漂着とは? わかりやすく解説

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ひょう‐ちゃく〔ヘウ‐〕【漂着】

読み方:ひょうちゃく

[名](スル)ただよい流れて岸に着くこと。「無人島に—する」


漂着

作者夏堀正元

収載図書津軽ミステリー傑作選
出版社河出書房新社
刊行年月1987.8
シリーズ名河出文庫


漂着

作者三ツ野豊

収載図書銀河
出版社鳥影社
刊行年月2005.3
シリーズ名浦島タロウ未来編


漂着(ひょうちゃく) stranding

ウミガメ場合、その死体または弱って遊泳力を失った個体海岸流れ着くことをいう。 

漂着物

( 漂着 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/29 16:14 UTC 版)

糸満海岸マンドリン
ゴーストネット(廃漁網)に絡まったウミガメ
ハワイの砂浜

漂着物(ひょうちゃくぶつ)とは、海流潮流などによって、漂流物が海辺に打ち上げられ漂着した物の総称である。

その内容は多彩を極め、利用価値が無い漂着物は漂着ごみ等と呼ばれ処分されるが、ときに観察蒐集の対象となることもある。

近世以前の日本では、寄物(船の場合は寄船、漂流船は流船)と呼んだ。

概要

日本は四方をに囲まれていることもあって、古来から漂着物には大変恵まれている。漂着物は時代や場所とともにその内容を変える。漂着物を観察し、あるいは吟味することは、その場所やその時代を知る上での意味ある行為である。

さまざまな漂着物

漂着物には、大きく分けて自然物と人工物があり、自然物でもっとも一般的に見られ、またイメージされるものとしてはがある。その形や大小はまちまちながら、それゆえ漂着物の中でも面白く人気がある。また、長期間にわたって漂流し、あるいはに揉まれるため、自然の侵食により、そのままで見事な造形品に仕上がっていることもある。

人工物では、プラスティックビニール類が多くペットボトルが圧倒的に多い。また、日本海側の海岸では朝鮮半島中国からの漂着物が多く、太平洋側とは大きく異なっている。

漂着物と日本の法律の扱い

自然物

その場にある石や砂は、自然公園法海岸法が扱う。海藻等は漁業法、サンゴなどは自然公園法が扱う。流木・貝殻・木の実などは海岸法が扱う。漂着した動物などは、水産資源保護法などで水産庁や漁協や警察などの判断を仰ぐため触ってはいけない[1]

人工物

無価物については、廃棄物の扱いとなる。警察などに届けて無主物となった場合は、無主物先占によって、拾った人の物となる。有価物の扱いは、遺失物法、水難救護法によって判断される。麻薬や銃刀法などの危険物は警察などが取り扱う[1]

漂着種子

ココヤシの実

漂着物の中に植物の果実種子等の散布体が混じり、漂着後発芽する場合がある。このような種子を漂着種子と言う。さらに海流による散布のための適応を持つような種子を海流散布種子、その植物を海流散布植物と呼ぶ。これは植物の重要な繁殖戦略の1つである。熱帯系の植物に多く、上述の島崎藤村の「椰子の実」に歌われたココヤシもその代表的な例である。漂着種子は、種子を保護するため果肉や種皮が厚い、海水に浮くため繊維層を持つなどの特徴を持つ。またヒルギ科等の胎生種子も漂着種子の例である。動物の場合も漂着から分布を拡大する例があると考えられ、海流による分散は動物の分布に大きな意味を持つ。

漂着種子をつくる植物

法律(所有権、処分時の管轄)

漂着船の中に死体や病人がいた場合は、行旅病人及行旅死亡人取扱法にて対応が決められている。

物の場合は、海洋法に関する国際連合条約にて、沿岸国は「海洋環境の保護及び保全」に関する管轄権を有する。

所有権に関しては、水難救護法が制定される前は略奪などが行われてきた。制定後は、一度市町村長に届け出る義務が定められ、告知などを行って所有者を探したうえで、取得者に報酬が支払われる。経済的な価値が無い漂着物に関しては、水難救護法は適用されない。

