映像・作画
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『マクロスプラス』では3次元コンピュータグラフィックス(リンクス制作)を積極的に活用しているが、本作のオープニングアニメーションの一部でも使用されている。シティ7内にたたずむバサラから一気にカメラを引いてマクロス7全景が映るまでがワンカットで描かれた冒頭部分は、手描きのアニメーションと3DCGで描かれた背景が合成されている。CGが「1分1億円」といわれていた当時、河森は『プラス』の取材のために訪れたアメリカ合衆国において、CGが「安い」という理由で用いられていたことに衝撃を受けてデジタル時代の到来を予感し、それに先んじるかたちで『プラス』でのCG導入を決め、より認知を広めるべくテレビアニメである『7』のオープニングでも用いることになった。当時は3DCGのみで完結するのが主流で、平面のアニメーションと3DCGの合成という手法はうまくいかないといわれていたが、河森は以前に手掛けたOVA『超時空要塞マクロス Flash Back 2012』で試みた映像表現の研究から、20度ほどの角度変化であれば手描き部分が平面であることが露呈しないという読みがあり、説得のすえに成立させることができたと語っている。リンクスの片塰満則は、「背景美術をそのまま動かすという狙いで創ったんです」と述べており、当該カットは「どの時点で画面を静止させても全体がBGとして見える」ようになっているという。サビの一部でも3DCGが使用されており、ここに登場する主人公機VF-19改のCGモデルは、『プラス』第3話のラストに登場するYF-19のデータが一部流用されたものである。 当時の30分テレビアニメが一話あたり2,000枚から3,000枚程度のセル画で制作されていたのに対し、本作第1話での使用枚数はおよそ7,000枚とされている。番組開始前に放映された特別番組『マクロス最速発進!!』では話数を指定せずに「7,000枚以上」と説明されている。最終話(第49話)を間近に控えた時期、藤本はバンク(使い回し)が15カットのみである最終話の作画枚数が「今までで一番多そう」と語り、冒頭ナレーション部分がないぶん、河森がみずから絵コンテを切った第27話「七色の歌エナジー」を越えるかもしれないと述べていた。ただし、全般的にメカの戦闘シーンではバンクが多用されている。
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映像・作画
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「響け! ユーフォニアム」の記事における「映像・作画」の解説
吹奏楽部のメンバー全員を含む登場人物のデザインを池田晶子が担当した。石原のオーダーに合わせ、各キャラクターは全体的に可愛らしさを重視したデザインとなっている。本作に限らず、池田が作成するキャラクター表には池田自身がイメージした各キャラクターの簡単な性格付けやプロフィール設定が書き添えられ、作画スタッフがキャラクターの芝居を描く際の参考として用いられている。 キャラクターデザインの作業に着手した段階では原作小説の既刊が第1作のみしかなく、ライトノベルのような挿絵イラストの類も挿入されていないため、当初はアサダニッキによる第1作の表紙装丁イラスト1点のみを唯一のビジュアル資料として主要キャラクターの検討が進められた。数ある登場人物のうち、石原が安心感のある可愛いさと評する小笠原晴香部長のデザインがいち早く仕上がった。劇中で吹奏楽部のマドンナと称される中世古香織も目元にほくろを入れたデザインをシリーズ演出の山田が気に入り、比較的早い段階で決定した。主要キャラクターのうち加藤葉月と川島緑輝については、アニメ用のオリジナル設定としてそれぞれツインテールとくせ毛のロングヘアーに髪型を変更する方向でデザインの調整を進めていたが、最終段階で原作の描写に沿った短い髪型へと方針を転換した。作中で長身の美人として描写される田中あすか副部長については、池田の念頭にはより大人びた路線の選択肢もあったが、石原の方針に沿って可愛さに振ったデザインが採られた。副顧問の松本美知恵はアサダがアニメ用に新規イラストを描き起こし、そのイメージをベースにデザインを行った。顧問の滝昇はシリーズ演出の山田からの具体的な要求に沿って、若者らしくない地味な眼鏡、コンクール演奏時の正装とは落差のある普段の風貌、柔らかい質感の髪、柔和な表情といった要素を取り入れたデザインが採用された。 石原はこれまでに刊行されたアサダの漫画作品を全て揃え、本作のキャラクター作画の方向性を探る参考とした。シリアスな描写の多い本作でも一部のコミカルなシーンではギャグ漫画風のキャラクターの崩し顔を使用しているが、アサダの画風に倣って頭身を大きく変えない作画を基本としている。 美術監督の篠原睦雄は、女性キャラクターが多数を占める作画との対比を意図して、全体的にコントラストを強調した力強さのある背景美術の描き方を採用した。空の色は微かに緑がかった色合いを出している。屋内のカットでは蛍光灯などによる室内の光源を弱め、窓からの自然光がより強調されている。石原が好んで用いる演出手法として、逆光を利用した構図を多用している。
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