管理移管ダムとは? わかりやすく解説

管理移管ダム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/21 19:12 UTC 版)

国土交通省直轄ダム」の記事における「管理移管ダム」の解説

都道府県営ダム水資源機構の項目も参照のこと 以下の表に示すダムは旧建設省ダム事業計画着手または完成させた後に他の事業者へ施工・管理移管させたダムである。大別する地方自治体移管されたダムと旧水資源開発公団現在の独立行政法人水資源機構)に移管されたダムがある。 地方自治体移管されたダム事業のほとんどは、戦後計画された県単独河川総合開発事業1950年昭和25年)の国土総合開発法基づいて計画され特定地域総合開発計画組み込まれたことにより、その重要性から建設省直轄事業として施工されている。一例として米代川雄物川水系対象になった阿仁田沢特定地域総合開発計画において雄物川水系計画・施工された鎧畑ダム玉川)と皆瀬ダム皆瀬川)は完成秋田県移管され、米代川二次支流である粕毛川計画され素波里(すばり)ダム当初建設省調査進め、後に秋田県事業承継完成させている。また完成後に地方自治体移管させた理由として、高知県永瀬ダム物部川)は物部川水系高知県のみを流域としているため、河川管理者である高知県知事管理継承された。建設省施工し完成地方自治体移管されたダム属す水系には物部川のほか岩木川青森県)、名取川宮城県)、雄物川秋田県)、由良川京都府)、球磨川熊本県)があるが何れも流域面積がほぼ一府県単独に限られており、皆瀬ダム大倉ダム大倉川)は特定多目的ダム法指定受けた特定多目的ダムとして施工されているにも拘らず完成地方自治体管理移されている。こうした地方自治体へのダム事業移管は、1996年平成8年)に完成し沖縄県管理移管された倉敷ダム与那原川)が最も新し事例となっている。 なお、旧建設省施工し管理地方自治体移管されたダム事業例外として小瀬川ダム小瀬川)がある。小瀬川水系広島県山口県県境流域としており、小瀬川本流自体が両県境となっている。ダム建設事業山口県当初単独進め、後に広島県との共同事業として計画されたがダムの建設地点目的一つである工業用水道配分巡り両県が対立協議難航したことから建設省裁定求め1958年9月第2次岸内閣建設大臣遠藤三郎ダム地点用水配分に関する裁定下しさらに同年11月両県の委託受けて建設省中国地方建設局ダムの施工開始した完成後は山口・広島両県が管理しているが複数地方自治体管理業務を行う多目的ダム小瀬川ダム唯一である。 一方水資源開発公団移管されたダムは、何れも1962年昭和37年)に制定され水資源開発促進法に基づく水資源開発水系指定され水系存在する大都市圏の上水道工業用水道供給など利水需要満たす上で重要なダム事業は、水資源開発基本計画フルプラン)の策定改定において計画施設加えられる1962年利根川淀川水系水資源開発水系指定された際に矢木沢ダム利根川)、下久保ダム神流川)、高山ダム名張川)が建設省から公団事業承継されたのを皮切りに多くダム事業公団移管された。この中には日本最大の多目的ダムである徳山ダム揖斐川)や「四国のいのち」とも称される早明浦ダム吉野川)も含まれる所在水系河川ダム型式高さ総貯水容量着工完成管理移管備考宮城 名取川 大倉川 大倉ダム 多連式アーチ 82.0 28,000 1956 1961 宮城県 1962 秋田 米代川 粕毛川 素波里ダム 重力 72.0 42,500 1967 1970 秋田県 1967 秋田 雄物川 皆瀬川 皆瀬ダム ロックフィル 66.5 31,600 1958 1963 秋田県 1963 秋田 雄物川 玉川 鎧畑ダム 重力 58.5 51,000 1952 1957 秋田県 1958 群馬 利根川 渡良瀬川 草木ダム 重力 140.0 60,500 1965 1977 水資源機構 1965 ダム湖百選 群馬 利根川 神流川 下久保ダム 重力 129.0 130,000 1959 1968 水資源機構 1962 ダム湖百選 群馬 利根川 利根川 矢木沢ダム アーチ 131.0 204,300 1959 1967 水資源機構 1962 ダム湖百選 埼玉 荒川 浦山川 浦山ダム 重力 156.0 58,000 1972 1998 水資源機構 1976 埼玉 荒川 中津川 滝沢ダム 重力 132.0 63,000 1969 2007 水資源機構 1976 岐阜 木曽川 阿木川 阿木川ダム ロックフィル 101.5 48,000 1969 1990 水資源機構 1976 ダム湖百選 岐阜 木曽川 馬瀬川 岩屋ダム ロックフィル 127.5 173,500 1967 1977 水資源機構 1969 岐阜 木曽川 揖斐川 徳山ダム ロックフィル 161.0 660,000 1971 2007 水資源機構 1976 京都 由良川 由良川 大野ダム 重力 61.4 28,550 1953 1961 京都府 1962 ダム湖百選 京都 淀川 名張川 高山ダム 重力アーチ 67.0 56,800 1960 1969 水資源機構 1962 島根 斐伊川 斐伊川 三成ダム アーチ 42.0 3,438 1950 1953 島根県 1953 広島 小瀬川 小瀬川 小瀬川ダム 重力 49.0 11,400 1956 1964 広島県山口県 1964 受託施工 山口 佐波川 佐波川 佐波川ダム 重力 54.0 24,600 1952 1955 山口県 1955 受託施工 愛媛 吉野川 銅山川 富郷ダム 重力 106.0 52,000 1974 2000 水資源機構 1992 高知 吉野川 吉野川 早明浦ダム 重力 106.0 316,000 1963 1977 水資源機構 1967 ダム湖百選再生事業中 高物部川 物部川 永瀬ダム 重力 87.0 49,090 1949 1957 高知県 1957 福岡 矢部川 矢部川 日向神ダム 重力 79.5 27,900 1953 1961 福岡県 1950 熊本 球磨川 球磨川 市房ダム 重力 78.5 40,200 1953 1959 熊本県 1960 宮崎 大淀川 岩瀬川 岩瀬ダム 重力 55.5 57,000 1953 1967 宮崎県 1954 再生事業中 沖比謝川 与那原川 倉敷ダム ロックフィル 33.5 7,100 1979 1996 沖縄県 1996 ダム湖百選 沖縄 宮良川 宮良川 真栄里ダム アース 27.0 2,300 1972 1984 沖縄県 1984

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