蓮の花言葉
蓮花言葉の由来
#清らかな心(1)蓮が育つ環境からつけられたという説
蓮は池などの水辺に咲く美しい花である。蓮の花の美しいイメージからは想像できないが、蓮の花は濃い泥水の中で育つほど大きな花を咲かせることができる。泥から出ても泥には染まらず優雅で美しい花を咲かせることから、「清らかな心」という花言葉になったという説。
仏教において泥水は人生における困難や逆境を表しており、泥水の中からまっすぐに伸びて花を咲かせた姿は困難に打ち勝った人間と重ね合わせることができる。蓮の花は困難に立ち向かっている友達にふさわしい贈り物である。
(2)極楽浄土の形からつけられたという説
仏教では、良い行いをしていると死んだ後でも極楽浄土で生まれ変わることができるとされている。インドでは、極楽浄土は蓮の花の形になっており、同じ蓮の花の上で生まれ変わるといわれている。そこから「清らかな心」という花言葉が生まれたという説。ちなみに、死後に同じ蓮華の上に生まれ変わる思想は一連托生の語源である。
#神聖
(1)仏教が由来でつけられたという説
仏教で伝わる伝説が由来。仏教ではお釈迦様が生まれたときに東西南北それぞれに7歩ずつ歩き、歩いた足跡から蓮の花が咲いたといわれている。蓮の花の上で、お釈迦様は「天上天下唯我独尊」と第一声をあげられたようである。「天上天下唯我独尊」とは、「全ての人は平等であり、それぞれの目的があって生まれてきている」という意味である。インドなどの仏教国では蓮の花が国花となっている。
(2)ヒンドゥー教やエジプトでも蓮の花が神聖なものであることからつけられたという説
ヒンドゥー教やエジプトでも蓮の花は特別なものである。蓮の花は、ツタンカーメン王などの墓の出土品の装飾のモチーフとなっている。
#雄弁
(1)エジプト神話からつけられた説
オリシスはもとは豊穣の神様であったが、弟のセトから嫉妬されて殺される。妻のイシスの魔力によりオリシスは冥界の王となって復活した。「冥界の王」オリシスは、蓮の台座の上で死者の魂に向けてたくさんの質問をして審判していた。復活後のオリシスが話上手で雄弁であったことが、「雄弁」という花言葉の由来とされている。オリシス神に蓮の花を捧げたことから、「雄弁」という花言葉が生まれたともいわれている。雄弁とは、巧みで力強い演説をして、よどみない言葉で人の心に感銘を与えるという意味がある。近いうちに何かを人前で発表しなければいけない人の成功を祈って、蓮の花を贈るのもよいだろう。
#沈着
(1)中国で君子の花とされていることからつけられたという説
中国で蓮の花は君子の花であるとされる。君子とは徳が高く品位のある人格者のことである。蓮の花が落ち着いて冷静沈着に物事を判断することができる君子の花であることから、「沈着」という花言葉が生まれた。受験生に対して、「あせらず落ち着いて頑張ってくださいね。」という内容の一言を添えて蓮の花をプレゼントしてもよいだろう。
#休養
(1)蓮の花が咲く様子からつけられたという説
蓮の花は早朝に咲いて、午後になるにしたがって少しずつ規則的に閉じていく。蓮の花は午前中に咲いて午後には閉じてしまう。蓮の花が毎日休養する時間をとっているように見えることから、「休養」の花言葉が生まれた。
蓮の英語の花言葉
蓮の花言葉を英語で表すと「eloquence(雄弁)」「estranged love (離れゆく愛)」となる。蓮色別花言葉の解説
白「純白」「純心」「純潔」ピンク「信頼」
赤「宝石」「愛情」「思いやり」
青「清廉潔白」「賢明、知恵、知性」
紫「高貴、神秘的」
黒「蠱惑(こわく)的」
白色は混じり気のない色であることから「純白」「純心」「純潔」という花言葉が生まれた。白色の蓮の花は凜としていて気高く清らかな雰囲気をまとっている。仏教国では蓮の花は神聖なものとされている。「純白」「純心」「純潔」は、水面に明るく輝いて咲いている白い蓮の花にぴったりの花言葉である。
