへの手紙(1874年1月23日)

『ペール・ギュント』はイプセンが1867年に書いた作品である。元は上演を目的としないレーゼドラマとして書かれたが、その後イプセンはこれを舞台で上演することになった。本来は舞台向きでないこの作品の上演に当たって、イプセンは音楽によって弱点を補うことを考えた。そこで1874年に、当時作曲家として名を上げつつあった同国人のグリーグに、劇音楽の作曲を依頼した。

グリーグは自分の作風が小品向きであり、劇的でスケールの大きな舞台作品には向かないと考えていて、一旦は依頼を断わろうともしたが、報酬と、民族的な題材への作曲に興味を引かれたこともあり、作曲を引き受けた。作曲は同年に開始したが難航し、翌1875年に完成した。

『ペール・ギュント』の舞台上演は1876年2月24日、クリスチャニア(現オスロ)の王立劇場で初演が行われた。音楽の指揮はヨハン・ヘンヌムによる。上演は、イプセンの狙い通りに音楽のおかげもあって成功を収めたが、一方で近代性を備えた風刺的なイプセンの戯曲に対してグリーグの音楽がロマンティックに過ぎることへの批判もあった。

グリーグはその後、再演のたびに改訂を行っており、1885年、1887年から1888年、1890年から1891年、1901年から1902年に改訂されている。

1876年にパート譜のみ出版された後、1908年にドイツペータース社から出版されたが、完全な形で全曲版がペータース社から出版されたのは1987年である。

編成

ピッコロフルート2(第1奏者はピッコロ持ち替え)、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット2、トロンボーン3、チューバティンパニ大太鼓小太鼓シンバルタムタムトライアングルタンブリンシロフォンハープオルガンピアノハリングフェーレ(またはヴィオラ独奏)、弦五部独唱合唱

組曲版でもおおよそ同じ編成であるが、声楽オルガンピアノなどは省かれている。

構成(作品23)

グリーグが作曲した音楽は全27曲(番号付きの26曲と番号なしの1曲)である。演奏時間は第1幕約8分、第2幕約22分、第3幕約7分、第4幕約28分、第5幕約20分で、計約85分となる。他にヨハン・ハルヴォルセンがグリーグのピアノ曲を編曲した追加曲もある。

第1幕
  • 1.婚礼の場で(I Bryllupsgården)
    第1幕への前奏曲
    第4曲で短調になって再現する「結婚式の主題」と「ソルヴェイの歌」の主題を中心としており、ハリングフェーレ(またはヴィオラ)独奏によるハリング舞曲の主題、跳躍舞曲の主題も現れる。
  • (追加曲)花嫁の行列の通過(Brudefølget drager forbi)
    ピアノ曲集『人々の暮らしの情景』作品19の第2曲をハルヴォルセンが管弦楽編曲して1886年に追加したもの。
  • 2.ハリング舞曲(Halling)
  • 3.跳躍舞曲(Springar)
第2幕
  • 4.花嫁の略奪とイングリ(イングリッド)の嘆き(Bruderovet - Ingrids Klage)
    第2幕への前奏曲。
  • 5.ペール・ギュントと山羊追いの女たち(Peer Gynt og Sæterjentene)
    女声による三重唱。
  • 6.ペール・ギュントと緑衣の女(Peer Gynt og den Grønnkledte)
  • 7.ペール・ギュント「育ちのよさは馬具見りゃわかる」(Peer Gynt: 《Pa Ridestellet skal Storfolk kjendes!》)
  • 8.ドヴレ山の魔王の広間にてノルウェー語版英語版(I Dovregubbens Hall)
    男声合唱が加わる。
  • 9.ドヴレ山の魔王の娘の踊り(Dans av Dovregbbens Datter)
  • 10.ペール・ギュントはトロルに追い回される(Peer Gynt jages av Troll)
  • 11.ペール・ギュントとベイグ(Peer Gynt og Bøygen)
第3幕
  • 12.オーセの死ノルウェー語版(Åses døt)
    第3幕への前奏曲。
    弦楽合奏による。
  • (番号なしの1曲)
    第12曲がペールの台詞を乗せて奏される。
第4幕
  • 13.朝のすがすがしさノルウェー語版英語版(Morgenstemning)
    第4幕への前奏曲。
  • 14.盗賊と密売者(Tyven og Heleren)
    盗賊と密売者が交互に歌う。
  • 15.アラビアの踊り(Arabisk Dans)
    女声二部合唱と独唱(アニトラ)が加わる。
  • 16.アニトラの踊りノルウェー語版(Anitras Dans)
    弦楽合奏とトライアングルによる。
  • 17.ペール・ギュントのセレナーデ(Peer Gynts Serenade)
    ペールの歌う歌。バリトン独唱。
    ペールが奏でるウードを弦楽合奏のピチカートで模している。
  • 18.ペール・ギュントとアニトラ(Peer Gynt og Anitra)
  • 19.ソルヴェイの歌ノルウェー語版(ソルヴェイグの歌、Solveigs Sang)
    舞台裏の歌手が歌う。
  • 20.メムノン像の前のペール・ギュント(Peer Gynt ved Memnonstøtten)
第5幕
  • 21.ペール・ギュントの帰郷、海の嵐の夕方(Peer Gynts Hjemfart. Stormfull Aften på Havet)
  • 22.難破(Skipsforliset)
  • 23.小屋でソルヴェイ(ソルヴェイグ)が歌っている(Solveig synger i Hytten)
    第19曲の旋律の前半が歌詞を変えてト短調で歌われる。
  • 24.夜の情景(Nattscene)
  • 25.ペンテコステの賛美歌「祝福の朝なり」(Pinsesalme: 《Velsignede Margen》)
    無伴奏のユニゾンによるペンテコステ(聖霊降誕祭)の賛美歌のコラール
  • 26.ソルヴェイ(ソルヴェイグ)の子守唄(Solveigs Vuggevise)
    女声独唱。

