構成とテーマ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/26 16:43 UTC 版)
「ULTRA BLUE」の記事における「構成とテーマ」の解説
アルバムタイトルは、宇多田が制作を進めるにつれて「今の自分に合う」と感じたという「青色」をヒントに、「ULTRA BLUE」とつけられた。宇多田ヒカル名義で以前にリリースされたオリジナルアルバム3作と違いアルバムのタイトル曲がないが、テレビのインタビューで、「アルバムの中に『BLUE』という曲があってこのアルバムの方向性を示しているんだけど、だけど“BLUE”だけでは淋しく暗い感じがする…悲しい感じがする。だから“BLUE”の前後に何か言葉をつけようと思って…。『ULTRA BLUE』ってよいタイトルだと思う。BLUEが持つイメージをそのまま特定していないから」と述べている。宇多田は以前から、「time will tell」や「SAKURAドロップス」、「COLORS」、「Passion」など、度々歌詞に「青い空」「青空」を用いていた。宇多田は今作以前のインタビューにて、「(青い空には)裏がある気がして怖い」と語っており、それゆえに歌詞に多く出てくるのだという。また「その瞬間瞬間がいかに儚いかみたいなことを、空が青いと考えちゃう」とも語っており、その「青い空」を歌詞にすることによって「自分でその恐怖心をコントロール」し、「"青い空"を征服、支配」したいのかもしれないと語っていた。そんな中、宇多田は本アルバムの制作中に「BLUE」の歌詞を書いたことで、今まで自分が感じていた様々な思いにも合点がいくようになったといい、実は自分は「青・BLUE」が好きだったことにも気づいたという。また、種類も様々で明るくもあり暗くもあるという特徴、謎めいた感じ、爽やかな感じ、若い感じなども気に入っており、「すごく今の自分だなぁ」とも感じていた。そして、以前から青に対して恐怖感を抱いていたのは実は「自分自身が怖かった」と気づき、今回はそれらも含めて受け入れることができたといい、そういう気持ちが作品にも表れているのだという。また、宇多田は子供のころからずっと「自分が女の子であることに対する違和感」を感じていたといい、その中世的な性格も「ブルー」で言い表せると感じたと語っている。そこに両親が2人とも中世的な性格だったことも相まって、宇多田は「真ん中にいる、男でもあり女でもある、大人でもあり子供でもある、という、0地点、『0・0』」が最も落ち着くのだという。また不確定性をヒントに、「全部のものがめちゃくちゃすごく揺れてて、でも、それがその存在で、そのものなんだっていうのが、自分の在り方ですごく共感できる」と語っている。こういった思いが本作の収録曲の歌詞にも様々に表れている。「This Is Love」は、相反する感情の間にある心境とかそれだけでは割り切れない様々な感情の定義の仕方を表す事を意識して作詞されている。宇多田は「悲しい、嬉しいといった感情が極限まで行くと、極端な気持ちの感じ方があまり感じない」といい、「日曜の朝」の歌詞にはそういった「普通が特別。特別なことがホント普通で、普通であるってことが特別だと思う、何事も」というフラットな考え方が反映された。「Eclipse (Interlude)」は、「混沌とした中の秩序」「破裂しそうでもバランスを保っている、というような緊張感」をイメージしたアレンジとなっている。 この他にも本作には様々なテーマやコンセプトが存在する。「海路」と「COLORS」は、宇多田いわく本アルバムを表すキーワードのような位置付けの曲であり、「自分自身の哲学を表した歌詞になってて、自分の手で作り上げられた作品は自分の手元から離れると後は、受け取る側の人々次第、って事を言い表したのがこの2曲で、そうすることで独り善がりで、偏りのある作品を作らずに済むって考えてて、最終的に一度他の人の元へ言った作品はもうその人々の物になるから、そうなったら言い訳は聞かないな。って思ってます」と語っている。2005年にシングルとして続けてリリースされた「Be My Last」「Passion」と、その次の「Keep Tryin'」には、「過去も現在も未来も同じ気持ちで見てあげたい」という気持ち「いろんなことが動いたり変わったり、流動的だったり、不安定な世界の中で変わらないものと言ったら、魂とか情熱になっていく」というテーマが一貫しているという。当時のインタビューでは以下のように語った。 「この2、3曲とも、私っていうキャラであったり、私自身の直接的な体験とかもいろいろある中で、私の周りに渦巻くすごく大きな世界のシステム?この世のあり方っていうか、そういう大きな設定のような気がするのね。図を描くとすごく簡単になるんだけど、中心にいる私がいて、その周りに大きな円があって、そこでいろんなものがグルグル回ってたり停滞していたり、点滅していたり、ぶつかり合ったりしてるのが全部1個の小惑星みたいな感じで、その世界の輪廻転生とか過去とか未来とか、いろんなそういうものが渦巻いているっていうのがわりと共通している基礎かも。」 また、続けて制作された「Be My Last」と「Passion」はアルバムでも連続して置かれており、その中間にあった「怒り」のような荒々しい気持ちを両曲の間のインタールード曲で表している。同曲のタイトルには「神のお怒り」である"Eclipse"(日食)が選ばれており、その日食が明けると宇多田にとって「青空」という位置づけである「Passion」に続く構成にもなっている。同曲は「青空」であると同時に「希望の光」「理解の喜び」でもあり、最終曲にした理由について宇多田は「最後に理解する、理解される喜びを表すつもりでこの曲を持ってきた。優しさと悲しみの両方を広い心で受け入れようとそんなイメージを持ちながら、この位置になった」と語っている。
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構成とテーマ
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「Umbrella (清水翔太のアルバム)」の記事における「構成とテーマ」の解説
このアルバム『Umbrella』は13楽曲から構成されており、日本盤はボーナス・トラックとしてアルバムからのファースト/デビューシングル「HOME」のア・トライブ・コールド・クエストのアリ・シャーヒドによるリミックス「HOME」(HIPHOP REMIX)を足した計14曲が収録されている。清水は収録曲数について、デビュー・アルバムからいきなり収録曲数を多めにする気はなかったとし、それよりも1曲、1曲を大事にし、心に染み込ませられるようなアルバムにすることに重点を置いたとコメントした。更にR&Bやソウル、ヒップホップ、ジャズ、歌謡曲といった自身がこれまで聞いてきた様々な音楽ジャンルを挙げ、アルバムは「清水翔太の人間性や、清水翔太の音楽」といったものが結果としてしっかりと出た、反映されたアルバムになったと話している。アルバムのオープニングナンバー「Diggin' On U」はライブでも必ず1曲目にパフォーマンスされるライブ・チューンとなっており、アルバムでもその流れで1曲目に配置された。ボーナス・トラックの「HOME」(HIPHOP REMIX)については、このリミックス自体は「超自慢の一曲」としつつも、アルバムに収録したときに少しずれるかもしれないという本人の意向によりボーナス・トラック扱いでの収録となっている。FLYING POSTMAN PRESSは、このアルバムを「とても四季を感じることができる一枚」だと指摘している。このアルバムには特定のテーマやコンセプトなどが定められていない。テーマを定めない代わりにアルバムには、10代で得たものを全て詰め込むこと、更に、書きたいことや表現したいことが「リアルであること」を制約に、そしてアルバム制作時点もしくは10代時点―その時における「ひたむきさ」をいかにして素直に出し切るかということを考え制作されている。
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