金融統合とシステム危機:1980年~現在とは? わかりやすく解説

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金融統合とシステム危機:1980年~現在

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/01 15:55 UTC 版)

グローバル金融システム」の記事における「金融統合とシステム危機:1980年~現在」の解説

1980年代から1990年代にかけて資本取引自由化とともに先進諸国間の金融統合大幅に進んだ:15金融市場銀行統合により、生産性の向上マクロ経済リスク幅広い共有といったメリット生まれた結果として相互依存生じ脆弱性共有システミック・リスクへのエクスポージャー増加の点で相当のコストかかった:440441。ここ数十年、金融統合とともに規制緩和進んだ各国金融仲介者行動に関する規制徐々に撤廃し情報公開規制当局への情報提供簡素化した:3637経済開放されるにつれて各国はますます外部ショック晒されるようになった経済学者は、金融統合世界的拡大資本フロー不安定化金融市場混乱させる可能性高めた主張している。国々統合が進むと、一国システミック危機他国伝染しやすくなる:1361371980年代と1990年代には、1987年ブラックマンデー株式市場クラッシュ1992年欧州通貨システム危機1994年メキシコペソ危機英語版)、1997年アジア通貨危機1998年ロシア金融危機1998-2002アルゼンチンペソ危機英語版)というように、通貨危機ソブリン債不履行繰り返された:254:498:5058:5058:6–7:6–7:2628。これらの危機原因深刻度影響度の点で様々であるが、およそ次のような事象がみられた。ある国の財政政策照らしてその国の通貨固定為替相場間違っていると見なし投機攻に伴う資本逃避:83投機攻撃につられた他の投資家がその国の通貨ペッグ疑いを持つことを期待して行う自己実現的投機攻撃:7、新興市場国における国内資本市場先進性機能性欠如:87資本移動制約銀行システム機能不全状況下での経常収支逆流:99などである。 1990年代発展途上国悩ませシステミック危機経済学者たちが研究した結果発展途上国金融グローバル化利益享受する前提条件として資本フロー自由化が重要であるとの合意達した。その条件には、安定したマクロ経済政策健全な財政政策強力な銀行規制、および財産権強力な法的保護含まれる一国国内資本市場機能達成し健全な規制の枠組みを一旦確立しその後に、外国直接投資促進し国内株式資本自由化し、資本流出短期資本移動許容するという組織的な手順を踏むことを経済学者たちは強く勧める:25:113新興国経済流動性改善し高金利で貯蓄増やし経済成長加速させるというようなかたちでグローバル化利益享受するには、自国通貨国内外投資家から信頼されるようにしなければならない通貨信頼性維持せずに外国資本市場無制限利用を許す国は、深刻な経済的社会的コストを伴う投機的資本逃避や突然停止に対して脆弱になる:xii各国は、1980年代と1990年代危機対応してグローバル金融システム持続可能性透明性改善しよう試みたバーゼル銀行監督委員会は、銀行業務監督規制に関する協力促進する目的で、G10加盟国中央銀行総裁によって1974年設立された。委員会本部スイスバーゼルにある国際決済銀行置かれている。委員会は、バーゼル合意呼ばれる審議数回行った1988年最初合意バーゼルⅠ呼ばれる。これは信用リスク各種資産クラス査定重視したバーゼルI動機は、1980年代ラテンアメリカの債務危機経験から、大規模な多国籍銀行適切に規制されていない可能性懸念生じたことであったバーゼルⅠの後、委員会銀行新たな資本要件に関する勧告発表しG10諸国はそれを4年後に実施したG10は、規制当局間の協力促進しグローバル金融システム安定性高め目的で、1999年金融安定化フォーラム設立したフォーラム12国際規範策定し成文化し実施した2009年G20金融安定化委員会再編された:222223:12バーゼルII2004年定められ、再び資本要件重点置いた。これはシステミック・リスク対す予防措置であるとともに国際的に営業する銀行競争不利にならないようするため銀行規制グローバルに統一する必要によるものであった。このバーゼルⅡ最初バーゼルI不備を補うことに動機付けられていた。バーゼルI不備と見なされた点は、銀行のリスクプロファイルの公開規制機関による監視が不十分であった点などである。加盟国バーゼルⅡをなかなか実施しなかったが、2007年2008年EU米国がどうにか実施した:153:486–488:160–1622010年バーゼル委員会バーゼルⅡ強化する中で資本要件改定した。これをバーゼルⅢと呼ぶ。バーゼルⅢ中心レバレッジ比率要件であり、その目的銀行過度なレバレッジ制限することである。バーゼルⅢ比率強化するとともに計算式修正した計算式リスク加重し資本閾値計算するために使われる資本閾値は、銀行抱えリスク軽減するために要求されるものであり、銀行資産リスク加重した価額の7%に設定された:274

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