「新仏教」6宗の概要とは? わかりやすく解説

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「新仏教」6宗の概要

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/24 04:35 UTC 版)

鎌倉仏教」の記事における「「新仏教」6宗の概要」の解説

鎌倉新仏教」とは、一般に次の6宗を示している。 宗派開祖教義教理の特色主要著書支持層中心寺院浄土宗 法然源空1133年-1212年 絶対他力専修念仏 難し教義を知ることも、苦し修行も、造寺造塔造仏必要ない。ただひたすらに南無阿弥陀仏」を唱えることが大切だ説く。 『選択本願念仏集』(1198年頃)『一枚起請文』(1212年) 京の公家武士庶民 知恩院京都市東山区浄土真宗真宗一向宗親鸞1173年-1262年 一向専修一念発起悪人正機自然法爾 師である法然教え継承、展開、深化させる。一念発起一度信心おこして念仏唱えれば、ただちに往生決定する)や悪人正機説説く。 『教行信証』(1224年頃)唯円著『歎異抄地方武士農民、とくに下層東本願寺西本願寺京都市下京区時宗遊行宗一遍智真1239年-1289年 全国遊行賦算踊念仏賦算念仏記した配り、受けとった者を往生させる)→男女区別や浄・不浄信心有無さえ問わず万人念仏唱えれば救われる説く。 (『一遍上人語録』) 全国武士農民 清浄光寺神奈川県藤沢市法華宗日蓮宗日蓮1222年-1282年 題目唱和法華経主義四箇格言 法華経こそが唯一の釈迦の教えであり、その他の経典未完成もしくは誤りの法であるとして、題目(「南無妙法蓮華経」)唱和により救われる説く辻説法布教した。末法無戒主張し、それを実践したため、日本仏教における破戒助長した。 『立正安国論』(1260年)『開目抄』(1272年)』 下級武士商工業者 久遠寺山梨県身延町)、中山法華経寺千葉県市川市臨済宗 栄西1141年-1215年 坐禅公案 坐禅組みながら、師の与え問題1つ1つ解決しながら(公案問答)、悟り到達する説く政治通じ幕府保護統制を受ける。 『興禅護国論』(1198年公家、京・鎌倉の上武士地方力武建仁寺京都市東山区)、建長寺神奈川県鎌倉市曹洞宗 道元1200年-1253年 出家第一主義修証一等只管打坐 ただひたすら坐禅を組むこと(只管打坐)で悟りにいたることを主眼とし、世俗に交わらずに厳し修行おこない政治権力接近しないことを説く。 『正法眼蔵』(1231年-1253年懐奘著『正法眼蔵随聞記地方中小武士農民 永平寺福井県永平寺町) すなわち、他力本願旨とする浄土系諸宗浄土宗浄土真宗時宗)、天台宗系の法華宗日蓮宗)、不立文字旨とする禅宗系臨済宗曹洞宗である。 「鎮護国家」の思想のもと、律令国家によって保護され奈良時代南都六宗奈良仏教)が仏教研究者集団としての性格をもち、また、平安仏教においては学問的能力を必要とした顕教にしても、きびしい修行超人的能力前提とする密教にしても貴族仏教としての性格免れなかったのに対して上記の6宗は主として新たに台頭してきた武士階級や一庶民へと広がっていった。 国風文化期に隆盛した浄土教にしても平安時代にあっては阿弥陀堂建立盛行みられるように経済力の裏づけあってのものであったが、それに対し鎌倉仏教は、概して易行いぎょう)…厳し修行ではない 選択せんちゃく)…救済方法一つ選ぶ 専修せんじゅ)…ひたすらに打ち込む の諸特徴有するといわれ、特に念仏重んじる浄土系浄土宗浄土真宗時宗顕著にみられる浄土系諸門はみずからを「他力易行門」と称し禅宗臨済宗曹洞宗)の実践する坐禅を「自力」のわざであり、「難行」であると批判したが、悟り到達する方法として一つ選び、それに打ち込むあり方においては禅宗もまた鎌倉時代成立した他の「新仏教」諸派共通する要素をもっていた。 12世紀からの大転換期にあって、人びと相次ぐ戦乱飢饉末法の世到来実感しあたらし救い仏教求めたこうした要望こたえたのが、信心修行あり方着目した念仏題目、および禅の教えであった。これらは、庶民新興武士階級にも受容できる仏教あり方だったのである。そして、民衆の生活に奥深く浸透していった点で、鎌倉仏教(「鎌倉新仏教」)は、大陸から伝わった仏教の「日本化」を示す現象として説明される

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