救済融資
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/16 18:23 UTC 版)
「ロングターム・キャピタル・マネジメント」の記事における「救済融資」の解説
前述の通りLTCMは欧米の金融機関から投資された47.2億USドルを元手に、25倍のレバレッジをかけて、1290億USドルもの資金を運用しており、さらには1.25兆USドルに上る取引契約を世界の金融機関と締結していた。そのためLTCMが崩壊すると、ただでさえ前述の経済危機により不安定となっていた金融市場に多大な影響を与え、恐慌への突入も危惧された。 ニューヨーク連邦準備銀行副総裁のピーター・フィッシャーは、LTCMが世界中のいたるところで同じスプレッド取引を行っていることに気がついた。その成功を見た多くの金融機関がLTCMの運用手法を模倣しており、それらも多大な損失を生み出していた状況であったため、手口は余計に目立った。模倣者は事実上のステークホルダーであった。 1998年9月23日、バークシャー・ハサウェイ、アメリカン・インターナショナル・グループ、そしてゴールドマン・サックスがLTCMの買収を提案した。これをLTCMは拒否したので、結局LTCMに資金を提供していた14銀行が、LTCMに最低限の資金(36億2500万USドル)を融通し、当面の取引を執行させることになった。一私企業の救済は自由経済の原則にそぐわないとして、計画に反対する声もあった。FRB議長アラン・グリーンスパンは短期金利のFFレートを1998年9月からの3ヶ月間で3回引き下げるという異常なまでの急速な対応をとり、LTCM破綻危機により拡大した金融不安の沈静化を図った。 救済融資(Bailout)のシンジケート内訳は次のとおりであった。ベア・スターンズは参加を拒否。参加者はゴールドマン・サックス、JPモルガン、メリル・リンチ、モルガン・スタンレー、クレディ・スイス、UBS、ソロモン・ブラザーズ、バンカース・トラスト、ドイツ銀行、チェース・マンハッタン、バークレー・キャピタル、ソシエテ・ジェネラル、リーマン・ブラザーズ、パリバ。
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