界磁位相制御
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界磁位相制御(かいじいそうせいぎょ)とは、整流子電動機を使用しながら、界磁電流制御による回生ブレーキを使用可能とする鉄道車両の速度制御方式である。稀に、他励界磁制御と表記されることもある。
方式の概要
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- 位相制御 - 交流の電圧を制御する方法の一つ。サイリスタなどスイッチング作用のある半導体素子や磁気増幅器の作用により、電流を流す時間を変え、交流波形の一部を取り出し平均電圧を制御する(左図)。同様に直流に対して行う方法をチョッパ制御と呼ぶ(右)。

三相交流の補助電源が必要で、位相制御用の半導体素子は小容量でよいが、複巻モーターを使用する場合は過渡特性がやや悪くなる。始動抵抗の使用時間の少ない用途に適する。
また、スイッチング素子は半導体ではなく磁気増幅器も使用可能であり、これを用いたものは1930年代にすでに出現している。
利点と欠点
- 利点
- 回生制動が使用できる。
- 複電圧への対応が容易(京阪式)。
- 欠点
- 界磁チョッパ制御と同様、抵抗制御の発展型で並列最終段まではカム軸制御(または単位スイッチ制御)を行うため、回路切り替えによる前後衝動が発生する。
- 直巻モーター使用の場合は回生制動の作用速度域が界磁チョッパ制御と比較して狭い。
使用例
- 小田急電鉄
- 名古屋鉄道
- 近畿日本鉄道(いずれも直巻電動機)
- 京阪電気鉄道
- 京阪神急行電鉄(阪急電鉄)
- 2000系 (初代)・2100系(新製時は定速度制御機能あり、後に抵抗制御に改造後全廃)
- 2300系 (初代)(新製時は定速度制御機能あり、後に界磁チョッパ制御に改造後全廃)
- 2800系(定速度制御機能あり)
関連項目
界磁位相制御
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 17:01 UTC 版)
補助電源の整流子電動機からの界磁電流制御による回生ブレーキを使用可能とした。複巻整流子電動機を使う京阪方式と直巻電動機を使う近鉄方式がある。京阪電鉄では1983年12月に600Vから1500Vへの昇圧を控え、複電圧に対応できて界磁チョッパ制御と同じ節電効果が有るとして1970~80年代にかけて大量に導入された。
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