25thアニバーサリー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 08:08 UTC 版)
「ランボルギーニ・カウンタック」の記事における「25thアニバーサリー」の解説
ランボルギーニ創立25周年記念モデルとして25thアニバーサリー(25th Anniversary)はカウンタックの後継車の複数の技術をテストするために、下記の試作車を経て設計された。 L150 -ランボルギーニがクライスラーに買収される前、創立25周年記念モデルの開発がスタートした時にL150という試作モデルが作製された。デザインはジュリオ・アルフィエーリで、ベースとなったのは1986年式クワトロバルボーレのインジェクション仕様であったが、クライスラーの意向で廃案になった。現存は1台のみで、日本にある。 カウンタックエヴォルツィオーネ -Countach Evoluzioneは、カウンタックの後継車の複数の技術をテストするために、1987年に作製されたプロトティーポ車である。1983年からランボルギーニに在籍していたオラチオ・パガーニ (Horacio Pagani) らが当時チーフエンジニアのルイジ・マルミローリに複合素材エンジニアリングチームをつくる事が許され、作製された。従来のカウンタックとの根本的な違いは、プロダクションモデルのスチールスペースフレームシャーシは無く、新しい複合ユニボディ構造のバスタブ状センターモノコックボディに完全に置き換えられ、ケブラーと炭素繊維強化プラスチック、アルミニウムハニカムパネルなど、多くの複合材料が組み込まれた。フロントブーツリッド、リアエンジンカバー、フロントエアダム、ホイールアーチはカーボン/ケブラーコンポジットで作られ、ウィングとドアは従来型でありながら軽量のアルミニウムパネルを使用し、すべてのボディパネルは塗装されない剥き出しだった。複合材料で作られた空力ホイールカバーもテストされたが、熱の蓄積とブレーキのフェードが増加することがわかった。これらの変更により、LP5000QVと比較して、約397 kg軽量化され、新しいボディは抗力係数を約10%減少させ、不足していた内装の防音、エアコンも充実させられた。テストを続けで継続的に変更され、トランスミッションはショートスローシフターに変更されたが、それ以外はLP5000QV生産モデルのエンジン、サスペンション、ホイールを使用したが、これらのコンポーネントはすべてテスト中に変更され、エンジンは、実動エンジンに基づいているが、パフォーマンスを向上させるためにチューンされており、約368 kW(500 PS; 493 hp)を生成し、約4秒で0–97 km / hに加速し、最高速度は約320 km / hと報告された。ランボルギーニのエンジニアは、Evoluzioneが存在した間、多くのテクノロジーのテストベッドとして使用し、4WDドライブトレイン、電子制御の車高、アクティブサスペンション、ABS、格納式の低抗力ワイパー等があった。この1台きりのEvoluzioneプロトティーポは、衝突試験で破壊され、現在しない。Evoluzioneは量産に繋がらなかったが、1988年の下記25th Anniversaryと後継車Diabloには、複合ボディパネル、カーボンファイバー/ケブラーを含むエンジニアリングの一部、下部ドアシルに統合されたエアインテークなど、Evoluzioneの機能が反映された。オラチオ・パガーニはメーカーとして独立し、1999年にカーボンモボコックシャシーはパガーニ・ゾンダに結実し設計、販売された。 1985年、エンジニアのルイジ マルミローリがジュリオ アルフィエーリの後を継いでアウトモビリ・ランボルギーニの技術部門の責任者に就任した年には既にカウンタックの生産終了が予見されていたが、後継車ディアブロの開発が遅れた事もありカウンタックアニバーサリーの発売が決定。幾つものプロポーザルの中から選ばれたのは1985年に考案したジャルパのリスタイリング案を発展させたオラチオ・パガーニによる画稿だった。生産開始から14年を経たカウンタックに新鮮さを取り戻すべく、1988年9月のパリ・モーターショーで、ランボルギーニ創立25周年記念モデルとして25thアニバーサリー(25th Anniversary)を発表。機械的には5000QVと同様で、スタイリングを担当したのは、のちにパガーニ・アウトモビリ社を創業することになる当時ランボルギーニに在籍していたオラチオ・パガーニ (Horacio Pagani) 。パガーニはシェイプに丸みを加え、オーバーフェンダーやドアの下のプレート部分などの突起部分がより自然な形で組み込まれるよう細部の形状が変更され、特に、ウインドウ後部のエアボックス吸気ダクトをシャープに引き伸ばし、さらに後方にあったダクトを前方に移動し、ボックスの真上に配置され、横方向から縦方向に走るフィンストレーキに改められた。これにより、ラジエーターの後ろにあるエアボックスの位置を移動させることができ、ラジエーターからの空気の流れが良くなりエンジンの冷却が改善された。また、デュアルレイズドセクションとトライダクトのコンセプトから、5000QVですでに変更されたエンジンベイカバーを再デザインし、デュアルダクトが組み込まれ、更にリアバンパーが導入され、LP400Sからオプションのリアウイングは設定が無くなった。試作車上記エボルツィオーネから直接採用されたものも含むこれらの変更は、ダウンフォースとドラッグについて優れた結果を出している。OZ製の新デザインピアスボルト付き2ピースアルミホイールは15インチ径でリア12J。Pirelli P Zero Asimmetricoのサイズはフロント225/50R15、リア345/35R15でシャシーは新しいタイヤサイズに合わせて調整された。カウンタックの最も洗練された、最速のバリエーションであり、4.7秒で0〜97 km/hに加速し、最高速度295 km/hを達成した。電子燃料噴射装置が搭載された「米国」バージョンと、キャブレターを搭載したその他の地域向けのバージョンとで大きく異なる。内装はホールドがよりコンパクトになったシートは電動で調整可能になり、パワーウィンドウも搭載された。本モデルがカウンタックの最終モデルとなり、各モデルの中で最多となる657台がランボルギーニ・ディアブロに代わる1990年まで生産された。最後にラインオフした1990年7月4日にヨーロッパ仕様で生産されたArgeno Metallizzato(メタリックシルバー)色で内装はグレー革のナンバー658を冠した個体(シャーシナンバー:ZA9C005AOKLA12085)は、当初LP500プロトのデザイナーのマルチェロ・ガンディーニに寄贈される予定であったが、ガンディーニは「(自らの)過去の作品には興味がない」という理由でこれを辞退し、「ランボルギーニミュージアム」に所蔵された。
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