組曲など

第1組曲 作品46

1891年に編曲された。原曲の第13、12、16、8曲の4曲を選んでいる。「山の魔王の宮殿にて」では合唱や台詞を省き、台詞のための総休止を削除している。

第2組曲 作品55

1892年に編曲、翌1893年に改訂された。原曲の第4、15、21、19曲の4曲を選び、第1組曲と同様に編曲した。「アラビアの踊り」「ソルヴェイグの歌」では歌唱のパートを器楽に置き換えている。また、「ペール・ギュントの帰郷」には組曲版独自にコーダが追加されている。なお、当初は「アラビアの踊り」の代わりに「山の魔王の娘の踊り」(原曲の第9曲)が入っていたが、改訂時に現行の形に改められた。

  • 第1曲「イングリッドの嘆き」(ト短調)
  • 第2曲「アラビアの踊り」(ハ長調)
  • 第3曲「ペール・ギュントの帰郷」(嬰ヘ短調)
  • 第4曲「ソルヴェイグの歌ノルウェー語版」(イ短調)

その他

  • 「ソルヴェイグの歌」と「ソルヴェイグの子守唄」(原曲の第26曲)は、ピアノ伴奏歌曲4曲の管弦楽編曲版と併せて管弦楽伴奏歌曲集『6つの歌』(作品番号なし、EG.177、1895年 - 1896年)に編まれた。
  • 「ソルヴェイグの歌」はまたピアノ独奏用に編曲され、『自作の歌曲によるピアノ曲 第2集』作品52の一曲に加えられた。ピアノ独奏版は、組曲の各曲と当初の第2組曲に入っていた「山の魔王の娘の踊り」についても作られている。

使われた作品など

脚注

参考文献

  • 『作曲家別名曲解説ライブラリー18 北欧の巨匠 グリーグ/ニールセン/シベリウス』(音楽之友社、1994年)

外部リンク


ソルヴェイグの歌

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 02:08 UTC 版)