ピンク色は優しく精神安定をもたらす色であることから「信頼」という花言葉が生まれた。ピンク色はたくさんの愛情で優しく包み込むイメージの色である。仏様の描かれた絵の中ではよくピンク色の蓮が描かれているので、見たことのある人もいるであろう。落ち込んでいる人に対してピンク色の蓮の花を贈るのもいいだろう。ピンク色の蓮の花には濃淡さまざまな種類の花がある。
蓮の花の色として実際にあるのは、白やピンク色、クリーム色などである。赤、青、紫色の蓮は自然界にはないが、宗教的には意味がある。赤い蓮は「紅蓮(ぐれん)」もしくは「紅蓮華」と呼ばれる。紅蓮華は、ヒンドゥ教の女神ラクシュミーとその夫であるヴィシュヌ神の花とされている。ヴィシュヌ神はヒンドゥー教で最高神に位置する神様である。
ラクシュミーとヴィシュヌの二神は思いやりのある夫婦であったようであり、「愛情」「思いやり」の花言葉の由来となっている。紅蓮が建築物や壁画で描かれているときは宝石を表すようである。
紅蓮は仏教で8種類ある地獄の第七である「紅蓮地獄」の略称でもある。紅蓮地獄は極寒地獄であるらしい。紅蓮は、猛火の炎の色に例えられて「紅蓮の炎」のようにも用いられる。
青い蓮は「青蓮華(しょうれんげ)」と呼ばれる。仏様などの瞳の色に使われることが多いことから、心が清くて私欲のないことを表す「清廉潔白」の花言葉が生まれた。お釈迦様の弟子の中に阿難尊者という方がおり、大変賢い人であったらしい。阿難尊者の瞳は澄んで汚れていないことから青蓮華に例えられた。「賢明、知恵、知性」という花言葉は、阿難尊者と関連して生まれたものである。
紫色の蓮の花は「紫蓮華」と呼ばれる。法師が飼っていた賢いオウムの舌から紫色の蓮華が咲いたといわれている。紫色には高貴な色のイメージもあり、花言葉は「高貴、神秘的」とされている。
黒色の蓮の花はもちろん実在しない。古代ギリシアの詩人ホメロスの叙事詩「オデュッセイア」の中にロートスの実(蓮の実)が出てくる。オデュッセウスはギリシアに帰る途中で、ロートスの実を食べる人が住んでいる島に漂着する。試しに3人の部下を送るが、ロートスの実が美味しすぎて一度その実を食べだすと楽しい気持ちになり、何もかも忘れてしまった。そして、帰ることを忘れた部下たちをオデュッセウスが迎えにいくという話である。そこから黒い蓮の花には「蠱惑的」という花言葉がつけられた。ちなみに、蠱惑的とは「たぶらかしまどわすこと」を意味する言葉であり、「女の蠱惑的な眼差し」のように用いられる。
蓮本数別の花言葉の解説
蓮の花には本数別の花言葉はない。蓮の怖い花言葉
蓮の花には、「離れゆく愛」「救ってください」のような少し怖い感じがする花言葉もある。「離れゆく愛」という花言葉は、蓮の花の寿命が短いことから生まれた。蓮の花は咲いてから3日から4日で散り始める。また、花びらが一枚ずつ離れていく様子を見て心が徐々に離れていくように思えたことが、花言葉の由来である。「離れゆく愛」は、怖い感じだけでなく悲しい気持ちになる花言葉である。恋人など恋愛対象の人に対して、蓮の花を贈ってはいけない。「救ってください」という花言葉は仏教由来のものである。お釈迦様は「人生は苦しみであり、苦しみなくして人は悟ることができない」と説いている。悟りの世界とは、心が安定しており迷いがない状態である。「救ってください」という花言葉は、お釈迦様に向けて「わたしも貴方のような輪廻転生の苦しみとは無縁の悟りの世界に連れて行ってください。」と救いを求める気持ちを表している。
※ 花言葉の内容は諸説あります。
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