発射から月遷移軌道への投入とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 発射から月遷移軌道への投入の意味・解説 

発射から月遷移軌道への投入

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/25 02:43 UTC 版)

アポロ8号」の記事における「発射から月遷移軌道への投入」の解説

アポロ8号1968年12月21日米東標準時 7:51:00 a.m. に、第一段S-IC第二段S-II第三段S-IVBからなる三段式ロケットサターンVを使い、まず地球周回軌道乗ることを目的発射された。発射の際には、わずかに三つ小さな問題発生した一つ第一段S-IC出力が 0.75% 低かったことで、これはエンジン予定よりも 2.45秒長く燃焼したことが原因だった。また第二段S-IIロケット噴射している間、ずっとPogo振動発生させていた。ボーマン試算によれば、このときの振動周波数 12ヘルツで、加速度は±0.25 g-force2.5 m/s2) だった[出典無効]。 三段すべてのロケット発射の間燃焼続け第一段S-ICS-II途中で切り離された。S-IC大西洋上 北3012西経74度7分 / 北緯30.200度 西経74.117度 / 30.200; -74.117 (Apollo 8 S-IC impact) に、S-II北緯3150西経3717分 / 北緯31.833度 西経37.283度 / 31.833; -37.283 (Apollo 8 S-II impact) に落下した第三段S-IVB地球周回軌道乗った後も切り離されず、後に宇宙船月遷移軌道乗せる噴射をするために残された。 周回軌道乗ると、搭乗員管制センター宇宙船チェック遷移軌道移行準備のために2時間38分を費やした前回無人試験のとき再点火失敗したS-IVB適切に作動するかどうかは、計画にとってきわめて重大な要素であった飛行中は、同僚三人宇宙飛行士宇宙船連絡員として、三交代制で勤務した宇宙船連絡員とは通常「カプコム (Capsule Communicators, CAPCOM)」と呼ばれるもので、飛行士たちと定期的に会話ができるのは彼らだけだった8号最初にCAPCOM担当したのはコリンズで、発射から2時間2722秒後に「アポロ8号遷移軌道投入のための噴射準備よし」と無線連絡した。この会話によって明らかなように、8号に月に向かう許可正式に与えたのは管制センターであった噴射のための次の12分間飛行士たちは宇宙船S-IVB監視続けた軌道投入のための噴射完璧なのだった軌道投入任務を完全にこなした後、S-IVB切り離された。その後飛行士たちは使用済み第三段写真撮影するために宇宙船反転させ、しばらくの間S-IVB編隊飛行続けた宇宙船後ろ向けたその時、彼らの目に飛び込んできたのは、遠ざかりつつある地球の姿だった。人類初め地球全体像ひと目見たのは、まさにこの瞬間であった。だがボーマンそれよりもS-IVB宇宙船あまりにも近いところにあることを懸念していた。そのため彼は、管制センターロケット離れる作業を行うことを提案した。はじめセンター宇宙船地球方角に向け、機械船搭載されている姿勢制御ロケット (Reaction Control System, RCS) を噴射して速度地球から遠ざかる方向秒速 0.91mだけ加速することを提案したが、ボーマンS-IVB視界から消えてしまうことを恐れた議論結果指示通りRCSこの方角に噴射するかわりに速度秒速 2.7mにすることが決定されたが、この検討のためにスケジュール一時間遅れた発射から5時間後、管制センターS-IVB対しタンク中に残っている燃料ロケットノズルから排出し軌道変えるよう指令送った。これによりS-IVBは月を通過してから太陽周回する軌道に乗り8号それ以上の危険を与え可能性なくなったS-IVBその後軌道は、太陽からの距離 0.92〜0.99天文単位 (138148ギガメートル)、黄道対す傾斜角 23.47°、公転周期は 340.80日である。 8号乗組員たちは、地球から 15,000マイル (24,000km) 離れたところまで広がるヴァン・アレン帯通過した初めての人類となった科学者たちヴァン・アレン帯宇宙船最高速急速に通過すると、胸部撮影レントゲン写真浴びるのと同程度の 1ミリグレイ程度X線被曝するではないか予想していた (人間1年間浴び放射線は、平均で2から3ミリグレイである)。被曝量記録するため、飛行士たちはリアルタイムデータ地球に送る線量計と、通算浴びた放射線量表示するための感光フィルムを身につけていた。計画終了までに彼らが浴びた放射線量は、平均して1.6ミリグレイであった。 月を通過した後、S-IVBこれから先の長い時間太陽周り続けであろう宇宙ごみ (スペース・デブリ) となった2013年9月現在、軌道残っていることが確認されている。

※この「発射から月遷移軌道への投入」の解説は、「アポロ8号」の解説の一部です。
「発射から月遷移軌道への投入」を含む「アポロ8号」の記事については、「アポロ8号」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「発射から月遷移軌道への投入」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「発射から月遷移軌道への投入」の関連用語

発射から月遷移軌道への投入のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



発射から月遷移軌道への投入のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのアポロ8号 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS