桂沢ダム
新桂沢ダム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/02 09:12 UTC 版)
ダム完成後も石狩川流域は度々水害に見舞われ、特に1981年(昭和56年)の台風12号は石狩川未曾有の大水害をもたらした。このため治水計画の再検討が為され、幾春別川流域も新たに『幾春別川総合開発計画』が策定された。右支川・奔別川に三笠ぽんべつダム(重力式コンクリートダム。高さ78.0m)を建設し、下流では幾春別川新水路を開削して美唄川合流点から石狩川合流点まで河川整備を行う計画内容であるが、この中に「桂沢ダム再開発事業」として新桂沢ダムの建設も盛り込まれた。新桂沢ダムは桂沢ダムを12.4m嵩上げし、高さ76.0mのダムとして再開発する計画である。同様の手法での再開発事業は岐阜県の丸山ダムと新丸山ダム(木曽川本川。国土交通省中部地方整備局)が実施中である。三笠ぽんべつダム・幾春別川新水路と連携した治水強化、上水道、発電の他石狩湾新港工業地域への工業用水を供給し、地下水からの依存を脱却させることで間接的に地盤沈下を防ぐ目的を持つ。 現在本体工事に着手し、完成すれば桂沢ダムは水没する。だが、公共事業見直しの機運の中で国土交通省は2005年(平成17年)幾春別川総合開発事業の規模縮小方針を固めており、これを受けて石狩川開発建設部は2006年(平成18年)に『石狩川水系幾春別川河川整備計画』を策定したが、この中で桂沢ダム再開発事業も内容が改定された。新桂沢ダムについては規模・目的について変更はないが、三笠ぽんべつダムについては大幅な変更が為されている。この計画において三笠ぽんべつダムは多目的ダムから治水ダムへ目的が縮小され、平常時は貯水しない「穴あきダム」となった。ダムの規模も目的の縮小に伴って大幅に変更され、堤高は78.0mから53.0mへと25.0mも低くなり、総貯水容量も26,600,000トンから8,620,000トンへ大幅に縮小された。 これにより今後の幾春別川総合開発事業は特定多目的ダムとしての新桂沢ダムと、洪水調節のみを目的とする治水ダム・三笠ぽんべつダムの2ダム体制で進むこととなった。
※この「新桂沢ダム」の解説は、「桂沢ダム」の解説の一部です。
「新桂沢ダム」を含む「桂沢ダム」の記事については、「桂沢ダム」の概要を参照ください。
- 新桂沢ダムのページへのリンク