「雲の会」同人へとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 「雲の会」同人への意味・解説 

「雲の会」同人へ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/21 03:58 UTC 版)

加藤道夫」の記事における「「雲の会」同人へ」の解説

1950年昭和25年4月に、サローヤン君が人生の時』の訳書中央公論社より刊行された。雑誌三田文学』には、NHK放送劇「こよなき歌(La Bonne Chanson)」を発表し雑誌人間』には、評論アメリカ演劇常識性」、サルトル戯曲』の翻訳載せた他、『東京新聞』『毎日新聞』『テアトロ』などに「演劇時評」を執筆したまた、福田恆存作の戯曲キティ颱風』の関西公演俳優として協力出演した同年8月には、岸田国士が「文学立体化運動」を提唱して主宰した「雲の会」の結成に、芥川比呂志三島由紀夫矢代静一と共に参加した。この会の発足には他に、大岡昇平小林秀雄福田恆存などもおり、総勢63名が名を連ねた。 また夏には、信濃追分の地、長野県北佐久郡西長倉村大字追分(現・北佐久郡軽井沢町大字追分)を訪れて堀辰雄知り合った加藤この年、再び健康にすぐれず自宅病臥することが多かった。この時期矢代結核患い同じく胸部疾患再発をした芥川2人共慶應義塾大学病院入院していた。 同年11月加藤気胸療法などを試み闘病しながらも、「青年劇場」という文学座から独立した新し劇団構想抱き芥川喚起の手紙を出した研究生一部充分に新しグループ中心たる資格あり、と思う。経済的に精神的に、一さい文学座プロパーから独立して、〈真の演劇〉の方向向けて育て上げること。僕のやりたいこと、すべきことは之以外にない。之が許されないならば僕は止めてしまう。(中略一切オベッカ放棄してL’homme artiste になり給え。君が酒に理性を喪っている姿は見苦しい。某などと言うくだらぬ女とケンカしている君の姿はイタマしいと言うよりは、アサマしい。 — 加藤道夫芥川比呂志への書簡」(昭和25年11月30日付) 1951年昭和26年)、1幕物「まねし小僧」を雑誌少年少女』に発表。「雲の会」の雑誌演劇』(白水社)にカミュの『誤解』の翻訳載せた新潮社刊の『日本現代戯曲集V』に「挿話」が収録され書肆ユリイカから『なよたけ』が限定出版された。 同年6月、『なよたけ』が、約3分の1カットされなよたけ抄』として東京新橋演舞場尾上菊五郎劇団演出岡倉士朗により縮小上演された。大幅なカット上演許可するかどうか加藤迷い戸板康二相談していた。三島縮小上演同情し腹を立てていた。 加藤文学座に入座した動機一つには、自身演出による『なよたけ』の完全上演の夢があり、主人公の文麻呂芥川比呂志ヒロインなよたけ加藤治子配役し、演出助手矢代静一理想であった。しかし彼らは文学座においては、まだ新参者であり時期尚早であったカット上演にしろ他劇団上演すると、さらに文学座での来年上演可能性はほぼなくなったこの年は他に、評論演劇変貌」、「新し芝居(一)(二)」の連載戯曲思ひ出を売る男」を雑誌演劇』に発表NHKのため、シェイクスピア『テンペスト』脚色したまた、中村光夫福田恆存戸板康二と共に雲の会刊行単行本演劇講座』(河出書房より全5巻)の編集携わり評論フランス演劇」「シェイクスピアジョンスン」など執筆河出書房刊行の『現代戯曲選集 第五巻』に「なよたけ」が収録された。10月は、カミュ翻訳書カリギュラ誤解』を新潮社より刊行し11月文学座アトリエで『誤解』を演出した。 加藤出身校である慶應義塾大学予科や、慶應義塾高等学校などで講師務めながら、独自な文体による戯曲発表していった。慶應高校での英語の教え子には浅利慶太などもいた。 1952年昭和27年)には、堀辰雄作『曠野』を新日本放送のため脚色したドーデ戯曲アルルの女』を角川書店角川文庫)より翻訳出版人文書院刊行の『サルトル全集』には加藤訳「」が収録された。また、岸田国士著『新しき演劇のために』(創元文庫版)の「解説」を担当サルトル戯曲悪魔と神様』の抄訳雑誌芸術新潮』に載せて紹介し雑誌放送文化』には評論詩劇に就いて」を発表した同年5月文学座求め応じ堀田善衛原作の『漢奸』『歯車』などより『祖国喪失』を脚色演出した(三越劇場関西上演)。その後は、放送劇街の子」を雑誌悲劇喜劇』に発表評論戯曲文体について」を雑誌文學界』に発表しジュヴェ評論集聴き給へ君(エクツトモナミ)』の抄訳紹介を『芸術新潮』に載せたまた、芥川比呂志演出の『恭々しき娼婦』の関西上演俳優として協力出演ラジオ東京のため『思ひ出を売る男』を放送劇化した

※この「「雲の会」同人へ」の解説は、「加藤道夫」の解説の一部です。
「「雲の会」同人へ」を含む「加藤道夫」の記事については、「加藤道夫」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「「雲の会」同人へ」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「「雲の会」同人へ」の関連用語

「雲の会」同人へのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



「雲の会」同人へのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの加藤道夫 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS