スターチャイルドとは? わかりやすく解説

スターチャイルド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/09 13:09 UTC 版)

スターチャイルド
親会社 キングレコード
設立 1981年
設立者 藤田純二
解散 2016年1月31日
現況 キング・アミューズメント・クリエイティブ本部へ統合し消滅
販売元 キングレコード
ジャンル アニメ声優実写J-POP
日本
本社所在地
公式サイト スターチャイルド - ウェイバックマシン(2015年3月15日アーカイブ分)

スターチャイルド: STARCHILD)は、1981年から2016年まで存在した主にアニメ声優実写映画ドラマ関連の商品や作品を取り扱うキングレコード社内レーベル。正式名称は「スターチャイルドレコード[1]。通称は「スタチャ」(すたちゃ)・「星の子」とも呼ばれる。キングレコードの内部組織としては本部に相当していた。

概要

アニメ関連の楽曲の専門レーベルとしては業界でも古参であり、アニメファンへの認知度・浸透度は高かった。

アニメ・声優関連以外では、『ライオン丸G』などの特撮作品、『ケイゾク』(TBS製作)・『古代少女ドグちゃん』(MBS製作)・『必殺シリーズ』(ABC製作)などのテレビドラマといった一般向けの実写作品も担当した実績があり、過去には森口博子など声優業を行っていない歌手の場合、アニメ関連以外の楽曲が多くなった際にメインレーベルに異動させた例がある。

なお、キングレコードには他にもアニメ事業を展開しているレーベルとして、メインレーベル(キングレコード)のアニメ部門「第三クリエイティブ本部」や、スターチャイルドから派生した「EVIL LINE RECORDS」がある。スターチャイルドや第三クリエイティブ本部の他、三橋美智也などの演歌・歌謡曲部門「第一クリエイティブ本部」、J-POP部門「第二クリエイティブ本部」、大塚文雄などの民謡部門の歌手がアニメ主題歌を担当した例があるが、本来のレーベルから発売されるか、スターチャイルドからの発売となるかは作品によって異なっていた。

「スターチャイルド」は、キングレコードの商標登録となっている。

歴史

1981年、キングレコード社員で主にサンライズ関連のアニメ楽曲を担当していた藤田純二らによって設立。レーベル名は『2001年宇宙の旅』に登場する「スターチャイルド」(新人類)を意識してタイトルにした「スターチルドレン」(劇場版機動戦士ガンダム関連曲)の話を氷川竜介に聞いた藤田が採用を決定したものであり、ロゴも氷川から紹介されたデザイナーによるものである。スターチャイルドマークは正式発足前の1981年7月5日発売の哀戦士シングル盤にて初めて付けられるようになり、同年10月21日発売の交響曲イデオンよりスターチャイルドレーベルが正式発足した[2]

しかしその後、藤田ら担当社員たちは1985年にユーメックスを設立し大量に独立したため、部門解消の危機に陥ったが、残った大月俊倫らで初プロデュースしたドラマCD『ドリームハンター麗夢』などの大ヒットによってV字回復を達成し、スターチャイルドレーベルは再建された。

1990年代中盤からは『新世紀エヴァンゲリオン』など数多くの人気アニメの制作に参加し、タイアップの形式を中心に林原めぐみ堀江由衣angelaなどの人気声優やアーティストの曲を多数輩出した。

2000年代に入ると、『魔法先生ネギま!』の関連CDなどを含めてオリコンウィークリーランキングに初登場ベスト10入りを果たすなどし、前述のユニットやスポンサーを務めるラジオ番組アニラジ)の連動企画などを発端として、単独のラジオ番組やオリジナル曲の発表、ライブなど作品関連の活動を超えて期間限定で独立した活動を展開するパターンも増えている。制作作品で出演者による音楽ユニットを結成させて、主題歌などを制作することも増えつつある[注 1]。2000年代では同社が製作したアニメ作品において、同業社のランティスが音楽を担当し、キング側へCDの販売を委託しているものもあった。

2010年代に入ると、スネオヘアーももいろクローバーZといった、一般アーティスト・アイドルを擁す様になって、アニメ専門色がより薄れつつあり、2012年10月からは、作品の特設サイト一覧ページが「アニメ」[3]と「実写」、アーティストの特設サイト一覧ページが「声優系」[4]と「J-POP系」に分離された。

2014年4月、ももいろクローバーZらが所属していたスターチャイルドの「J-POP系」部門がレーベル「EVIL LINE RECORDS」(イーブルラインレコード)を新設し独立[5]。再びアニメ・声優専門になったもののメインレーベル寄りの「第三クリエイティブ本部」との位置付けが次第に曖昧になっていった。同年10月から放送のテレビアニメ『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』では第三クリエイティブ本部と初の共同製作を行った。

2015年6月には、スターチャイルド率いるキングレコード系アニメの集大成とも言えるライブイベントKING SUPER LIVE 2015を開催する。

これが契機になり2016年2月1日付けでスターチャイルドと第三クリエイティブ本部が事業統合し、「キング・アミューズメント・クリエイティブ本部」に移行、メインレーベルの新アニメ部門となり、『スターチャイルド』のレーベルが消滅[6]。これにより、34年半続いたスターチャイルドの歴史に幕を閉じた。

主なスタッフ

2013年2月1日付けのキングレコード大幅組織改定の際に、スターチャイルドも下記の体制に改められた。

  • 大月俊倫 - キングレコード専務取締役スターチャイルドレコード担当、エグゼクティブ・プロデューサー委嘱[7]
  • 森山敦 - キングレコード上席執行役員スターチャイルドレコード本部長、同本部BCCグループ長、販促グループ長。
  • 中西豪 - スターチャイルドレコード制作宣伝部長、同部第一グループ長。
  • 宿利剛 - スターチャイルドレコード制作宣伝部第二グループ長。

過去の所属アーティスト

キング・アミューズメント・クリエイティブ本部発足に伴いそのまま新部署に移行したアーティスト
EVIL LINE RECORDSに移籍したアーティスト
Aice5のみ2015年の再結成に合わせてEVIL LINE RECORDSに移籍、それ以外はレーベル発足時に移籍。
その他過去に所属していたアーティスト
本来は他レーベル所属(本業がJ-POP・演歌/歌謡曲・民謡・童謡など)ながら、アニメ関連楽曲で本レーベルから発売

販売委託アーティスト

製作に参加した作品

五十音順に列挙した。斜体EVIL LINE RECORDS発足後扱いが同レーベルに移行した作品。

テレビアニメ

前述の通り、音楽制作をランティスが担当している作品があり、それらには「※」印を付した。

OVA

Webアニメ

アニメ映画

実写映画

ドラマ

特撮

その他

ラジオ番組

以下のアニラジのスポンサーとして名を連ねている。ほとんどはラジオ局(主にAM局)が制作しているが、『Heartful Station』や『Tokyo Boogie Night』については自社で番組を制作している。

イベント

製作作品毎のイベントや所属アーティストの単独ライブをこれまでに多数開催していた。

スターチャイルドまたは会社規模としては過去も含め、以下のようなイベントが開催されていた。

STARCHILD PRESENTS STARCHILD FESTIVAL
自身が主催していたレーベルイベント、これまでに2002春(東京)、2002秋(大阪)、2007 Spring(東京)、2009 Spring(東京)の計4回開催された。作品別のトークコーナーと所属アーティストライブパートコーナーに分かれているのが特徴。
STARCHILD DREAM in KOBE
ラジオ関西が神戸で開催していたスターチャイルドのライブイベント。1st(2003年)、2nd(2004年)、3rd(2006年)、2007、2008の計5回開催された。
KING SUPER LIVE
第三クリエイティブ本部と共同で開催された、会社史上初となるキングレコード株式会社全体のアニメソングライブ(ただし、スターチャイルドから派生したEVIL LINE RECORDSは関与していない)。スターチャイルド及び第三クリエイティブ本部の現役所属アーティストに加え、過去にスターチャイルドなどに所属していた中で代表的なアニメソングアーティストも集結した。キングアミューズメントクリエイティブ移行後も開催されている。
STARCHILD presents LIVE NEXUS
所属アーティストの「繋がり」や「連鎖」をテーマにした新しいレーベルライブイベント。第1弾として上坂すみれと小松未可子、2人の出演で2015年9月26日に開催したが、それからわずか4ヶ月後にスターチャイルドレーベルが消滅したため、一度きりの開催となった。

不祥事・騒動

関連項目

脚注

注釈

  1. ^ やまとなでしこPritsPuppy'sパステルDROPSTAMAGOAice5(現在はEVIL LINE RECORDSに移籍)、Friendsといった声優ユニットや、『ドラマ版 魔法先生ネギま!』に出演する女優によるpRythmeなどが挙げられる。パステルとAice5は解散発表を行っているが、これらの多くは公式な発表がないまま、無期限活動休止あるいは事実上の解散状態となっているものが多い。DROPSやAice5の場合は、ラジオでの企画でなく単独で企画されたユニットであることが特徴的である。
  2. ^ メインレーベルのJ-POP部門(のちの第二クリエイティブ本部)に移籍
  3. ^ 第三クリエイティブ本部に移籍
  4. ^ 第1、第2シリーズ、一部の劇場版の主題歌・テーマ・挿入歌は日本コロムビアが保有。その他最近の音源はバップが保有。

