楢葉町とは? わかりやすく解説

楢葉町

読み方:ナラハマチ(narahamachi)

所在 福島県双葉郡

地名辞典では2006年8月時点の情報を掲載しています。

楢葉町

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/07 23:18 UTC 版)

ならはまち 
楢葉町
楢葉町旗 楢葉町章
日本
地方 東北地方
都道府県 福島県
双葉郡
市町村コード 07542-6
法人番号 1000020075426
面積 103.64km2
総人口 3,308[編集]
推計人口、2025年6月1日)
人口密度 31.9人/km2
隣接自治体 いわき市双葉郡広野町富岡町川内村
町の木 すぎ
町の花 やまゆり
町の鳥 うぐいす
楢葉町役場
町長 松本幸英
所在地 979-0696
福島県双葉郡楢葉町大字北田字鐘突堂5-6
北緯37度16分58秒 東経140度59分36秒 / 北緯37.28264度 東経140.99347度 / 37.28264; 140.99347座標: 北緯37度16分58秒 東経140度59分36秒 / 北緯37.28264度 東経140.99347度 / 37.28264; 140.99347
楢葉町役場
外部リンク 公式ウェブサイト

― 市 / ― 町・村

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楢葉町(ならはまち)は、福島県浜通りに位置し、双葉郡に属する

地理

福島県東部の浜通り地方のほぼ中央に位置し、太平洋に面しており、南はいわき市と接している[1]。町域の約2割にあたる町域東部の海寄りの地域は平地で、中央部・西部は阿武隈高地の山地となっている[2]。中央部に郭公山があり、山の南側(町中央部)には木戸川が、北側では井出川がそれぞれ西から東へ流れている。

町の北東端に東京電力福島第二原子力発電所の1 - 4号機(2019年に電気事業法上廃止)が立地する。全号機が町内にあるが、福島第二原子力発電所の敷地は北隣の富岡町にもまたがっている。

富岡町の北にある大熊町双葉町には福島第一原子力発電所が立地しており、当町の町域は福島第一原子力発電所から概ね20km前後の場所に位置している。2011年3月11日福島第一原子力発電所事故の影響により、町域の大半(居住者のいる場所の全域)が警戒区域に指定されたが、2012年8月10日に避難指示解除準備区域(立入可、宿泊不可)となったのち、2015年9月5日に避難指示が解除された。

人口

楢葉町(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年) 8,215人
1975年(昭和50年) 7,884人
1980年(昭和55年) 8,366人
1985年(昭和60年) 8,422人
1990年(平成2年) 8,322人
1995年(平成7年) 8,476人
2000年(平成12年) 8,380人
2005年(平成17年) 8,188人
2010年(平成22年) 7,700人
2015年(平成27年) 975人
2020年(令和2年) 3,710人
総務省統計局 国勢調査より


