近代から現代までとは? わかりやすく解説

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近代から現代まで

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 21:16 UTC 版)

「ばね」の記事における「近代から現代まで」の解説

18世紀になるとイギリス最初として産業革命起きここから20世紀後半までにかけて工業化世界広がっていった。他の工業同じく産業革命の中でばねも大きな発展遂げたコイルばねを巻くための生産機械であるコイリングマシンも産業革命の中で生まれたイギリス発明家ジョセフ・ブラマーの錠前工場の中で、様々なピッチコイルばね造れる製作機が使われていた。このばね製作機は、ブラマーの工場当時働いており、後にねじ切り旋盤発明知られるヘンリー・モーズリー発明にも影響与えた考えられている。 コイルばね製造第一次世界大戦前まではコイルとなる棒に巻き付ける手法行われていたが、大量生産の時代が来るとより早く作れるコイリングマシンが求められるようになったアメリカでは様々なばね製作方法特許生まれた1918年にはスリーパーハートレー社の創業者フランク・スリーパーがユニバーサルコイリングマシンの特許出し、これが旋盤式コイリングマシンに取って代わっていった工作機械全般数値制御化(NC化)される中で、ばね製造機NC化が進んだ1969年にはアメリカのトーリン社がNC式のばね製造機世界で初め開発した2012年現在、ばねの製造機械化による大量生産品が主を占めている。一方で大量生産品では対応できない特殊なばねに対しては、手作業による製造もまた行われている。 最初蒸気機関動力として生まれた自動車は、内燃機関ガソリンエンジン開発され動力として実用化されると、様々な国で自動車実用に供されていった自動車では非常に多く種類と数のばねが使用されているため、「自動車発達歴史は、そのままばねの発達歴史」ともいわれるほど自動車とばねの関係は深い。ドイツゴットリープ・ダイムラー開発した1883年の4サイクルガソリンエンジンでは、弁ばねが既に使用されていた。懸架装置には、板ばね使用した方式馬車時代から引き続き用いられ1900年初期頃まで板ばね主として用いられていた。その後1930年頃から、コイルばねトーションバーといった板ばね以外の種類のばねも鋼材料の進歩ともなって自動車懸架装置用に使われるようになっていった。2016年現在では、一般的な乗用車用にはコイルばね使用主流となり、板ばねトラックバスなどの大きな荷重を受ける車種利用されている。 産業革命以前経験的に試行錯誤作られいたばねも、1830年以降から徐々に理論的な設計なされるようになっていった。18世紀から20世紀にかけて、ばねの解析下地となる弾性力学基礎概念基礎理論代表的な金属ばねについての個々理論確立されていった1949年にはアメリカウェスティングハウス・エレクトリック社の技師 A. M. ワール著書 Mechanical Springs機械ばね)を、1960年にはドイツのジークフリート・グロスが著書 Berechnung und Gestaltung von Metallfedern(金属ばね設計計算)を出版し各種ばねの設計基礎がまとめられた。ワールは、コイルばね応力解析における「ワールの応力修正係数」として今日でも名をとどめている。 20世紀後半にはコンピュータ誕生し数値解析手法一つである有限要素法 (FEM) が実用化されるに至ったFEMはばねの解析にも利用され限られた範囲でしか使用できない理論式縛られずに、様々な形状や荷重状況のばねを解析できるようになった例えば、軽量化要求される自動車懸架装置用ばねなどにおいて、古典的な理論式では解明できなかった点をFEM明らかにしている。一方で古典的な理論式未だに有用であり、FEM補完するものとして価値持ち続けている。 ばねの材料金属がほとんどだったが、金属材料では実現できない特性を得るために近年では非金属材料についても材料として利用されるようになってきた。プラスチック製のばねや空気ばねは、それぞれの長所生かして実用に至っている。セラミックス製のばねは、1000上の高温下でも使用可能なばねとして期待されている。鋼製ばねも、自動車軽量化要求によって更なる強度のばね用鋼材開発進められている。今日のばねは、省エネルギー軽量化安全性精密化リサイクルなど要求多様化し、高度な技術求められるようになっている

※この「近代から現代まで」の解説は、「ばね」の解説の一部です。
「近代から現代まで」を含む「ばね」の記事については、「ばね」の概要を参照ください。

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