改造内容や特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 09:23 UTC 版)
外装は、大径・大音量マフラーへの換装や、ローダウン、エアロパーツの取り付け、アルミホイールやフェンダーの大型化、ホイールとボディーの段差をなくす(面一―ツライチと呼ばれる)、鬼キャンなどの改造がされる。また原色系の派手な塗色も好まれ、場合によっては塗り替えられる。 内装は、応接間をモチーフに大理石調や木目調の装飾が施されることが多い。その他、房などを用いた和風の装飾、原色や光り物などを用いた派手な装飾など様々である。なお、スモークフィルムの貼り付けがなされることも多いが、夜間などに見えにくくなることから規制がされている(後述)。 最近では比較的シンプルな改造や、白や黒の控え目な塗色が好まれる。また古い年式の車種では、いかに現代的にみせるかといった改造が主流で、現行車種のライト類を移植したり、その純正色で全塗装をすることもある。内装は多数の小型モニターや大音量のオーディオ・ウーファー、発光ダイオードやネオン管などの電飾を装備しているものが主流である。このほか、車高を低くみせるためルーフを黒く塗装することもある。さらにこの流れからヨーロッパのチューナーなどを意識したユーロスタイルや、そのユーロスタイルをベースにして、スーパーカーなどの外観の造型を意識してのエアロパーツの加工などを行ったハイパーユーロと呼ばれるスタイルが生まれている。 2000年代初頭には運転席や助手席にバケットシートを入れ各種追加メーターやスポーティーハンドル、ロールバー、外装に後付け牽引フック、GTウィングやボディにダクト加工、直径130mm以上の砲弾型マフラー、大振りなオーバーフェンダーに18インチのマイスターやエクィップなどのホイールをショルダーツラに合わせるスポーティーVIPが一時期流行した。 価格の安い旧式の中古車をベースにする場合、低年式車両は老朽化、メカニズムの複雑さから故障の多さや補修部品確保の問題にも注意が必要である。そもそもセルシオやシーマといった一部のセダン系の車種は高級車としての位置づけのため、元来維持費が高額(燃料はハイオク指定、加えて燃費が著しく悪いなど)であるため、2000年以降に生産された車種であっても一部のそうした車種は維持費がそれ相応にかかる。 改造パーツを装着して車高を下げることで、最低地上高が拳(こぶし)ひとつすら入らないくらい低いものとなっている車両が多く存在する。これらの改造は車両の道具としての実用性が考慮されておらず、例えば道路脇施設への出入りの際に縁石が切り下げてあるにも関わらずバンパーの下部を擦ったり、ぶつけて割ってしまったりするケースも多くあり、最悪の場合、中心が盛り上がっているかまぼこ型の踏切で立ち往生するケースも存在する。これらの対策として、近年ではコンピューター制御により、リモコン1つで車高をコントロール出来るエアサスペンションシステムが存在しているが非常に高額であるため、スプリングをカットしたり、車高調を入れるものが主流である。 またこれらの理由に加え、ベース車両のほとんどがFR車のため、降雪時の走行は困難である。実際降雪地域の冬季にはあまり見かけることはないが、晴れて道路に雪がない休日にはまれに見ることができる。 近年、ガソリン価格の高騰が進んでいることから、維持費節減を狙ってハイブリッド仕様車が設定されている高年式車がベースとなる場合がある。 VIPカーのオーナーを対象として、チームやクラブ、連合などと呼ばれる団体や、ミーティング、イベント、ドレコン(ドレスアップカーコンテスト)などと呼ばれる集会がある。これらは暴走族とは異なり全国規模になることが多い。そのため、プレートと呼ばれるフロントガラスに提示する室内用装飾品やステッカーなどで自らが所属する団体をアピールしていることが多々ある。
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