歴史

  • 北向遺跡、天神原遺跡の発掘調査により、先土器時代(8000~13000年前)から人が住んでいたとされる[3]
  • 7世紀には大和朝廷支配下にあり、『和名類聚抄』に楢葉郷、白田郷が登場、現在の広野町から大熊町あたりまでが楢葉郷と呼ばれていたらしく、平安末期になって石城郡から独立して楢葉郡ができ、楢葉町はその中心地域だった[3]
  • 平安末期に浜通りを領有した岩城氏の一族楢葉太郎隆祐(たかすけ)が楢葉郡を支配し、以降300年楢葉一族が支配する[3]
  • 天正18年(1590年)、豊臣秀吉の天下統一による奥州仕置の結果、楢葉郡は岩城領内におかれたが、慶長5年(1600年)の関ヶ原の戦い岩城貞隆が石田方(西軍)に与したため領地が没収され、のちに亀田藩(秋田県)に転封[4]
  • 江戸時代は幕府直轄の天領、私領と変遷支配が続いた[4]
  • 江戸末期1868年戊辰戦争では戦地となり、1869年明治2年)の版籍奉還により、白河県、平県、磐前県と管轄が変わったのち、1876年(明治9年)に福島県に組み込まれる[5]
  • 1889年(明治22年)の町村制施行によって複数の小村が合併して、木戸村、滝田村が成立。明治中期に木戸駅、竜田駅の開設により、石炭、粘土の採掘、富岡営林署の官行事業、民間の木炭生産、木戸川発電所の運転など農林鉱産物の輸送で発展するが、戦争、農村恐慌などに襲われる[5]
  • 1956年昭和31年) - 木戸村、竜田村が合併し、楢葉町誕生。
  • 1971年(昭和46年)に東京電力福島第2原子力発電所の建設基地に決まり、交付金事業によってエネルギー都市として歩みはじめる[5]
  • 2011年(平成23年)3月11日 - 東日本大震災が発生。楢葉町で震度6強を観測。地震に伴う津波による福島第一原子力発電所事故の影響で町の大部分が半径20km以内の警戒区域に指定され、区域内の立ち入りが出来なくなる。役場機能は会津美里町いわき市に移転。
  • 2012年(平成24年)8月10日 - 警戒区域が避難指示解除準備区域に再編される。
  • 2013年(平成25年) - 楢葉町沖合で福島洋上風力コンソーシアムが運営する浮体式洋上風力発電施設の実証試験が始まる[6]
  • 2014年(平成26年)6月2日 - 業務の一部を町内の町役場で再開[7]
  • 2015年(平成27年)

行政

楢葉町コミュニティーセンター(2016年8月25日)

福島第一原子力発電所事故により会津美里町やいわき市に移転していた町役場は2014年6月2日に業務を再開した。会津美里町には会津美里出張所を、いわき市にはいわき明星大学内にいわき出張所を、いわき市中心部にいわき出張所谷川瀬分室を設置していたが、2018年3月30日に会津美里出張所及びいわき出張所は閉鎖された[12]

警察・消防

教育

福島県いわき市に設置された楢葉町立楢葉南小学校、楢葉北小学校、楢葉中学校の仮設校舎を視察する文部科学大臣馳浩(中央)と文部科学大臣政務官豊田真由子(左)ら(2016年7月14日)

中学校

  • 楢葉町立楢葉中学校

小学校

認定こども園

  • 楢葉町立あおぞらこども園

震災後の仮校舎

震災後の2012年4月に、楢葉中学校、楢葉北小学校、楢葉南小学校は、いわき市内にある工業団地内の事業所に仮校舎を設けて授業を再開した。そして2013年1月に、いわき明星大学敷地内に仮校舎を設置し、移転した。同時にあおぞらこども園の仮校舎を設置し、再開園した[13]。2017年4月に、楢葉中学校、楢葉北小学校、楢葉南小学校は、楢葉中学校の新校舎に[14]、あおぞらこども園は、楢葉町内に移転した。2022年4月、楢葉北小学校と楢葉南小学校は、統合により廃校となり、新設統合校である楢葉小学校は、楢葉南小学校の旧校地にて開校した[15][16]

交通

鉄道路線

JR常磐線再開通後の竜田駅(2014年8月5日)

路線バス等

  • 新常磐交通 - いわき市と富岡町を広野町・楢葉町経由で結ぶいわき~富岡線を2015年4月1日より運行している。町内では楢葉町役場と道の駅ならはに停車する。日祝日運休。
    • いわき駅前 - 東一丁目 - 久之浜駐在所 - 広野町役場入口 - 道の駅ならは - 楢葉町役場 - さくらモール診療所前 - 富岡駅
  • 町内お買いものバス - 町中心部の「ここなら笑店街」と町内各地を結ぶ無料バスを4路線運行している。各路線とも毎週1往復の運行。
  • 高速バス - 以下の2路線のうち各1往復のみ楢葉町内に停車する(いずれも新常磐交通が運行)。

