航空母艦以外での運用とは? わかりやすく解説

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航空母艦以外での運用

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 09:13 UTC 版)

カタパルト」の記事における「航空母艦以外での運用」の解説

航空機発達し水上機実用化された1920年代から、軍艦水上機搭載し偵察哨戒用い動き各国海軍で起こった。しかし当初航行する艦上から水上機発艦させる手段がなかったため、艦を停止して水上機デリック水面下ろす必要があった。この不便を解消するため、飛行甲板持たない戦艦巡洋艦の上から水上機直接発艦させる手段としてカタパルト研究が行われた。数々試作型経て実用的なカタパルト開発され第二次世界大戦始まった頃には多く戦艦巡洋艦カタパルト水上機装備するようになっていた。戦艦巡洋艦など砲撃をその主目的とする艦の搭載水上機には、それ以外にも弾着観測という任務があり、大型艦多くカタパルト搭載していた。このほか、水上機多数載せカタパルト発艦させる水上機母艦という専門艦種生まれたまた、潜水艦のような小型艦でもカタパルト搭載すれば水上機運用ができた。 大日本帝国海軍では、火薬式のカタパルト巡洋艦以上艦艇搭載し戦艦には弾着観測目的とした二座偵(水上偵察機)を、巡洋艦には偵察目的とした三座偵を搭載するという運用をしていた(カタパルトを2基装備し格納庫広かった大和型戦艦には両機種とも搭載された)。また艦隊全体として偵察巡洋艦偵で行うこととし空母艦載機偵察積極的に用いることは後年まで行なわれなかった。なお改装航空戦艦となった伊勢型戦艦では、22機の艦載機カタパルト2基を用いて1分間隔で射出する計画で、航空母艦補助戦力として開発され給油艦速吸」においても同様の火薬カタパルト装備された。しかし瞬間的に爆発的な加速を行う火薬カタパルト機体およびカタパルト本体への負荷大きく連続射出魚雷装備など兵装満載状態の艦攻発進には不向きであり、火薬式に変わる全備状態の艦載機連続射出可能なカタパルト開発にも失敗したため、大日本帝国海軍航空母艦カタパルトは全く装備されなかった(空母加賀」には装備準備として甲板に溝が設けられたが装備実現しなかった)。構造圧搾空気多用する潜水艦では、圧縮空気式のカタパルト用いられ伊400型多く潜水艦運用されていたが、水上艦艇では一部艦艇実験的に装備されるに留まっていた。 ドイツでは、蒸気カタパルト実用化世界で初め成功しCAMシップ酷似した、大型水上機飛行艇運用する為のカタパルト艦を運用していた。 イギリスでは、商船敵機攻撃から守るために、商船に1機の陸上戦闘機のみを発射可能なカタパルト1基を装備したCAMシップ建造したCAMシップでは発艦した戦闘機母艦帰還不能パイロットはしばし死亡し運用上の柔軟性もなかったことから、商船簡易な飛行甲板設けて空母状にしたMACシップ登場により姿を消したMACシップにはカタパルト装備されなかった。 アメリカ海軍におけるカタパルト歴史に関しては、次項詳述する第二次世界大戦終結後ヘリコプター発達により、航空母艦以外の艦艇固定翼機搭載する必要性急激に低下していき、これに伴って、それらの艦艇からカタパルト急速に姿を消した例えアメリカ海軍では、1949年末までに、戦艦巡洋艦搭載されていた水上機はすべてHO3Sなどの艦載ヘリコプター換装された。 陸上においてもカタパルト使用すれば離陸用の滑走路必要なくなる(他にゼロ距離発進という方法もあり、ゼロ距離発進カタパルト併用する場合もある)。その場での着陸を必要としない場合カタパルト使用有効な手段になる。 陸上におけるカタパルト使用事例としては、第二次世界大戦中ドイツ空軍においてV-1飛行爆弾地上発射用いられ実戦使用された。V1発射使われカタパルトは、過酸化水素から発生する水蒸気使用するヴァルター機関であり、最初期のスチームカタパルトでもある。C字型のパイプシャトルによる構造現在のスチームカタパルトに近いものだが、シール使用ごとに交換する必要があった。大日本帝国海軍特攻機桜花改良型エンジンジェットエンジン化・航続距離大幅延伸)である桜花43型の地上発進用に千葉県三芳村知恩院滋賀県比叡山延暦寺カタパルト設置されたがこちらは実戦には使用されなかった。ベトナム戦争では、南ベトナム展開したアメリカ海兵隊航空部隊が、初期においてカタパルト使用していた。 陸上行われるグライダー運用においても、複数ゴムバンド束ねたゴム索」をカタパルトとして用いゴム索発航という離陸方法があり、民間でのスカイスポーツ中心に第二次大戦前ら行われている。また、模型航空分野においては同様の仕組み模型サイズスケールダウンさせたゴムカタパルトが使用されている。 アメリカ海軍戦艦ミズーリ上のヴォート OC2U キングフィッシャー イギリス海軍潜水艦「M2」と艦載機のパーナル ペト英語版復元されV-1発射台 トラックから射出されるAAI/IAI RQ-2 パイオニア ゴム索発航で射ち出されるアレキサンダー・シュライハー ASK 21

※この「航空母艦以外での運用」の解説は、「カタパルト」の解説の一部です。
「航空母艦以外での運用」を含む「カタパルト」の記事については、「カタパルト」の概要を参照ください。

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