破綻の実例とは? わかりやすく解説

破綻の実例

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 06:40 UTC 版)

機関銀行」の記事における「破綻の実例」の解説

戦後恐慌1920年大正9年4月茂木商店破綻すると、茂木商店茂木惣兵衛頭取務め茂木商店主要取引先だった第七十四銀行茂木商店機関銀行)が5月破綻した浅野財閥浅野昼夜銀行日本昼夜銀行)は機関銀行典型として有名である。戦後恐慌浅野財閥多く企業が傾くと救済融資行ったが、貸付金不良債権になり、所有する傘下企業株券暴落し銀行資金枯渇して破綻寸前になったので、1922年大正11年8月15日安田財閥傘下に入るという形で救済された。 東京渡辺銀行渡辺財閥機関銀行だったが、戦後恐慌時に渡辺商事巨額損失出し関東大震災多く関係会社工場大打撃を受けると、不正融資などで関係会社への融資全体の七割を超えたとされ、資金繰りのためにあちこちから高利借金をしていたが、大口貸付先の上毛モスリン1926年大正15年8月破産すると、翌年1927年昭和2年2月東京渡辺銀行内情報道されて、取付け始まり3月14日衆議院予算委員会片岡直温蔵相が「東京渡辺銀行破綻した。」と発言したことで、15日休業追い込まれた。これをきっかけとして震災手形債務者所有銀行報道されて、預金者の不安が高まり取付け騒ぎ発生し銀行休業続出して、金融恐慌始まった鈴木商店戦後恐慌軍縮海運不況傘下神戸製鋼所播磨造船所経営悪化し関東大震災被害大豆取引失敗対外為替相場崩壊でさらに経営難になり、機関銀行だった台湾銀行からの借入金がどんどん増加していき、台湾銀行借入金コールマネー増やして運用資金にしたが、1926年昭和元年)末に、台湾銀行は全貸付金三分の二鈴木商店固定して預貸比率貸出金預金額で割った値)が約533%になり資金繰り悪化し1927年昭和2年)の金融恐慌では鈴木商店対す貸出中止したので、鈴木商店倒産した。すると台湾銀行資金繰りがさらに悪化して同年4月18日から臨時休業追い込まれた。 第一次世界大戦後不況続いたのにもかかわらず川崎造船所松方幸次郎社長拡大志向経営方針続けて赤字部門整理しないまま、次々新たな設備投資行って失敗したので、資金逼迫した。それで兄の松方巌頭取取締役務めていた十五銀行機関銀行にして依存するようになったその結果1927年昭和2年)には十五銀行の全貸出金11%の4400万円川崎造船所になった同年4月金融恐慌では取付によって十五銀行4月21日休業追い込まれたが、ほぼ同時に川崎造船所破綻して会社整理された。。 藤田財閥藤田組)は第一次世界大戦好景気事業多角化し拡大したが、1920年大正9年)の戦後恐慌傘下企業経営悪化して外部銀行からの借金返せなくなったので、藤田組資本役員が共通の藤田銀行肩代わりした。その後傘下企業経営はどんどん悪くなって行ったおまけに藤田一族別荘椿山荘政治活動書画骨董贅沢な生活など大金浪費した。それを支えるために藤田銀行中小銀行生保信託買収して運用資金増やしたが、不良債権増大していった。1927年昭和2年)の金融恐慌では藤田銀行巨額取付にあった日本銀行は緊急融資などあらゆる手段用いて救済しようとしたが、その年末には補償法特別融通自己整理させる方針決めた一族書画骨董を含む財閥全ての資産担保欠損補填提出されると、1928年昭和3年3月23日補償法特別融通確定して日本銀行から9000万円融資受けて預金者の損害なくしてから藤田銀行解散した。この時点藤田銀行貸出63%が藤田財閥関係だった。こうして藤田財閥そのもの壊滅した1920年大正9年2月豆粕取引が行詰まって古河商事2600万円損失出して破綻したので、補填2000万円必要になった。この頃機関銀行古河銀行は既に資金尽きていたので、第一銀行から800万円横浜正金銀行から500万円融資受けて急場しのいだが、この莫大な負債によって古河合名古河財閥持株会社)は借入金依存するようになった借り入れ元は第一銀行古河銀行だったが、徐々に古河銀行割合大きくなって行った古河銀行は、貸出の4割が古河合名だったので、合名からの利子大きな収入源となり、銀行合名相互に依存していた。だが古河銀行は高い利息預金集めたうえ、貸金見合う両建預金多くて健全な経営状態では無かったので、1927年昭和2年)の金融恐慌では破綻銀行同様の預金取付受けて日本銀行救済求めた。それで辛うじて休業免れたが、これを契機古河財閥銀行経営断念して1931年昭和6年)に古河銀行解散した戦前三井銀行三菱銀行住友銀行は、長期貸出避けて手数料収入中心とし、直系企業への貸出少なく財閥外部優良企業への貸出多かったので機関銀行では無かった

※この「破綻の実例」の解説は、「機関銀行」の解説の一部です。
「破綻の実例」を含む「機関銀行」の記事については、「機関銀行」の概要を参照ください。

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