震災前までは町が運行する楢葉町民バスがあったが、震災以降運休中。広野町が運行する広野町民バスも震災前までは町内に乗り入れていたが、震災以降、町内に乗り入れる路線は運行されていない。

道路

ならはパーキングエリア(2015年9月5日)

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

出身・関連著名人

出身著名人

関連著名人

姉妹都市・友好都市

姉妹都市

友好都市

脚注

  1. ^ ~福島県 楢葉町~(厚生労働省)2024年9月22日閲覧。
  2. ^ 51.風土の特色を探る(楢葉町) / ふくしまの歴史と文化の回廊”. 福島県. 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年8月10日閲覧。
  3. ^ a b c わたしたちの郷土楢葉町 楢葉町小学校社会科教師用資料1楢葉町教育委員会
  4. ^ a b わたしたちの郷土楢葉町 楢葉町小学校社会科教師用資料2楢葉町教育委員会
  5. ^ a b c わたしたちの郷土楢葉町 楢葉町小学校社会科教師用資料3楢葉町教育委員会
  6. ^ 福島復興・浮体式ウィンドファーム実証研究事業の進捗について” (2013年6月28日). 2020年6月13日閲覧。
  7. ^ 楢葉町役場の業務一部再開 3年3カ月ぶり福島民報
  8. ^ 準備宿泊に関するお知らせ - 楢葉町、2015年7月10日
  9. ^ 避難指示区域の概念図(令和5年11月30日時点)”. 福島県. 2024年11月8日閲覧。
  10. ^ 楢葉の避難指示解除 全町避難自治体初 双葉郡復興先駆けに福島民報
  11. ^ [1]楢葉町長選 現職の松本幸英氏が無投票で4回目の当選。
  12. ^ [2]いわき出張所 会津美里出張所の終了について。
  13. ^ 楢葉の小中校引っ越し いわき明星大敷地内”. 福島民報 (2012年12月26日). 2022年3月28日閲覧。
  14. ^ 6年ぶり地元で再開 小高、楢葉の小中学校”. 福島民報 (2017年4月17日). 2022年3月28日閲覧。
  15. ^ 楢葉町立楢葉北小学校 閉校”. ファイナルアクセス (2022年5月). 2022年7月28日閲覧。
  16. ^ 楢葉町立楢葉南小学校 閉校”. ファイナルアクセス (2022年5月). 2022年7月28日閲覧。
  17. ^ 姉妹都市 福島県 楢葉町
  18. ^ [3]福島県楢葉町との友好都市提携 調印式

関連項目

外部リンク


楢葉町

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/30 02:06 UTC 版)

福島の原子力発電所と地域社会」の記事における「楢葉町」の解説

楢葉町も福島第二原子力発電所建設伴って雇用電源三法による交付金固定資産税法人税等租税収入恩恵を受けることとなり、1978年度より地方交付税交付団体となっていたが、2009年7月には、東京電力からの法人税収が予定より多く減少し交付団体転落したことが明らかになり、この頃には大熊町以外の県内立地自治体軒並み交付団体転落している。『財界ふくしまはこうした背景元に、楢葉町長の草野孝が2009年3月に(高レベル放射性廃棄物の)「最終処分場受入意向がある」と発言したと『朝日新聞』に報じられ直後議会陳謝し出来事取り上げ応募自治体に対して最初期段階で国が実施する文献調査」の時点から、年間10億円交付され、次段階概要調査では交付金年間20億円となる事実指摘し危険性指摘する批判対比している。この発言について草野は「双葉郡には原発10基あるわけだから、地盤も、条件もいいので(国が)指定することに否定しないというだけで、朝日新聞記事のようなことは言っていない。最終処分場建設予定地に、手を挙げたということではない」と述べている。

※この「楢葉町」の解説は、「福島の原子力発電所と地域社会」の解説の一部です。
「楢葉町」を含む「福島の原子力発電所と地域社会」の記事については、「福島の原子力発電所と地域社会」の概要を参照ください。

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