出典

  1. ^ スターチャイルドレコード情報番組「ワシスタ〜意外とおもしろい番組〜」”. 2014年10月29日閲覧。
  2. ^ 著者氏名『スターチャイルドハンドブック』キングレコード、1983年8月21日。 
  3. ^ アニメ作品一覧”. すたちゃまにあ〜STARCHILD WEB SITE〜. 2014年10月29日閲覧。
  4. ^ 声優系アーティスト一覧”. すたちゃまにあ〜STARCHILD WEB SITE〜. 2014年10月29日閲覧。
  5. ^ ももクロ、特撮、ドレスコーズらがキング新レーベルへ”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2014年4月2日). 2014年10月29日閲覧。
  6. ^ キング、2月組変で三クリとスタチャ統合等 - 文化通信.com(有料記事)
  7. ^ 重任の重村博文社長ら常勤役員の担務も決定 インターナショナル竹中・ベルウッド浅沼社長 キング、定時株主総会と取締役会で役員選任”. 連合通信社 (2013年6月19日). 2013年7月7日閲覧。
  8. ^ a b c d e f 「マイアニメ」1985年10月号138頁「アニメワールド」
  9. ^ 「SHIROBAKOを最後に会社を畳もうと思っていた」――永谷P再起の理由 (1/5)」『ASCII.jp』角川アスキー総合研究所、2015年7月12日。2025年3月15日閲覧。

外部リンク


スターチャイルド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 05:08 UTC 版)

キングレコード在籍アーティスト一覧」の記事における「スターチャイルド」の解説

UNSCANDAL(→『堀江由衣 with UNSCANDALとしての活動中心だったが、それ以降はスターチャイルド関連動向なしでインディーズ戻った模様岡崎律子2004年死去。) 奥井雅美個人事務所独立開業同時にジェネオン移籍evolutionレーベル立ち上げる小倉優子(→スターチャイルド内公式サイト日記2007年1月更新して以来、スターチャイルド関連活動凍結しそのまま契約終了となったcan/goo2006年活動休止翌年活動再開その後インディーズ活動中COACH☆(→解散小森まなみ(→2005年7月インターチャネルインデックス・ミュージック)に移籍シスター・プリンセス(→特定作品限定桑谷夏子望月久代小林由美子堀江由衣千葉千恵巳柚木涼香横手久美子神崎ちろ川澄綾子かかずゆみ半場友恵水樹奈々 DROPS(→事実上解散國府田マリ子金田朋子神田朱未野中藍白石涼子 長澤奈央(→エイベックス移籍nana×nana(→特定作品限定水樹奈々桃森すもも中原麻衣名塚佳織福井裕佳梨秋田まどか浅木舞 パステル(→期間限定加藤奈々絵こやまきみこ清水愛今野宏美白石涼子日永麻衣増山鈴乃普天間かおり本間かおり時代にスターチャイルドに所属、現在はインディーズ経てTAKUMI NOTE在籍Friends(→期間限定小林ゆう下田麻美MAKO明坂聡美本多陽子阿澄佳奈 Prits(→事実上解散桑谷夏子望月久代小林由美子水樹奈々 Bottle fairy(→特定作品限定水樹奈々名塚佳織堀江由衣野中藍 r.o.r/s(→解散TAMAGO(→関連番組降板以来ほとんど活動なし)門脇舞福圓美里 やまとなでしこ(→活動休止中田村ゆかり堀江由衣 eufonius(→最近はランティスなどからのリリース多し神田朱未(→ソロとしては、ベストアルバムリリース以外なし) 浦壁多恵 ゆかな 野中藍(→ソロとしては、近年一切リリースがなく、スターチャイルド提供のラジオ番組出演していたが2015年3月終了公式サイトブログ更新終了済) Neko Jump 白石涼子(→近年一切リリースがなく、公式サイト永らく更新されていない定期的にライブ活動行っているもののスターチャイルドはイベント制作直接関与していない) Team.ねこかん[] やくしまるえつこ メインレーベル異動 森口博子 メインレーベル演歌・歌謡曲部門J-POP部門)からのレンタル 三橋美智也シングルいいじゃありませんか/みんな達者でね』のみ) 山瀬まみアニメ関連楽曲のみ)

※この「スターチャイルド」の解説は、「キングレコード在籍アーティスト一覧」の解説の一部です。
「スターチャイルド」を含む「キングレコード在籍アーティスト一覧」の記事については、「キングレコード在籍アーティスト一覧」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「スターチャイルド」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「スターチャイルド」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「スターチャイルド」の関連用語

スターチャイルドのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



スターチャイルドのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのスターチャイルド (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのキングレコード在籍アーティスト一覧 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS