バレーボール日本男子代表
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国または地域 |
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大陸連盟 | アジアバレーボール連盟 |
協会 | 日本バレーボール協会 |
監督 | フィリップ・ブラン |
国名コード | JPN (Japan) |
FIVBランキング | 7位(2023年1月版)[1] |
オリンピック | |
出場回数 | 9回 |
初出場 | 1964 東京 |
最高成績 |
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世界選手権 | |
出場回数 | 16回 |
初出場 | 1960 世界選手権 |
最高成績 |
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ワールドカップ | |
出場回数 | 14回 |
初出場 | 1965 ワールドカップ |
最高成績 |
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アジア選手権 | |
出場回数 | 21回 |
最高成績 |
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歴史
アジア選手権で最多優勝9回を誇る男子日本代表は、アジアを代表する古豪チームでもある。
1927年に大日本排球協會が設立され、1951年に国際バレーボール連盟へ加盟[2]。 1960年世界選手権(第4回大会)に初出場を果たすと、1960年代から1970年代にかけて世界の強豪国として活躍し1964年東京オリンピックで銅メダル、1968年メキシコオリンピックでも銀メダルを獲得した。東欧の強豪・東ドイツを破り、金メダルを獲得した1972年ミュンヘンオリンピックでは、準決勝のブルガリア戦でセットカウント0-2からの逆転劇を演じ、当時メディアからは「ミュンヘンの奇跡」と呼ばれた[3][4] [5][注 1]。
その後、1980年代(川合俊一・熊田康則・井上謙らのブームはあったものの[8])から2000年代にかけて長い低迷の時期を迎えた。1992年バルセロナオリンピック以降、3大会連続でオリンピック出場権を失っていたが、北京オリンピック世界最終予選において、16年ぶりのオリンピック出場を決めた。だが、2008年北京オリンピックでは5戦全敗で1次リーグで敗退、11位タイという結果に終わった。オリンピックで1勝もできなかったのはこれが初めてであった。
翌年の2009年ワールドグランドチャンピオンズカップ(グラチャンバレー)では1977年ワールドカップの銀メダル獲得以来、主要国際大会において32年ぶりとなる銅メダルを獲得したが、金メダルのブラジルや銀メダルのキューバにもストレート負けを喫するなど、課題も残した。2010年バレーボール男子世界選手権では2次リーグで敗退して前回の8位を下回る13位タイに終わった。翌年の2011年バレーボール・ワールドリーグでは1勝11敗の15位に終わるも、福島第一原子力発電所事故の影響ですべてアウェーの試合だったことを考慮され、プレーオフ免除で2012年の出場が認められた。2011年バレーボール男子アジア選手権では5位に終わり、4大会ぶりにメダルを逃した。2011年ワールドカップバレーボールは開幕5連敗に始まり、エジプトと中国に2勝したのみで過去最低タイの10位に終わり、勝つチャンスをミスで不意にしてしまう勝負弱さを露呈した。ロンドン五輪最終予選では、昨年のW杯の惨敗を受けてサーブやブロックの強化を図り、その成果は所々で現れてはいたが大事なところで勝ち点を取りこぼし、最終戦直前にオーストラリアがアジア枠で出場権を獲得したため、日本代表の敗退が確定して消化試合となったイラン戦でもストレート負けに終わった。
2013年より代表初の外国人監督として、かつてアメリカ代表のコーチを務めたゲーリー・サトウ( アメリカ合衆国)が就任した[9][10]。が、成績不振のため2014年2月5日付でゲーリー監督を解任し、後任の監督に南部正司が就任したことが発表された[11]。南部監督は2015年4月、石川祐希、柳田将洋、高橋健太郎、山内晶大の若手4選手を次世代の日本代表のリーダー候補として「NEXT(ネクスト)4」と命名すると発表した[12]。彼らをキャラクター化したコメディタッチのミニアニメ『ガンバレー部NEXT!』も同年、フジテレビで放送された。「NEXT4」らが出場した9月のワールドカップの男子大会は徐々に観客数が増え、顕著には視聴率には直結しなかったものの[13][14]中盤からは会場(Aサイト)が連日満員となった[15][16]。ところが翌年の2016年6月、リオデジャネイロ五輪最終予選では4敗した5日目の時点で日本代表の五輪出場の夢が絶たれた。試合中に両エースである柳田・石川の負傷もあった[17][18][19]。
