平成の再開発
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/16 05:41 UTC 版)
その後も「国営山王海農業水利事業」に基づく灌漑整備は続けられたが、農業技術の発展に伴い収穫量が増加し、新たなる水源確保の必要性に迫られた。農林水産省は1977年(昭和52年)より山王海ダムを再開発して灌漑用水供給量の増加を図る「第二期国営山王海農業水利事業」に着手した。 先ず支流の葛丸川に葛丸ダム(中央土質遮水壁型ロックフィルダム、51.7m)を1977年より建設し、1991年(平成3年)に完成させた。続いて1990年(平成2年)より「山王海ダム再開発事業」の本格的な施工が開始された。この事業は山王海ダムを24.1mの大幅な嵩上げ(37.4mから61.5m)を行って貯水容量を増加させ、かんがい用水の供給を向上させようというものである。 嵩上げは桂沢ダムと新桂沢ダム(石狩川水系幾春別川。国土交通省北海道開発局)や丸山ダムと新丸山ダム(木曽川本川。国土交通省中部地方整備局)と同様に旧ダムを取り込む形で行われ、ロックフィルダムとして建設された。ダム湖はかんがい専用ダムとしては貯水容量が全国一の規模となるが、滝名川だけでは十分に湛水させる事が出来ないため、葛丸ダムとの間に導水・取水トンネルを建設して貯水を融通することで効率的な水運用を図る。 2001年(平成13年)に再開発事業は完成したが、建設当時の思いは新しい山王海ダムにも引き継がれ、ダム堤体には「平安・山王海・2001」という文字が植樹で描かれている。
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