Greensleeves (平原綾香の曲)」の記事における「ソルヴェイグの歌」の解説

この曲はアルバムmy Classics 2収録曲からのリカットである。原曲は『ペール・ギュント組曲』の中の一曲であったものであり、イプセン戯曲ペール・ギュント』のための劇中音楽として書かれたものとなる。 楽曲について 平原本作について以下のように語っている。この曲に登場するペール・ギュントと言う男性はとても自由奔放な男性で、放浪の旅続けながら、行く先々様々な女性と関係を持ちながら、時には大金持ち時には破産して山あり谷あり人生送ってきたんですよね。ソルヴェイグはそんな彼をずっと待ち続けた健気な女性なんです待ち続け事とか、一途に想い続ける事って本当に素敵だなってこの曲を聴いて改め思いましたね。その彼女の想いを私なりに汲み取って歌詞書いていきましたね。 ペール・ギュント放浪の末に最後の最後ソルヴェイグ元へ戻ってくるんですよ。その後、彼女に君にはとても悪いことをしてしまった。君の口からその罪を言って欲しい。それが僕にとっての生きた証となるから』と。けど、彼女は『いいえ、あなたはなにも悪くはない。あなたと出会い、私が生きた一生1つの歌になったんです。だから、あなたにはとても感謝していますよ。』って答えたんです。私はその台詞と、そう言い切ってしまえるその強さ感動しましたね。 この曲は映画半次郎』の主題歌として起用されましたが、この曲と時代劇組み合わせなりましたね。とても嬉しく思います。"半次郎"は幕末生き抜いた武士達の力強い生き様描いた映画となるんですが、その時代を共に生き抜いた女性たちからの目線描かれているんですよね。愛する人見守り支え、ずっと信じて待っている。そこがソルヴェイグペール・ギュント愛し続け、ずっと待っていたと言うその気持ち強さリンクするなと感じたんですよね。待つと言うのはとても大変で並大抵の事じゃないと思うんですよね。自分では何も出来ない、ただ信じて待つしかできない。とても難しく大変な事だと思うんです。自分と言うものをしっかりと持っていて強く生き抜いていく女性美しさ強さがこの曲と通じるものがありますね。 メロディーについて 以下のように語っている。メロディーとしても女性強さ弱さ相反する二面性感じられるような展開となってるのが、特徴ですね。待ち続ける強い想いもあるけど、それと同時に、そうしている時に醸し出される切ない想い感じてその辺りも歌詞想い乗せていますね。 この曲はメロディー自身が独特で、まず、そのメロディー・センスに圧倒されたなと思いましたね。途中展開する所がとてもメジャーな感じがしていてそこでノルウェー遊牧民歌っていたメロディー入っていたりと、何度歌い込んで新鮮に聞こえる曲で、とにかく何度も何度も歌って行って一体どんな感じの曲にカヴァーしていこうかなと思ってやっていたら、少しずつ大陸的爽やかなイメージ湧いてきたんですよね。 サウンド作りについて 以下のように語っている。最初にイメージしたのは、マイケル・ジャクソンの「You Rock My World」を意識しましたね。次にスティングの「Shape of My Heart」のイメージ出てきましたね。その2曲のイメージからの出発点となりましたが、基本的に静かな感じだけど情熱的などんどん盛り上がっていくような曲にしようと思ったんですよね。そこはやはり、主人公想い通ずる所がありましたね。長らくずっと押さえ込んで来たもの、会いたくて会えない気持ちや、帰ってて欲しくてそばにいて欲しいのに、その人がそばにおらず、ただ待つことしか出来ない愛する人を待つと言う信念を貫くためにはどれだけ情熱必要になるのか、その辺りのアレンジメントはまさにソルヴェイグ気持ちそのものになるんじゃないかなと思いますね。 イントロとアウトロにあるハミングについて 以下のように語っている。最初最後にハミング入ってる所があるんですが、実を言うとグリーク原曲自体が元々それを入れてたんですよ。最初にハミングから始まってメロディー繋がって、それを経た後に最後にちょっと展開をしたメロディーハミング締め括られていく。これは是非ともカヴァーもやりたいなと思い取り入れました。ハミング挟まれタイプ楽曲意外性感じられる方もいらしてるだろうなと思いますが、クラシックを親しんでいる方が聴くと「おお、これは...」と少しニヤリとしていただけるんじゃないかなと思いますね。

※この「ソルヴェイグの歌」の解説は、「Greensleeves (平原綾香の曲)」の解説の一部です。
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