2017年、中垣内祐一監督の就任にあわせて元フランス代表のフィリップ・ブランがコーチを務めた。2019年ワールドカップバレーボールでは初となる5連勝を含めて8勝3敗で終え、28年ぶりの4位となった[20]。
2021年8月1日東京オリンピックでバレーボール男子の1次リーグ最終戦が行われ、A組の日本男子はイランに3―2で競り勝ち通算3勝2敗の同組3位で準々決勝に進んだ。日本男子の8強入りは1992年のバルセロナ五輪以来、29年ぶりの快挙となった。
2021年10月14日、中垣内監督のもとでコーチを務めたブランが日本代表の次期監督に内定したことが日本バレーボール協会から発表された[21]。
呼称について
かつては競技スポーツ全般において、日本のナショナルチームを「全日本」と呼ぶことが通例であったが他の競技ではこの呼称は使われなくなってきており、バレーボールに関しても報道機関によっては「日本代表」と呼称している場合があった。日本バレーボール協会では2018年までの「全日本」「全日本チーム」という呼称を変更し、2019年より「日本代表」という呼称を使用することとした。
日本バレーボール協会では、「監督名+ジャパン」のような(例: 「植田ジャパン」)メディアからの番組放送上の呼称発信ではなく、協会が自らキャッチフレーズを提唱することを決定している。2009年3月から4月にかけてチームの愛称を公募した。2009年6月、一般公募の中から協会での選考の結果、チームの愛称を「龍神NIPPON」とすることを表明した[22][23]。のちに龍をモチーフにした、キッズバージョンのキャラクター「龍神くん」も登場した[24][25](女子は「火の鳥ちゃん」[26])。
ユニフォーム
女子に遅れること6年、男子も2009年のグラチャンバレーから、ノースリーブ型を採用した[27]。
東日本大震災が発生した2011年、ワールドカップで着用したユニフォームのデザインテーマはTSUBASA(ツバサ)[28]。左胸(日の丸の上部)に、こころはひとつと、女子同様に縫いつけられた[注 2][注 3]。
2013年[29]、ユニフォームが半袖に変わった(戻った)。黒い長袖のアンダーシャツを着用する選手も数名出てきた[30]。
サプライヤーのアシックスは、2020年東京五輪に向けて「Star cluster(星団)」をコンセプトに定め、2017年は「Light emission(発光)」をテーマにフラッシュイエローの新色を採用した(他の2パターンは従来通り赤と白で、黒は休止)[31]。
過去の成績
アジア選手権の成績
- 1975年 -
優勝
- 1979年 -
3位
- 1983年 -
優勝
- 1987年 -
優勝
- 1989年 -
準優勝
- 1991年 -
優勝
- 1993年 -
3位
- 1995年 -
優勝
- 1997年 -
準優勝
- 1999年 - 4位
- 2001年 -
3位
- 2003年 - 6位
- 2005年 -
優勝
- 2007年 -
準優勝
- 2009年 -
優勝
- 2011年 - 5位
- 2013年 - 4位
- 2015年 -
優勝
- 2017年 -
優勝
- 2019年 -
3位
- 2021年 -
準優勝
オリンピックの成績[32]
- 1964年 -
銅メダル
- 1968年 -
銀メダル
- 1972年 -
金メダル
- 1976年 - 4位
- 1980年 - 最終予選敗退
- 1984年 - 7位
- 1988年 - 10位
- 1992年 - 6位
- 1996年 - 最終予選敗退
- 2000年 - 最終予選敗退
- 2004年 - 最終予選敗退
- 2008年 - 11位
- 2012年 - 最終予選敗退[33]
- 2016年 - 最終予選敗退
- 2020年 - 7位
世界選手権の成績
ワールドカップの成績
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ワールドグランドチャンピオンズ杯の成績
ワールドリーグ・ネーションズリーグの成績
- 1990年 - 6位
- 1991年 - 7位
- 1992年 - 10位
- 1993年 - 6位
- 1994年 - 8位
- 1995年 - 8位
- 1996年 - 9位
- 1997年 - 12位
- 1998年 - 不出場
- 1999年 - 不出場
- 2000年 - 不出場
- 2001年 - 9位
- 2002年 - 13位
- 2003年 - 13位
- 2004年 - 10位
- 2005年 - 10位
- 2006年 - 13位
- 2007年 - 13位
- 2008年 - 6位
- 2009年 - 15位
- 2010年 - 予選敗退
- 2011年 - 15位
- 2012年 - 15位
- 2013年 - 18位
- 2014年 - 19位
- 2015年 - 13位
- 2016年 - 24位
- 2017年 - 14位
- 2018年 - 12位
- 2019年 - 10位
- 2021年 - 11位
- 2022年 - 5位
注
出典
- ^ “FIVB Senior World Ranking - Men”. FIVB. 2022年5月10日閲覧。
- ^ “Asian Volleyball Confederation (AVC)”. FIVB. 2010年5月28日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2010年6月30日閲覧。
- ^ あのときの五輪〜1972年ミュンヘン大会 - どらくスペシャル
- ^ “「ミュンヘンの奇跡」 バレーボール・南将之”. 日本トップリーグ連携機構. 2010年6月30日閲覧。
- ^ “スーパーエース中垣内、ミュンヘンの奇跡・南将之ら、男子バレー名アタッカー列伝”. スポーツナビ. 2010年6月30日閲覧。
- ^ “バレー界の巨人・松平康隆さん死去…五輪男子「ミュンヘンの奇跡」で金に導く”. スポーツ報知 (2012年1月6日). 2012年1月9日閲覧。
- ^ 福田隆, 糸岡夕里, 遠藤俊郎「バレーボールワールドカップ2007男子における出場チームの特徴と試合結果に関する一考察」『愛媛大学教育学部保健体育紀要』第7号、愛媛大学教育学部保健体育学教室、2010年3月、 31-38頁、 NAID 120006527589。
- ^ “モテ男”川合、ガイチら、男子バレーのイケメンを紹介 - スポーツナビ
- ^ バレーボール全日本男子、新監督に初の外国人 読売新聞 2013年2月18日閲覧
- ^ バレー男子初外国人監督 ボーナスも破格(日刊スポーツ) - goo ニュース
- ^ 全日本男子チーム監督交代を決定 新監督には南部正司氏が就任 - 日本バレーボール協会 2014年02月06日
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- ^ VOL.37 2015年9月7日(月) ~ 9月13日(日) 週間高世帯視聴率番組10(最新) | ビデオリサーチ
- ^ VOL.38 2015年9月14日(月) ~ 9月20日(日) 週間高世帯視聴率番組10(最新) | ビデオリサーチ
- ^ 男子バレー代表、まさかの会場満員!?若いエースと爽快な試合が面白い。 - Number Web
- ^ 「空席」から「完売」へ。石川効果で盛り上がる男子バレー! - スポルティーバ 公式サイト
- ^ 日本、五輪遠のく痛恨の黒星 柳田負傷で石川の負担重く - 産経ニュース(奥村信哉)、2016年6月1日
- ^ リオ五輪バレー世界最終予選男子 日本 0 - 3 オーストラリア - FNN、2014年6月3日
- ^ 石川「自分が決めないと」右足首痛め途中で退く - 日刊スポーツ、2016年6月3日
- ^ 【バレーボール】ワールドカップバレー・日本×ブラジル フジテレビ【FNN Live News α】 JCCテレビすべて 2019年10月15日
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- ^ 火の鳥NIPPON・龍神NIPPON 選手キャラクターシール バレーボールステーション
- ^ 新戦術「Hybrid6」でロシアに勝利し白星スタート! FIVBワールドグランプリ2014ファイナル東京大会 日本バレーボール協会
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- ^ プレスリリース-アシックス・企業情報トップ 平成23年10月20日
- ^ “FIVBワールドリーグ2013開幕! ゲーリー・サトウ新監督の初陣は黒星”. 日本バレーボール協会 (2013年6月1日). 2014年2月7日閲覧。
- ^ 龍神NIPPON、ベネズエラに勝利し白星スタート! 2016リオデジャネイロオリンピック世界最終予選兼アジア大陸予選大会 - 日本バレーボール協会、2016年5月28日
- ^ 全日本男子バレーボールチームの試合用ユニホームについて - アシックス、平成29年5月15日
- ^ オリンピック出場の歴史 - NPO法人日本バレーボール・オリンピアンの会
- ^ 日本の試合結果|2012ロンドンオリンピックバレーボール世界最終予選
- ^ “Japan team roster”. 2022年5月20日閲覧。
- ^ “東京オリンピック エントリー”. 2022年4月27日閲覧。
- ^ 全日本バレーボールチーム 男子・中垣内祐一監督、女子・中田久美監督の就任が内定 - JVA、2016年10月25日
- ^ 龍神NIPPON・中垣内祐一新監督、火の鳥NIPPON・中田久美新監督が所信表明 全日本男女チーム新監督就任内定記者会見を開催 - JVA、2016年10月26日
- ^ MSN産経ニュース. “【バレー】”. 2013年11月24日閲覧。
- 1 バレーボール日本男子代表とは
- 2 バレーボール日本男子代表の概要
- 3 現在の代表
- 4 歴代の監督一覧
- 5 歴代の主な主将
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