『ガロ』以降とは? わかりやすく解説

『ガロ』以降

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 22:57 UTC 版)

つげ義春」の記事における「『ガロ』以降」の解説

同じ年に、『アサヒグラフ』の連載紀行文描き夫婦旅行をした。これをきっかけに、翌1971年には東北瀬戸内奈良長野・会津へ、1972年には北部九州1973年には長野秋葉街道福島湯岐二岐温泉を巡る旅行行なうこの頃から、都会離れて暮らしたい思うようになり、千葉の大原付近土地物色したり、喫茶店経営考え家賃大変に安い六畳一間住居付き荻窪駅前に転居したりする。しかし開業しないまま2か月で再び調布転居1974年には寡作はさらに進行し、生活が困窮この頃注文なしに描いた義男の青春』を双葉社漫画アクション』へ持ち込むが、75ページ一挙掲載不可能だから3分割するように、ついては1回24ページごとに物語の切りをつける形に直すようにと注文されショックを受ける。1975年には妻が京王閣競輪アルバイトをするほどになる。10月には雑誌太陽』の取材田中小実昌渡辺克己編集者有川の4名で城崎温泉湯村温泉などを周遊11月19日には長男誕生し、その約1ヵ月後の12月25日正式に入籍。昔のマンガ家仲間は、つげの妻について「あんなやさしいひと見たとがない。つげさんが結婚したとき軽い嫉妬感じた」と述懐している。 しかし、長男の誕生は、つげにとってむしろ精神的安定もたらす1976年1月24日NHKドラマ紅い花』の試写会その後の『ガロ』に掲載するための鈴木志郎康らを交えた座談会出席するが、その帰路電車内初めパニック障害様の不安発作襲われる3日後の27日にはNHK佐々木昭一郎より原作料を受け取るが12万円であった。うち5万円は佐々木個人からの謝礼で、NHK原作料は7万円であったNHK謝礼学歴で決まると聞いていたつげは、自分小学校卒だからこんなに安いのかと暗澹たる気分になる。同年酒井荘から近く富士マンション転居、『近所景色』に実名登場する。翌1977年には弟、忠男の住む千葉県流山市江戸川台に近い柏市十余二借家転居、さらに1978年調布市多摩川住宅へと転居繰り返す『ねじ式』によって、つげは芸術漫画家という烙印押しつけられ、それによって発表の場限られるようになってしまい、だんだん描きたいものが描けないというジレンマ陥るようになった当時徐々に進行しつつあったノイローゼ治療の意味もあって、つげは見た夢をノート綴っていく『夢日記』に夢中になり、『夢の散歩』(1972年)という見た夢をそのまま漫画化するような実験試みる。そして、1976年の『夜が掴む』以降夢日記漫画化本格化。夢のシュール漠然とした風景を描くために、つげはパースをわざと狂わせた絵を意図的に描くようになる。『アルバイト』(1977年)、『コマツ岬の生活』(1978年)、『必殺するめ固め』、『ヨシボーの犯罪』、『外のふくらみ』(1979年)、『雨の中の慾情』(1981年)などが描かれた。この当時より、女性肉体リアルに豊満に描く傾向強まり作品に独特のエロティシズムもたらすうになる。かつてのおかっぱ少女は、若夫婦ものの妻に受け継がれるが、すでにかつてのような神秘性失われている。これはつげ自身述懐によれば女性にかつてのような憧憬をもはや抱かなくなったからである。 1976年には、月刊ポエム』(1977年1月号「特集つげ義春」)誌上詩人正津勉対談し、「『ねじ式』は描くネタ困り面白半分で夢を描いてみたもので、思いあまって吐露したというような重大な作品ではなく傑作でもないが、今読み直すとすごく面白い。夢をそのまま描いたわけではなく脚色はしているが、このころは夢は夢のままに脈絡なく描く方が面白感じていた。『ねじ式』のあと2、3本描くが、その後寡作になったのは、つげブームで金が入って怠けていたからだ」と説明1972年の『夢の散歩』ではがらりと作風一変したことについて、「もう黒っぽい画は描かなくなった。何か青のようなものに魅かれるようになった」といい、その理由については「さめてしまったか、ぼけてしまったかどちらかです。重々しいよりも軽々しい方が楽しいですから」と答えた当時の生活は昼頃起床し朝食昼食にはインスタントラーメンなどを食べ食べることには関心がないため夕食朝鮮漬け納豆であった深夜3時4時ころまで起きてただ向かい妄想に耽る日々であった眠ってかりいるため夢を多く見るので、夢日記だけはちゃんとつけていた。そういう生活が数年続いていたと告白している。 1977年、妻がガンにかかり、手術行なう結果良好だったが、心身不調をきたし、ノイローゼ進行し1980年には不安神経症診断される森田療法を受けるが、病気深刻さ自殺決意。しかし、妻子がいることを思い耐える

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