田宮 良子 / 田村 玲子とその協力者
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「寄生獣」の記事における「田宮 良子 / 田村 玲子とその協力者」の解説
田宮 良子(たみや りょうこ)→田村 玲子(たむら れいこ) 第5話から第49話にかけて登場。新一の通う高校の代用かつ新任の教師として現れたパラサイト。数学教師「田宮良子」の名前と社会的立場をそのまま受け継ぎ、パラサイトの中でも特に高い知能を持つ個体。「A」襲撃事件直後に父親不明の子を妊娠していることが発覚した際、身分を捨てて姿をくらまし、再登場時には名前を「田村玲子」と変え未婚の母となっている。 勤務先の高校から連絡を受け、言動を心配した実母が田宮に会いに来た際、直ちに偽者と見抜かれ、パニックに陥った実母をその場で殺害している。この時、特別な能力もない人間に正体を見破られたことから「何故だ」と疑問を持ち、やがて人間のように「笑う」という感情表現を身につけていく。 その上で、研究者的な探究心を見せており、パラサイト同士の生殖能力を確認する実験目的で子供を妊娠し、新一とミギーを「貴重なサンプル」として観察を続け、最強のパラサイト集合体である後藤を作り出す。 緻密な戦術と多彩な攻撃形態による高い戦闘能力を持ち、ミギーは「正面から戦った場合に勝ち目は無い」と言い、後藤からも「良い戦いができそうな相手」と認識されている。さらに、殺意を持った草野らパラサイト3体の襲撃を受けた際には一方的に返り討ちにしている。 思考を巡らせる中、徐々に「自分達は何のために生まれてきたのか、どこから来てどこへ行くのか」という考えに行き着く。その答えを得るため、倉森に新一の身辺調査を依頼し、大学で講義を受けるなど、他のパラサイトと違った立場を取るようになる。 妻子を殺害されたことを逆恨みした倉森に子供を連れ去られたため、指定された公園に赴き、子供を盾にされた際に人間で言う母性が目覚め、反射的に倉森を殺害。さらにその直後、新一と接触し「パラサイトと人間は一つの家族であり、パラサイトは人間の『子供』」という結論に達したことを話し、次いで広川の正体について言及しかけたところで平間達に見つかり、尋問後に銃撃を受ける。反撃も逃走もせずに、無抵抗のまま身を挺して子供を銃撃から守り続け、最期に愛と信頼の心を芽生えさせたかのように新一に子供を預けるというパラサイトとしてはあり得ない行動に出た後、新一にパラサイトが生まれた疑問も追求していた事を伝え、崩れ落ちるように絶命した。 A(エー) 第4話から第8話にかけて登場。田宮良子が教師として就任していた時期に新一(とミギー)に紹介したパラサイト。特に名前を持たず、田宮良子が便宜的に「A」と呼んだ。新一たちと引き合わされた際、彼らの存在に強い警戒感を覚え、彼らを抹殺する衝動的な目的で彼の通う高校へ単身乗り込む。前述の用に警戒心が強く、真正面から校舎へ乗り込んだが戦闘の際は階下から新一たちの位置を感じ取り、窓から侵入することで一気に間合いを詰めた。だが「脆弱な人間」と新一を見くびっていたことが仇となり、彼が隠し持っていた鉄パイプで胸を貫かれ瀕死の状態に陥る。そのため田宮良子の肉体と同居を目論むも、田宮の手にかかり校内で爆死。身元不明という意味で、死後も「殺人鬼『A』」と呼ばれることとなった。 その行動からミギーに「楽天的で行きあたりばったりなヤツだ」と評されている。また後には田村玲子(田宮良子)から、草野の言動を評する際に、似たタイプとして「A」が引き合いに出される場面がある。生前、田宮良子の実験に付き合う形で寄生された人間同士の性行為を試みて田宮を妊娠させており、その際の赤ん坊は田宮良子に育てられることになった。 なお第4話における「A」の初登場場面は、檻から逃げ出したライオンとの遭遇を描いた外伝的な挿話となっているが、これは本作が連載中に掲載誌を変更した際に再導入部として描かれたもので、この中で「A」は主要登場人物に先駆けて登場し、読者を物語へと引き込むという役割を担っている。 島田 秀雄(しまだ ひでお) 第18話から第25話にかけて登場。新一を観察するために田村玲子が高校に送り込んだパラサイトで、新一より1学年上の3年2組に転入生として転入してくる。体の操作が上達するという理由でスポーツを好んだ。新一たちには「人間と同じ食事を摂り、パラサイトと人間との共存を目指している」などと語った。しかしこれは嘘で、実際には夜ごとにナンパした女性を捕食していた。「A」などとは違い表面上は理性的で、新一と明確に敵対せず接近を目論んだことから、ミギーからは「話せば分かるタイプ」と分類された。 後に正体を見破った同級生・裕子が突発的に投げた瓶入りの強酸を浴びて細胞統制が錯乱した状態に陥り、頭部が変形したまま校内で暴れながら生徒・教師・警官の計17名を殺害した。最後は屋上に出たところを、新一の身体能力と変形したミギーの連携による遠距離からの石の投擲で胸部を破壊されて絶命する。公的には「覚醒剤中毒により狂暴化した少年」として発表されたが、マスコミや評論家は「人間の力ではありえない行為」として真実を追究しようとした。その死体は専門機関の手に渡り、それによって頭部を寄生されていない普通の人間との識別方法が解明されるなど、パラサイトの生命構造や特性を知るための重要なサンプルとなった。
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