後期密教とは? わかりやすく解説

後期密教

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/11 09:53 UTC 版)

荼枳尼天」の記事における「後期密教」の解説

インドの後期密教においてはタントラシャクティ(性力)信仰影響で、裸体髑髏(どくろ)などを持つ女神の姿で描かれるようになっていった。明妃と呼ばれる女性配偶尊として登場する髑髏杯(カパーラ)や肉切包丁カルトリ)を手にした裸の女性の姿で表わされ、ヨーギニー(瑜伽女)とも呼ばれる無上瑜伽タントラ密教修行において、行者性的パートナー役割を担う。仏教学者津田真一は、後期密教のダーキニー7-8世紀インドでオルギー的宗教儀礼行っていた魔女たち集団であった想定した田中公明はこの津田仮説下敷きにして、ダーキニー中世インドの尸祀られていた土着宗教女神眷属であったが、その女神の祠堂仕え巫女もまたダーキニー呼ばれた推察している。

※この「後期密教」の解説は、「荼枳尼天」の解説の一部です。
「後期密教」を含む「荼枳尼天」の記事については、「荼枳尼天」の概要を参照ください。


後期密教

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 08:43 UTC 版)

真言」の記事における「後期密教」の解説

後期密教では性的儀礼などの特異な内容含まれるため、中国本土倫理観と相容れず、日本にも伝わらなかった。インドでの仏教滅亡後チベット仏教にその名残とどめている。

※この「後期密教」の解説は、「真言」の解説の一部です。
「後期密教」を含む「真言」の記事については、「真言」の概要を参照ください。


後期密教

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 03:58 UTC 版)

密教」の記事における「後期密教」の解説

インドにおいてヒンドゥー教シャークタ派タントラシャクティ(性力)信仰から影響受けたとされる男性原理精神理性方便)と女性原理肉体感情般若)との合一目指す無上瑜伽の行も無上瑜伽タントラ呼ばれる後期密教の特徴である。男性名詞であるため男尊として表される方便と、女性名詞であるため女尊として表される智慧が交わることによって生じる、密教における不二智を象徴的に表す「歓喜仏」も多数登場した無上瑜伽タントラ理解分かれていた初期段階では、修行者である瑜伽行者がしばしばタントラ書かれていることを文字通りに解釈し、あるいは象徴的な意味を持つ諸尊交合の姿から発想して、女尊との性的瑜伽実際性行為として実行することがあったとされるそうした性的実践が後期密教にどの時期いかなる経緯導入されていったかについてはいくつかの説があるが、仏教学者津田真一は後期密教の性的要素淵源として、性的儀礼を伴う「尸宗教」という中世インド土着宗教存在仮定した。後にチベットでジョル呼ばれて非難されることになる性的実践は主に在家密教行者によって行われていたとも考えられているが、出家教団においてはタントラの中の過激な文言性的要素そのまま受け容れることができないため、譬喩として穏当なものに解釈する必要が生じた。しかし、時には男性僧侶在家女性信者我が身捧げる無上供養としてそれを強要する破戒行為にまで及ぶこともあった。 さらには当時政治社会情勢から、イスラム勢力侵攻によるインド仏教崩壊予見されていたため、最後密教経典である時輪タントラカーラチャクラ)の中でイスラム隆盛インド仏教崩壊インド仏教復興までの期間(末法時代)は密教によってのみ往来が可能とされる秘密の仏教国土理想郷シャンバラ概念シャンバラの第32代の王となるルドラ・チャクリン(転輪聖王)、ルドラ・チャクリンによる侵略者イスラム教徒)への反撃、ルドラ・チャクリンが最終戦争で悪の王とその支持者破壊する予言、そして未来におけるインド仏教復興地上における秩序回復世界調和と平和の到来、等が説かれた。 インド北部におけるイスラム勢力侵攻破壊活動によってインドでは密教を含む仏教途絶したが、後期密教のさらに発展した体系今日チベット密教中に見ることができる。

※この「後期密教」の解説は、「密教」の解説の一部です。
「後期密教」を含む「密教」の記事については、「密教」の概要を参照ください。


後期密教

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/05 07:34 UTC 版)

阿閦如来」の記事における「後期密教」の解説

インド仏教後期主流となった後期密教においては忿怒形(ふんぬぎょう)の護法尊が多数信仰されるようになった。また後期密教では最高位の仏(本初仏、勝初仏)が、大日如来から、法身普賢持金剛仏阿閦金剛仏等へと変化していった。イスラム教台頭仏教衰退背景として成立したインド仏教・後期密教の終末期経典である『カーラ・チャクラ(時輪)タントラでも、護法尊を統括する本初仏として阿閦金剛仏たる阿閦如来が主尊である。時輪タントラでは、シャンバラ阿閦如来変化身である忿怒尊ヘーヴァジュラ仏(英語版)(呼金剛仏、喜金剛仏)を本尊とするカーラ・チャクラ満ちているとされ、無上不動信仰智慧を得ることが説かれるインド後期密教の流れ受け継ぐチベット仏教ネパールの仏教では、阿閦如来単独広く信仰され造像例も多い。

※この「後期密教」の解説は、「阿閦如来」の解説の一部です。
「後期密教」を含む「阿閦如来」の記事については、「阿閦如来」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「後期密教」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「後期密教」の関連用語

後期密教のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



後期密教のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの荼枳尼天 (改訂履歴)、真言 (改訂履歴)、密教 (改訂履歴)、阿閦如来 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS