政治活動・結社・出版・言論・表現の自由
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 05:43 UTC 版)
「イスラエル国防軍軍律」の記事における「政治活動・結社・出版・言論・表現の自由」の解説
命令50号(1967年7月11日) 新聞の頒布に関する命令。地区司令官によって任命された将校の許可なしに、新聞の頒布又は発行をすることを禁じる。「新聞」はあらゆる出版・頒布物を含む。無許可の新聞は押収され、5年以下の懲役又は1500ヨルダン・ディナール以下の罰金に処し、若しくはこれを併科する。 命令79号(8月2日) 伝達と放送に関する命令。無許可での放送器機所有や、放送はこれを禁止する。そのような機器は20日以内に当局に引き渡されなければならない。違反者は5年以下の懲役又は5000イスラエル・リラ以下の罰金に処し、若しくはこれを併科する。 命令101号(8月27日) 煽動・敵対的宣伝の禁止に関する命令。軍司令官の許可なしに、行進や集会、夜間礼拝(政治に直接または間接的に関わる可能性のある主題の時は、10人以上)を行うことを禁じる。軍司令官は、許可申請の内容や条件を、事前の告知なしに設定することができる。また、旗やその他のシンボルの掲揚、政治的意味合いを持つ記事・写真の頒布および出版を禁じる。軍司令官は、カフェ、クラブ、その他公衆の集会所の所有者に対して、軍が指定した期間、当該場所の閉鎖を命じることができる。命令が出された場合、閉鎖された場所にいた者は、命令に違反したものと見なす。公共の秩序・安全を害するような方法で、世論に影響を与えようと試みてはならない。検閲の規則は1945年の国防(緊急事態)規則の通りとする。違反者は10年以下の懲役又は1000イスラエル・リラ以下の罰金に処し、若しくはこれを併科する。兵士はこの命令を執行するため、武力行使を含む権限を行使できる。 命令107号(8月9日) 教科書の使用に関する命令。アラビア語、歴史、地理、社会学、哲学など、55種類の教科書の使用を禁止する。 命令110号(9月4日) 新聞の頒布に関する命令。命令50号の改正。命令50号第2条を「出版許可」と置き換える。新聞の頒布・発行は、関係役人の許可を必要とする。 命令718号(1977年7月22日) 煽動・敵対的宣伝の禁止に関する命令。命令101号の改正。罰金を1000イスラエル・リラより10000イスラエル・リラに引き上げる。 命令862号(1980年8月6日) 印刷物の頒布に関する命令。命令50号の改正3号。命令50号の「新聞」を「印刷物」に置き換える。イスラエルの役人は、禁止されている教科書に頒布許可証を与えてはならない。 命令938号(1981年10月5日) 煽動・敵対的宣伝の禁止に関する命令。命令101号の改正1号。(パレスチナ)国旗掲揚、民族主義的な歌の聴取、敵対的組織の支持を、「敵対的行動」とみなす。 命令1079号(1983年10月14日) 煽動・敵対的宣伝の禁止に関する命令。命令101号の改正3号。印刷の定義に、「レコード、音声を含む録音と映画撮影」を追加する。頒布物の定義に「テープ、カセットテープ又はレコード」を追加する。出版の定義に「書面で、口頭で、声で、映画放映で、その他の方法で」を追加する。 命令1140号(1985年6月9日) 印刷物の配布に関する命令。命令50条の改正4号。新聞編集者は、イスラエル国防軍やその機関が発行したパンフレットやその他の発行物を、無償で印刷する義務がある。 命令1423号(1995年1月26日) 煽動・敵対的宣伝の禁止に関する命令。命令101号の改正。行進、集会、夜間礼拝などの許可申請は、現地の地区調整事務所に申請するものとする。 命令1827号(2020年2月9日) 命令1651号の改正67号。「有害物質」「化学兵器」「生物兵器」「武器」「銃器」、その他の定義を追加する。同一事件の共謀の被疑のある複数の被疑者が、同一の弁護士(同一弁護士事務所の別人を含む)と接見することは、捜査を著しく妨害する恐れがあるので、事前の許可制とする。また、「犯罪に関与する」あるいは「テロリスト」財産の定義を追加し、テロリストである個人又は団体への資産提供を禁止する。当該の商品、現金、預金口座などは差し押さえることができる。放射線を含む生物化学兵器を使用したり、使用しようとした者は、死刑に処する。無許可の団体を結成し、運営に携わる者は、25年以下の禁錮に処する。財産の提供を行った者は10年以下の懲役と罰金(命令845号に基づき、規定の20倍に引き上げる)のいずれかに処し、若しくはこれを併科する。また、現に犯罪は行われていないが、犯罪が行われる可能性を認識しながら財産提供した者は7年以下の懲役又は規定の10倍の罰金に処する。無許可の団体との取引、又は財産提供は、7年以下の禁固に処する。これらの規定は、1945年の国防(緊急)規則に基づく。犯意の証明は、未必の故意又は現に無許可の団体の財産に関する違反行為若しくは無許可の団体への財産譲渡の事実の、一つでも立証されれば十分とする。パレスチナは、イスラエルに投獄された囚人や、イスラエルの治安機関に殺害された人物の遺族に対して、生活費を支給している。これに対する重罰化と共に、財産提供者および銀行への罰則を新設したもの。
※この「政治活動・結社・出版・言論・表現の自由」の解説は、「イスラエル国防軍軍律」の解説の一部です。
「政治活動・結社・出版・言論・表現の自由」を含む「イスラエル国防軍軍律」の記事については、「イスラエル国防軍軍律」の概要を参照ください。
- 政治活動・結社・出版・言論・表現の自由のページへのリンク