京阪型速度照査ATS
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 13:35 UTC 版)
「自動列車停止装置」の記事における「京阪型速度照査ATS」の解説
京阪電気鉄道で使用されている自動列車停止装置の一種である。前述の名古屋鉄道方式とは速度照査などの基本的な構造はほぼ同一であるものの、速度制限などの取り扱い方法は異なる。 京阪電車の信号による速度制限は、絶対停止0 km/h・警戒25 km/h・注意45 km/h・減速65 km/h、進行の5種類である。警戒・注意・減速の現示による速度制限を5 km/h上回ると直ちにATSによる非常ブレーキがかかり、完全停止するまで復旧できない。同社は、JR福知山線事故後、京阪本線枚方公園駅・淀駅 - 中書島駅・深草駅・鳥羽街道駅 - 東福寺駅間に存在する急カーブに速度照査ATSを直ちに設置した。これらの急カーブの曲線通過速度は直前の走行速度に比べ25 - 40 km/hの差がある。カーブにおける速度照査の方法はパターン照査の原理に似ている。たとえば、制限速度60 km/hカーブに対し、制限開始地点200 m手前で100 km/h以上であれば直ちに非常ブレーキ、150 m手前で90 km/h以上であれば非常ブレーキ、100 mで…、50 mで…というように順を追って速度照査と非常ブレーキ管理をしており、制限開始地点までに「絶対減速」を試みている。オレンジのカバーがかけられているATS地上子がこれに該当する。 なお、京阪は2008年(平成20年)11月に発表したプレスリリースで、2014年(平成26年)度より多情報連続制御式「K-ATS」への切り替えを進め、2016年(平成28年)度に京阪線全線で新システムを稼働させるとし。2015年(平成27年)12月5日より京阪本線深草駅 - 鴨東線出町柳駅間で導入された、京阪線は全面的にK-ATSに切り換わった。現在はこの点制御ATSは京阪大津線のみで使用している。
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