定義と例示とは? わかりやすく解説

定義と例示

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/22 23:40 UTC 版)

エンドニムとエクソニム」の記事における「定義と例示」の解説

国際連合地名標準化会議 (UNCSGN) の地名専門家グループ (UNGEGN) が取りまとめ公表した地名標準化用語集によればエンドニムとエクソニム次のように定義されている(下記和訳田邉 (2020)による)。 .mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}076 endonymName of a geographical feature in one of the languages occurring in that area where the feature is situated. Examples: Vārānasī (not Benares); Aachen (not Aix-la-Chapelle); Krung Thep (not Bangkok); al-Uqşur (not Luxor); Teverya (not Tiberias). 076 エンドニム内生地名地理的実体存在する地域生まれた諸言語のうちの一つ表される名称。例示インドBenares ではなく Vārānasī 、ドイツAix-la-Chapelle ではなく AachenタイBangkok ではなく Krung ThepエジプトLuxor ではなく al-UqşurイスラエルTiberias ではなく Teverya 。 081 exonym Name used in a specific language for a geographical feature situated outside the area where that language has official status, and differing in its form from the name used in the official language or languages of the area where the geographical feature is situated. Examples: Warsaw is the English exonym for Warszawa; Londres is French for London; Mailand is German for Milano. The officially romanized endonym Moskva for Москва is not an exonym, nor is the Pinyin form Beijing, while Peking is an exonym. 081 エクソニム外来地名) ある特定言語において公用語域外にある地理的実体のために用いられ公用語あるいは地理的実体存在する地域諸言語用いられる名称とは異なった形態あるような名称。例示WarsawWarszawa の英語の外来地名であり、 LondresLondonフランス語外来地名、 Mailand は Milanoドイツ語外来地名である。ただし MoskvaМосква外来地名ではなくBeijing拼音 (Pīn-yīn) 形も外来地名ではないが、 Peking は外来地名である。 —UNGEGNGlossary of Terms for the Standardization of Geographical Names (2002) ただし、領土変更などによって内生地名エクソニム化する可能性があり、反対に古くからあるエクソニム内生地名化してエンドニムとなる場合もしばしばあるので、エクソニム相対的な概念にすぎないまた、田邉 (2020)は、上掲の定義には、歴史的視点漠然としており、外来地名住民受け入れられ内生地名になってゆく過程や、使用言語外来語自分言語中に消化・吸収する過程省略されていることを指摘している。 かつてケーニヒスベルク呼ばれた都市は、20世紀ソビエト領を経てロシア領になり、現在はカリーニングラードの名でも呼ばれるが、ロシア人にとってはケーニヒスベルク外来地名であり、カリーニングラード内生地名となっている一方ドイツ人にとってはケーニヒスベルクは(今や異国都市になっているが)昔からの内生地名であってカリーニングラード外来地名である。 また、もともと内名グダニスク呼ばれていたポーランドの同都市は、1793年プロイセン王国併合されドイツ語名の「ダンツィヒ」(外名)に改称されたが、第二次世界大戦ドイツ敗戦してポーランド独立回復した後、1952年に再び元の都市名グダニスク」(内名)に復帰したこのようにドイツ語住民入植したり、ドイツ帝国オーストリア帝国占領されたりした歴史的背景をもつ東ヨーロッパ地域には、もともと内生地名だったドイツ地名各国語呼称置き換えられ外来地名になったドイツ語地名事例が多い。1989年に始まる東欧革命伴って東欧諸国地域伝統文化歴史への関心高まり地域固有の言語による地名呼称重視されるようになり、ドイツ語圏においても1990年代以降地理学雑誌用いられる地名表記ドイツ語外名表記から現地語の内名表記へと変化するなどしている。 フランス人命名したアメリカ合衆国都市名デトロイトは元の綴り字 Detroit のまま英語読みされる一方バトンルージュ Baton Rouge綴り読みフランス式維持している。いずれも外来地名化した内生地名事例である。 反対に内生地名化したエクソニム実例挙げると、16世紀日本交流のあったポルトガル語外来地名 Holanda由来するオランダ」は日本語において内生地名化したが、同国内生地名の「ネーデルラント」は依然日本人にとって外来地名である。 U.S.A.対する「米国」、 U.K.対する「英国」「イギリス」なども、現在の国名である the United States of America および the United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland取り入れ以前外来地名元に成立した日本語中に内生化した地名である。 このように遠方自分生活圏入り込まなかった地名外来地名内生地名として取り込むことが多く逆に早い時期から交易接触のあった土地には、現地名に優先して自分言語文脈の中で自らの文化圏において内生地名誕生させていくことになる、と田邉 (2020)は説明している。 上掲国連による内生地名例示では、パレスチナ側のアラビア語地名 Teverya が内生地名とされ、イスラエル側のヘブライ語地名 Tiberias内生地名ではないとみなされているが、ユダヤ人から見れば全く逆の位置づけとなる。結局、ある地名エンドニムとエクソニムのいずれであるかという問に答える際は、誰か見て内生外来なのかという視点考えて捉えることが重要である。

※この「定義と例示」の解説は、「エンドニムとエクソニム」の解説の一部です。
「定義と例示」を含む「エンドニムとエクソニム」の記事については、「エンドニムとエクソニム」の概要を参照ください。

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