危険物に関しては、海岸管理者が対応を行う。危険物とは、ガソリンなどの入った引火性液体容器・機雷や不発弾や照明弾などの火薬類・ガスボンベなどの気体燃料・医療系廃棄物・中身が不明な薬品類・動物の死骸・ガラスや金属類である[7]

2009年7月15日に、海岸の保全と景観保護のための海岸漂着物処理推進法が成立した[8]

出典

  1. ^ a b 倉重加代「海岸での採取行為とわが国の法制度」『漂着物学会誌』第4巻、2015年12月25日、31-37頁。 
  2. ^ 八代, 正彦、勝山, 碧、中前, 琢磨、肥後, 恵理、宮本, 真智子、福元, 明子、林, 敬人「漂着死体における溺死診断のための検査法について」、漂着物学会、2021年12月25日、doi:10.57279/driftological.19.0_1 
  3. ^ 気象庁|海洋汚染の知識 浮遊タールボール”. www.data.jma.go.jp. 2024年12月19日閲覧。
  4. ^ 原油流出、深まる爪跡:タールボール”. natgeo.nikkeibp.co.jp. ナショナル ジオグラフィック. 2024年12月19日閲覧。
  5. ^ 漂着:山形の離島に照明弾 ハングルの記載”. 毎日新聞. 2022年10月19日閲覧。
  6. ^ Phosphor ähnelt Bernstein und verbrennt Mann am Strand” (ドイツ語). Der Spiegel (2014年1月15日). 2022年10月19日閲覧。
  7. ^ 海岸漂着危険物対応ガイドライン - 国土交通省
  8. ^ 海岸漂着物処理推進法関係”. 環境省. 2022年10月23日閲覧。

参考文献

関連項目

外部リンク


漂着

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/12/30 18:01 UTC 版)

崔溥」の記事における「漂着」の解説

2月28日強い雨降り続いていたが、乗り組み一人人気のない海岸線見つけた。 それと同時に6艘の中国の舟に囲まれたが、これらの舟に乗っている者たちは翌日まで崔溥の舟に乗り移ってこようとはしなかった。 崔溥中国語話せなかったので、筆談試みた崔溥中国の舟に乗っている者たちに、最も近い街道までの道のり尋ねた。 彼らが台州までの道のりまちまち答えたので、崔溥騙されているのではないかと訝しんだが、Brook (1998)によると彼らは騙そうとしたのではなく、単に内陸旅したことがなくて無知だっただけであろういずれにせよ、6艘の中国船の船乗りたちは崔溥らを倭寇だと信じ、船の中にあったものを奪い取った折から激しい雨が降り始め辺り一帯水浸しにし始めた中国人船乗りたちは自分たちの舟へ引き上げ、これを好機見た崔溥一行は、岸辺へとの中、一目散に逃げた上陸して最寄り街道探して数日経ったのち、明兵に発見され台州衛所へと連れて行かれた。 明の兵に見つかったとき、海上船乗りたちに遭遇したときや岸辺沿いの村人たち出会ったときと同じくやはり、彼らに殺されかけるが、崔溥機転利かせて誤解解きまた、教養ある士大夫であることを示したので助かった3月6日台州衛所司令官部下命じて地方司令部のある紹興まで護衛させることにした。 紹興から杭州役所まで、さらに、最終的には、大明帝国首都北京まで移送してもらえることになった台州府衛所は、輿を用意してくれた。崔溥一部部下はそれに乗ることができたが、道が荒れている場所では輿から下りて、他の者と同様に歩かなければならなかった。

※この「漂着」の解説は、「崔溥」の解説の一部です。
「漂着」を含む「崔溥」の記事については、「崔溥」の概要を参照ください。

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