製造メーカー・装備等
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 16:43 UTC 版)
「京阪電気鉄道」の記事における「製造メーカー・装備等」の解説
車体は2200系以降の新系列車は川崎重工業(川崎車輌→川崎重工業車両カンパニー→川崎車両)製である。以前は日本車輌、ナニワ工機(1970年にアルナ工機に改称、後のアルナ車両)、帝國車輛工業(後の東急車輛製造、現在の総合車両製作所)、田中車両(およびその後身の近畿車輛、戦後は大津線区のみ)、日立製作所(初代鋼索客車・大津線の260形の一部)製もあった。6000系以降の車体は8000系ダブルデッカー車や800系(2代)を除いてアルミニウム合金製となっており、大手私鉄では阪急電鉄と共にステンレス車の導入実績が無い。 電装品は一部の例外(350形では日立製作所の電装品も使用)を除き東洋電機製造製が一貫して用いられているが、これは同社が京阪出身者などによって創設されたという経緯によるものである(戦後高性能車の一部には三菱電機製WNカルダンを使用した時期もあり、1900系の一部において使用されていた。なお同社は現在はクーラーと換気扇で採用している)。加えて、阪急京都線の車両が東洋電機製造の電装品を用いているのもこれに由来する。なお京阪や阪急京都線以外で電装品をほぼ東洋電機としているのは京成電鉄(モーターは三菱製も多い)程度しかない。 台車は川崎重工業と日本製鉄(旧・住友金属工業)から供給を受けている。川崎重工業とは吸収合併された汽車製造会社の時代から共同で台車の研究をおこなった時期があり、日本最初の空気ばね台車もそこから誕生した。ボルスタレス台車については、試用は行われたが曲線の多い同社線では性能が満足いくものではないとされ、採用は見送られた。 車両の省エネルギー化にも積極的で、VVVFインバータ制御(英名:variable voltage variable frequency、和名:可変電圧可変周波数)車は全704両中270両(2020年時点)に留まるものの、抵抗制御車の界磁位相制御や界磁添加励磁制御への改造を進め、抵抗制御車は2200系で少数が残るのみとなっている。なお、関西の大手私鉄では唯一、チョッパ制御車の導入実績がない。また、IGBTインバータ制御機器の導入は大津線では1997年に導入の800系で初採用されたものの京阪線は2002年の10000系で初導入とかなり遅めだった。また、PMSMやSiCなどといった2000年代後半以降に開発された新機軸電動機・制御装置は2022年時点において関西の大手私鉄で唯一、一切導入されていない。 6000系以降は編成の両端に動力車が来るようにしているが、同系列と8000系は編成の両端に固めている一方で、7000系・7200系・9000系・3000系(2代)は京浜急行電鉄と同様に編成の両端と中央に配置している。10000系・13000系は編成によって異なり、支線用の4両編成は両端に配置、本線用の6・7両編成は両端と中央に配置している。 パンタグラフは京阪線・大津線ともに東洋電機製造製で、3000系(2代)と13000系の5次車にシングルアーム型の「PT-7163A」、それ以外は下枠交差形の「PT-4805A」と、その改良型 が使われている。大津線系統では、京都市営地下鉄に乗り入れる800系に「PT-7201」シングルアーム型を、それ以外は「PT-4303A」を採用している。シングルアーム型に関しては、1971年に2000系の2000型にフランス・フェブレ社製のシングルアーム型を日本で初めて試験的に装着したが、採用には至らなかった。 車掌スイッチは3000系、10000系と13000系以外は乗務員ドア上部に設置されている。スイッチは握った手が滑り落ちないよう「逆T字型」になっており、客用扉を開扉するときはスイッチを上から下へ引き出し、閉扉するときはスイッチを下から上へ押し戻す。ただし、ワンマン改造がされた大津線の600形、700形はスイッチの形・設置場所が異なる。3000系、10000系と13000系は乗務員ドア横の胸の位置位に設置されている。 また安全装置としてデッドマンブレーキを標準装備、京阪線では自動列車停止装置 (ATS) も京阪型速度照査ATSと2015年度から順次使用しているK-ATSの両方を搭載、列車防護無線の設置が進み、ホームの無い場所で誤開扉を防止する「ホーム検知装置」の搭載が大津線では2017年3月に完了、京阪線でも3000系・10000系・13000系に搭載が完了し、6000系・8000系に順次搭載が進んでいる。また、旅客乗降時に列車が動かないようにする「転動防止ブレーキ」の搭載が大津線では完了、2021年度中に京阪線の全車両にも搭載される。その他、すべての編成にドライブレコーダーが搭載されている。 京阪本線香里園駅から南東1kmの場所に京阪が勧請した成田山大阪別院明王院があり、全車両に成田山の御守が飾られている。京阪本線の車両の先頭と後方を北と南にすると、御守は北東と南西の方向に設置されている。これは鬼門と裏鬼門から遮断するために設置されたという一説もある。ただし、鋼索線には石清水八幡宮の御守が飾られているが、これは鋼索線のある男山の山頂に石清水八幡宮が鎮座することによる。 一部の車両では「ばねで跳ね上がるタイプの吊り手」をドアスペースに設置している(「つり革#ドアスペース上のつり革」を参照)。 成田山大阪別院明王院の御守が車内に飾られている。 京阪式跳ね上げ吊り手。天井には京阪独特の回転グリル式吹出口(吹出口中央に社章)
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