主要機器・台車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 17:08 UTC 版)
「京阪700形電車 (3代)」の記事における「主要機器・台車」の解説
回生ブレーキや定格制御を行う関係から主電動機は600形から引き続き直流複巻電動機を用いるが、1,500 Vへの昇圧を見据えて定格出力を70 kwに向上させており、導入当時700形は大津線全体で最も出力の大きい車両となった。2基の電動機が搭載されている台車は600形と同様の側梁緩衝ゴム方式の空気ばね台車である。駆動装置はTD平行カルダン駆動方式を採用し、主電動機の特性に合わせ600形から歯車比の数値が上がっている。 制御装置(ACRF-M870-793A)は2両分の電動機8基を一括制御するもので、分巻界磁位相制御を用いて定速運転を実施する。運転台からの速度制御はマスター・コントローラによって行われ、20 km/hから70 km/hまで5 km/h刻みに計11ノッチの定速ノッチが設定されている。また、偶数番号の車両(Mc2)には昇圧に備え逆転器の取り付けや絶縁向上などの準備が施されている。 この昇圧への準備に絡み、補助電源装置(SIV)は600形のブースター方式から様々な電圧に対応可能な昇降圧チョッパ方式に変更されている。回路の中にあるブースター部分が昇降圧チョッパに置き換わったもので、300 Vから1,800 Vまでの架線電圧に対応しており、架線から入力された電圧を1,200 Vに一定化した上でインバータを介して照明や空調装置などに用いられる三相交流や単相交流に変換することができる。これにより昇圧に伴う回路変更の必要がなくなったほか、半導体数の削減や装置全体の小型化などの効果がもたらされている。 制動装置については、600形までの大津線の車両では標準的に非常弁付き直通空気ブレーキ(SME)が用いられていたが、700形では制動の性能向上やメンテナンスの簡素化を図るため全電気指令式電磁直通ブレーキ(HRD-1)に変更されている。更に応荷重装置を装着することで運転保安度が向上している。また保安ブレーキとして直通予備ブレーキも併せて搭載されている。奇数番号(Mc1)の車両に設置されているコンプレッサーに関しても、それまで大津線の全車両で使用されていたDH25から、交流電動機駆動式のものに改められている。 屋根上には空調装置があり、より空調効果を高めるためクーラーやダクトの配置変更、車内の送風用ラインデリア増設などの改良が実施されているほか、カバーの形状は一体型に改められている。ヒーターは座席下に設置されている。
※この「主要機器・台車」の解説は、「京阪700形電車 (3代)」の解説の一部です。
「主要機器・台車」を含む「京阪700形電車 (3代)」の記事については、「京阪700形電車 (3代)」の概要を参照ください。
- 主要機器・台車のページへのリンク